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2026年2月19日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | リシノプリルの服用で抑うつや気分の落ち込みが副作用として生じることはありますか?起こり得る場合の頻度やリスク因子、症状が出た際の対処法、抗うつ薬との併用時の注意点を教えてください。

要点:

リシノプリルで抑うつが起こる可能性はまれですが報告があります。症状が出たら自己中止せず医師に相談し、重症度に応じて経過観察や他系統への切り替えを検討します。抗うつ薬との併用は概ね可能ですが、起立性低血圧や腎機能・カリウムのモニタリングに注意が必要です。

リシノプリルで抑うつ(うつ症状)が起こる可能性は「まれですが報告があります」。添付文書レベルでは神経・精神症状の一つとして抑うつが列挙されており、頻度は高くありませんがゼロではありません。 [1] ほかのACE阻害薬(エナラプリル、ラミプリルなど)でも、神経・精神領域の副作用として「抑うつ」が記載されており、クラス全体として稀な事象と考えられます。 [2] [3] [4]


どのくらいの頻度か

  • まれ(rare〜不明):リシノプリルの公表データでは神経・精神系副作用に「不眠、神経過敏など」と並んで挙げられていますが、抑うつの精確な発現率は高くなく、一般的に低頻度です。 [1]
  • 他剤の比較情報:ACE阻害薬全体の安全性比較では、神経・精神系の有害事象は一定数報告されるものの、全体として忍容性は良好で、他のACE阻害薬と大差ありません。 [5] [6]
  • 歴史的レビューでは、降圧薬の中でACE阻害薬は抑うつとの関連が低い群と位置づけられています(レセルピン、α-メチルドパ、β遮断薬などに比べると低リスク)。 [7]

リスク因子になり得るもの

  • 個人の脆弱性:過去に降圧薬や中枢作用薬で気分障害が出た方は、再度の誘発に敏感な可能性があります。ACE阻害薬での症例は稀ですが、他剤(例:エナラプリル)での抑うつ症例報告があり、個体差が関与し得ます。 [8]
  • 併用薬や基礎疾患:コラゲン血管病や腎機能障害はACE阻害薬の血液学的副作用リスクとして知られていますが、精神症状との直接の関連は明確でないものの、全身状態の悪化は気分にも影響し得ます。 [9]
  • うつ病の既往:既往がある場合は、新規薬剤開始時に気分変調が偶然重なることもあるため、慎重な観察が望まれます。 [7]

どんな症状に注意するか

  • 気分の落ち込みが続く、興味・喜びの低下、眠りの質の悪化(不眠または過眠)、食欲低下、集中力低下、焦燥感など、一般的なうつ症状が目安です。神経・精神領域の副作用として不眠、神経過敏、傾眠などの変化も併発し得ます。 [1] [2] [3] [4]

症状が出たときの対処

  1. 自己中止は避け、まず主治医に連絡:血圧薬の急な中止は危険です。抑うつの新規発現時は、他の原因(ストレス、睡眠、併用薬、甲状腺・電解質異常など)も一緒に評価してもらうことが大切です。 [7]
  2. 経過観察か切り替えの判断:症状が軽く短期間であれば経過観察も選択肢ですが、持続・悪化する場合は他系統の降圧薬への切り替えを検討することがあります(ACE阻害薬は低リスク群ですが、個人差があります)。 [7] [6]
  3. うつ症状の重症度評価:希死念慮など重い症状があれば、速やかに精神科・心療内科へ連携し、薬物療法・心理療法を含めた治療を検討します。 [7]

抗うつ薬との併用時の注意点

  • 一般的な併用可否:リシノプリルは主に腎排泄で代謝相互作用は少なく、SSRI/SNRI、三環系、NaSSA、BZDなど多くの抗うつ・抗不安薬と併用は概ね可能です。(公式相互作用の強い警告は多くありません。臨床上はむしろ血圧や電解質の管理が重要です。) [6]
  • 血圧低下の相加:一部の抗うつ薬(特に三環系抗うつ薬やミルタザピンなど)は起立性低血圧を起こしやすく、降圧薬と併用でふらつきが増える可能性があります。めまい・立ちくらみは神経系副作用としても起こり得るため、転倒予防に注意します。 [1] [2]
  • 電解質・腎機能モニタリング:ACE阻害薬はカリウム上昇(高カリウム血症)や腎機能への影響があり得ます。多剤併用時は開始・増量のタイミングで血圧、腎機能(クレアチニン/eGFR)、カリウムのチェックを検討すると安心です。 [6]
  • 個別薬の相互作用:抗うつ薬側の相互作用(CYP阻害など)で他薬の血中濃度が上がるケースはありますが、リシノプリルとの直接的な代謝相互作用は一般に問題になりにくいと考えられます。 [6]

まとめと実践ポイント

  • リシノプリルで抑うつは「まれに起こり得る」副作用で、頻度は低いと考えられます。 [1]
  • ACE阻害薬は降圧薬の中では抑うつとの関連が比較的低い群とされますが、個人差で症状が出ることはあります。 [7]
  • 症状が出たら、自己中止は避け、主治医に相談し、重症度に応じて経過観察・薬剤調整・専門科連携を検討しましょう。 [7] [6]
  • 抗うつ薬との併用は基本的に可能ですが、起立性低血圧、腎機能・カリウムのモニタリングなど実務上の注意を意識すると安全です。 [6] [1]

参考データ(抜粋)

項目要点出典
リシノプリルの神経・精神副作用不眠、神経過敏などが記載、抑うつはACE阻害薬の一部で報告[1] [2] [3] [4]
頻度の位置づけ低頻度で忍容性は概ね良好[5] [6]
降圧薬と抑うつの関連ACE阻害薬は関連が低い群[7]
症例報告エナラプリルで抑うつが生じた報告あり[8]
併用時のポイント代謝相互作用は少なめ、血圧・腎機能・K+の管理を[6]

安全に使うための小さなコツ 😊

  • 朝夕の気分メモや睡眠・食欲のチェックを2〜4週間つけておくと、変化に気づきやすいです。
  • 立ちくらみが増えたら、ゆっくり立ち上がる・水分を適度にとるなどで転倒を予防しましょう。 [1]
  • 新しく薬を追加するときは、次の受診までに血圧・体調・気分の変化をメモして医師に伝えると調整がスムーズです。 [6]

この説明で不安が少しでも和らいだでしょうか。

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出典

  1. 1.^abcdefgh(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcRAMIPRIL(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abDuration of angiotensin-converting enzyme inhibition: implications for tolerability.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefghijLisinopril: a nonsulfhydryl angiotensin-converting enzyme inhibitor.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdefghAntihypertensive medications and depression.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abDepression associated with enalapril.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^Ramipril Capsules(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。