Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として視界がぼやける(かすむ)ことはどの程度起こり、原因や受診の目安は何でしょうか? - Persly Health Information
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2026年2月19日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として視界がぼやける(かすむ)ことはどの程度起こり、原因や受診の目安は何でしょうか?

要点:

メトホルミン単剤で視界のぼやけは一般的ではありませんが、低血糖(併用薬や血糖急変)、まれな乳酸アシドーシス、他薬の影響などで起こることがあります。強い低血糖症状や体調急変、片眼の急な視力低下を伴う場合は至急受診を。軽症で一過性なら血糖測定と補糖・水分補給で様子をみつつ、持続・再発時は内科/眼科に相談しましょう。

メトホルミン服用中の「視界のぼやけ(かすみ)」は、直接の副作用としては多くありませんが、いくつかの間接的な原因で起こることがあります。特に低血糖や血糖変動、まれな乳酸アシドーシス、併用薬による影響などが関与する可能性があります。 [1] [2]


起こりやすさの目安

  • メトホルミン単剤での「ぼやけ」は一般的な副作用リストに頻発としては挙がっていません。 [1]
    公的な添付文書では、メトホルミンは単独では低血糖を起こしにくく、消化器症状やビタミンB12低下などが主な注意点として記載されています。 [1]
  • 一方で、メトホルミンとスルホニル尿素(例:グリブリド)などの「低血糖を起こしうる薬」を併用している場合、低血糖に伴う一過性の視界のぼやけがみられることがあります。 [1] [2]
  • スルホニル尿素では「調節異常や視界のぼやけ」が報告されており、併用配合薬の情報でも視覚症状に言及があります。 [3]

主な原因とメカニズム

1) 低血糖・血糖急変による一時的な屈折変化

  • メトホルミン自体は低血糖を起こしにくいですが、インスリンやインスリン分泌促進薬(スルホニル尿素など)と併用すると低血糖のリスクが上がり、視界がかすむことがあります。 [1]
  • 低血糖では目のピント調節が乱れ、「ぼやけ」「ちらつき」「視野が暗く感じる」などが一時的に起こりえます。 [1] [2]
  • スルホニル尿素では「調節異常/視界のぼやけ」の報告があり、血糖変動が関与するケースがあります。 [3]

2) 乳酸アシドーシス(極めてまれだが重篤)

  • メトホルミン関連の乳酸アシドーシスは非常にまれですが、腎機能低下や重い心・肝疾患、脱水、過度の飲酒などハイリスク状況で発生しえます。 [4]
  • 乳酸アシドーシスでは、全身のだるさ、呼吸が速い、冷感、腹痛、めまいなどに加え、体調急変の一部として視覚の違和感を自覚することがあります。 [4]
  • 発生頻度は極めて低く、年あたりの推定発生はきわめて稀とされています。 [4]

3) 併用薬に由来する眼症状

  • グリブリド(スルホニル尿素)併用製剤の情報では、視界のぼやけ等の眼症状が記載されています。 [3]
  • ピオグリタゾン配合薬では、糖尿病黄斑浮腫の新規発症/増悪と視力低下に注意喚起があり、視覚症状が持続・悪化する場合は薬剤以外の眼疾患の鑑別が重要です。 [5] [6]

すぐに受診すべきサイン

  • 強い低血糖が疑われる症状(手の震え、冷や汗、動悸、強い空腹感、混乱、意識がもうろう)に視界のぼやけが伴う場合。 [1] [2]
  • 乳酸アシドーシスを疑う症状(強い倦怠感、筋肉痛、呼吸が速い/浅い、眠気、低体温・徐脈感、持続する腹痛や嘔気)を伴う場合。 [4]
  • 片目だけの急な視力低下、視野の欠け、光が走る、黒い影が増えるなど、眼科的緊急が疑われる症状がある場合(網膜や黄斑の問題の可能性)。 [5] [6]

自宅での初期対応のコツ

  • 併用薬で低血糖の可能性がある場合、血糖自己測定ができるならすぐ測定し、70 mg/dL未満ならブドウ糖や砂糖水などで補糖を検討します(その後ゆっくり吸収される炭水化物を摂取)。 [1] [2]
  • 症状が軽く一過性で、食事や水分補給で改善する場合は経過観察も一案ですが、再発や持続があれば連絡を。 [1]
  • 脱水は乳酸アシドーシスの引き金になることがあるため、発熱・下痢・嘔吐時は水分補給を意識し、必要に応じて一時的中止の指示があるか主治医に確認しましょう。 [4]

医療機関で相談すべきタイミング

  • 視界のぼやけが数日以上続く / 悪化する、または両眼・片眼問わず新しい視覚症状が出るとき。 [5] [6]
  • 新たにメトホルミンを開始/増量して以後に視覚症状が出たとき(血糖変動や併用薬、眼科疾患の鑑別が必要)。 [1]
  • 腎障害のある人、高齢者、心・肝疾患のある人、造影検査を予定している人は、乳酸アシドーシスリスクを踏まえた用量調整・一時中止の判断が必要になることがあります。 [4]

よくある誤解と注意点

  • 「メトホルミン=視力が落ちる」わけではありません。 多くは血糖変動(特に併用薬での低血糖)や糖尿病そのものの合併症(網膜症、黄斑浮腫)など、別要因の影響が関わります。 [1] [3] [5]
  • メトホルミン単剤は低血糖が少ない一方、インスリンやスルホニル尿素と併用すると低血糖リスクが上がるため、視覚症状とあわせて血糖自己測定や内服確認が重要です。 [1]
  • まれでも重篤な乳酸アシドーシスの警告は必ず理解し、体調急変時は自己判断で続けず、医療機関へ相談してください。 [4]

受診時に役立つチェックリスト

  • 症状が出た日時・持続時間、片眼/両眼、見え方の特徴(かすむ、暗い、ゆがむ、光が走る など)。
  • 直前の食事量・時間、運動、飲酒の有無、血糖値(測定できた場合)。 [1] [2]
  • 服用中の薬剤一覧(特にインスリン、スルホニル尿素、チアゾリジン薬など)。 [1] [3] [5]
  • 腎機能や最近の脱水エピソード(発熱・嘔吐・下痢)や造影検査予定の有無。 [4]

まとめ

  • メトホルミンでの「視界のぼやけ」は、単剤では頻繁な副作用とは言いにくいものの、併用薬による低血糖や血糖変動、まれな乳酸アシドーシス、糖尿病合併症などで起こりえます。 [1] [3] [4] [5]
  • 重い症状(強い倦怠感・呼吸促迫・意識障害)や急な視力低下を伴う場合は至急受診、軽症で一過性なら血糖確認と補糖・経過観察、持続・再発なら早めの内科/眼科受診をおすすめします。 [4] [1] [2] [5]

参考:リスク・サイン早見表

状況起こりうる原因推奨対応
併用薬あり(インスリン/スルホニル尿素)で急なかすみ低血糖による屈折変化まず血糖測定、低血糖なら補糖、再発や持続で受診 [1] [2]
新規開始・増量後の一時的なかすみ血糖の急な改善に伴う変動数日で改善することも、持続・悪化なら相談 [1]
強い倦怠感・呼吸速い・腹痛・意識もうろう+視界異常乳酸アシドーシス(極めてまれ)直ちに救急受診、内服中止の指示を仰ぐ [4]
片眼の急な視力低下/歪み/黒い影増加網膜・黄斑の疾患眼科緊急受診(糖尿病黄斑浮腫などの鑑別) [5] [6]

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopqrMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghmetformin(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefGLYBURIDE AND METFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefghijkmetformin(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdefghPIOGLITAZOLE AND METFORMIN HYDROCHLORIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdPIOGLITAZOLE AND METFORMIN HYDROCHLORIDE tablet(dailymed.nlm.nih.gov)

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