Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として下痢はどの程度起こりやすく、原因や服用方法・用量調整などでの対処法はありますか? - Persly Health Information
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2026年2月18日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として下痢はどの程度起こりやすく、原因や服用方法・用量調整などでの対処法はありますか?

要点:

メトホルミンでは下痢が比較的多く、即放性(IR)で約53%、徐放性(XR)で約10%にみられ、開始直後や増量時に起こりやすいです。多くは一過性で、食後内服、少量からの漸増、XRへの切り替え、錠剤を砕かないなどで軽減でき、強い症状が続く場合は用量調整や一時中断・再導入を検討します。脱水や血便など重篤サインがあれば受診が推奨されます。

メトホルミンでの下痢は比較的よくみられる副作用で、特に飲み始めや増量時に起こりやすいです。即放性(IR)製剤では約50%前後に下痢が報告され、徐放性(XR)製剤では約10%程度まで低下します。 [1] [2] 下痢は多くの場合、数日〜数週間で落ち着きますが、強い症状が続く場合は用量や製剤の見直しで改善できることがあります。 [3] [4]

発生頻度の目安

  • 即放性(IR)製剤:臨床試験では下痢が約53%で報告されています。 [1] 同じ試験でプラセボは約12%でした。 [1]
  • 徐放性(XR)製剤:大規模試験で下痢は約10%で、プラセボは約3%でした。 [2] XRはIRに比べて消化器症状が少ない傾向が示されています。 [2]
  • 臨床現場の観察:メトホルミン群での下痢の有病率が高いとの報告があり、中止後2–5日で改善することが多いとされています。 [5] ただし、これはアンケート調査であり、個人差があります。 [5]

なぜ下痢が起こるのか(考えられる機序)

  • 腸管での局所刺激・浸透圧変化による水分分泌増加が示唆されています。これはIRでより起こりやすく、XRではゆっくり放出されるため症状が軽減しやすいと考えられます。 [6]
  • 濃度上昇のスパイクが小さいXRは、同等の効果を保ちながら消化器副作用が少ないという特性があります。 [6] [7]

服用方法でできる対処

  • 食後に服用する:食事と一緒、特に夕食と一緒に服用すると胃腸の不快感を減らせます。 [8] [9]
  • 錠剤は砕かない・噛まない:XRは必ず丸ごと飲みます(砕くと一気に放出され副作用が増えます)。 [8] [10]
  • 徐々に増量する:低用量から開始し、ゆっくり増やすことで消化器症状を抑えられます。 [4] [11]
  • 症状が長引く・強い場合は相談:数週間以上続く、いったん治まって再発する、開始後しばらくして出るなどの場合は用量調整や一時中断が必要なことがあります。 [3] [3]

用量調整・製剤変更のコツ

  • 低用量開始:たとえばXRなら500 mgを1日1回夕食後から始め、耐容性を見ながら段階的に増量します。 [11] [4]
  • 最大用量の上限:成人XRの推奨最大は2000 mg/日が目安です。 [4] 増量は数週間単位で行い、症状が出たら据え置きや減量を検討します。 [11]
  • IR→XRへの切り替え:IRで消化器症状が強い場合、XRに切り替えると忍容性が改善することが多いと報告されています。 [6] [7]
  • 一時中止・再導入:強い下痢が続く場合は一時中止で症状が落ち着くことが多く、その後低用量から再導入する方法があります。 [5] [3]

他の消化器症状との比較

  • IRでは下痢以外にも吐き気・嘔吐(約26%)、お腹の張り(約12%)、消化不良(約7%)などが認められます。 [1] これらは多くが一過性です。 [3]
  • XRでは同様の症状頻度が全体として低めです(下痢10%、吐き気・嘔吐7%)。 [2] XRは同等の血糖降下効果を保ちつつ、消化器系の副作用が少ない傾向です。 [6] [7]

受診や対応が必要なサイン

  • 数週間以上続く水様便、体重減少、血便、発熱、強い腹痛、脱水の兆候がある場合は、他の原因(感染、過敏性腸症候群、胆汁性下痢、他薬剤、人工甘味料の影響、糖尿病性腸症など)も含め医療機関で評価が望まれます。 [12]
  • 症状が日常生活に支障する場合は、用量調整・XR切り替え・内服タイミング調整などで改善が見込めます。 [3] [6]

まとめのポイント

  • IRの下痢は約53%、XRは約10%と、XRで明らかに低減します。 [1] [2]
  • 食後内服、低用量開始とゆっくり増量、XRへの切り替え、錠剤は噛まないといった工夫で多くのケースは改善が期待できます。 [8] [4] [6]
  • 強い症状が続く場合は一時中断や再導入、他疾患の鑑別を検討します。 [3] [12] [5]

よくあるQ&A

  • Q:飲み始めてから下痢が続きます。いつまで様子を見てもいいですか?
    A:多くは数日〜数週間で軽快しますが、数週間以上続く・悪化する・脱水が心配なら主治医に相談し、減量やXR切り替えを検討してください。 [3] [2] [6]

  • Q:夜にXRを飲む必要はありますか?
    A:XRは夕食と一緒に1日1回が基本で、胃腸症状を減らすために食後が推奨されます。 [8] [11]

  • Q:最大どれくらい増やせますか?
    A:成人XRの最大推奨は2000 mg/日です。少量から開始し段階的に増量し、症状があれば据え置きや減量を行います。 [4] [11]


参考データ(頻度比較)

製剤下痢発現率比較群備考
即放性(IR)約53%プラセボ約12%消化器症状が多め [1]
徐放性(XR)約10%プラセボ約3%忍容性が高い傾向 [2]

XRはIRと同等の効果ながら消化器副作用の低減とアドヒアランス改善が期待できます。 [6] [7]

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出典

  1. 1.^abcdefMETFORMIN HYDROCHLORIDE- metformin hydrochloride tablet tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefghMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdDiarrhea and metformin in a diabetic clinic.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefghAdvantages of extended-release metformin in patients with type 2 diabetes mellitus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdOverview of metformin: special focus on metformin extended release.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^DailyMed - METFORMIN HYDROCHLORIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  10. 10.^METFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abcdeMETFORMIN HYDROCHLORIDE EXTENDED RELEASE- metformin hydrochloride tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  12. 12.^abDiabetic diarrhea.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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