アスピリンで抑うつは起こる?副作用と対処法
アスピリンは抑うつ症状を副作用として起こすのか
アスピリン(アセチルサリチル酸)で抑うつや不安、混乱、幻覚などの精神・神経症状が報告されることがありますが、頻度は高くありません。 [1] 精神症状は主に高用量、併用薬、個人の体質や基礎疾患の影響で現れることがあり、用量依存的な中枢神経系への作用やサリチル酸中毒の早期兆候として見られる場合があります。 [2] 公式の患者向け情報でも、異常に興奮した気分、混乱、幻覚、過度の眠気、けいれんなどが重大な注意サインとして列挙されています。 [3]
どんなときに起こりやすい?
- 高用量や長期使用のときに、中枢神経系への副作用(混乱、傾眠、めまいなど)が目立つことがあります。 [2]
- 併用薬の影響(特に中枢神経に作用する薬や一部の抗うつ薬)で症状が誘発・増悪することがあります。 [4]
- 胃薬のオメプラゾールと合剤(Yosprala等)でも、精神・睡眠障害として抑うつ、焦燥、攻撃性、幻覚、混乱、不眠、無気力、夢異常などが記載されています。 [5] 同様の記載は他のアスピリン・オメプラゾール配合製剤にもあります。 [1]
研究から見えること
- 高齢者を対象にした大規模試験では、アスピリン100mg/日が長期的な抑うつ症状のコースをわずかに悪化させたという結果が報告されています(効果量は小さいが一貫)。 [PM22]
- うつ病の予防効果を検証した試験では、アスピリンは予防に有益とは言えないという結論でした。 [PM23]
- 一部の小規模臨床試験では、SSRI(例:シタロプラム)とアスピリンの併用で不安・アカシジアが強く出たとの安全性上の懸念が報告されています。 [PM20]
以上から、アスピリンが直接「抑うつ」を高頻度に起こすとは限りませんが、特定の条件下で精神症状が出る可能性はあります。 [1] [PM22]
見分け方のポイント
- 服用開始後または用量増量後に、気分の落ち込みが新たに出現/増悪した。 [PM22]
- 同時に混乱、めまい、過度の眠気、異常な興奮、幻覚などが併発する。これは薬原性のサインになり得ます。 [3] [2]
- 他の薬を追加・変更した直後に症状が悪化した(相互作用の可能性)。 [4]
こうした状況が重なる場合、薬による影響が一因である可能性を考える価値があります。 [1] [PM22]
安全な対処法
-
自己判断で中止しない
心血管疾患の二次予防などでアスピリンが必要な人は、急にやめると血栓リスクが上がることがあります。まずは処方医に相談してください。 [6] -
症状と服用状況を記録
抑うつの程度、発現時期、用量、併用薬、睡眠や食欲の変化をメモして受診時に共有すると、因果関係の推定に役立ちます。 [PM22] -
用量の見直しや製剤変更
医師の管理下で用量を調整したり、必要に応じて他の抗血小板薬へ切替を検討することがあります。 [2] -
併用薬の整理
SSRI/SNRIなどセロトニン系薬との併用では、まれに重篤な症候群(セロトニン症候群)や症状悪化のリスクが話題になりますので、処方全体を見直してもらいましょう。 [4] -
警戒すべき警告サイン
幻覚、著しい混乱、けいれん、極端な興奮や意欲低下などが急に出たら、早めに医療機関へ。これはサリチル酸関連の中枢神経副作用や過量の兆候である可能性があります。 [3] [2] -
胃腸・出血リスクにも注意
抑うつ症状に気を取られがちですが、胃出血や出血傾向はより一般的で重大な副作用です。黒色便、吐血、異常な紫斑があれば受診しましょう。 [6]
医師に伝えるべき情報チェックリスト
- 服用中のすべての薬(市販薬、サプリ含む)と用量。 [6]
- 症状の発現時期(開始/増量と同期していないか)。 [PM22]
- 基礎疾患(心血管病、胃潰瘍、腎障害、睡眠障害、うつ病の既往など)。 [6]
- 飲酒量や一時的な脱水・感染症の有無(中枢・全身への影響を増幅し得ます)。 [3]
よくある疑問に答えます
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低用量(81–100mg/日)でも精神症状はあり得る?
低用量でも抑うつスコアのわずかな悪化が統計的に示されたデータがありますが、個人差が大きく、効果量は小さめです。 [PM22] -
配合薬なら安心?
アスピリン+オメプラゾールの配合薬でも精神・睡眠障害の記載があり、安心とは限りません。 [5] [1] -
うつ病の治療目的でアスピリンを使うのは?
現時点では有効性は一貫して支持されておらず、安全性上の懸念が報告された試験もあります。うつ治療は標準的な抗うつ薬や心理療法を第一に検討するのが一般的です。 [PM23] [PM20]
まとめ
- アスピリンで抑うつなどの精神症状が生じる可能性は「まれだが存在」します。 [1]
- 高齢者の長期試験では抑うつの経過に悪影響が小さく示唆されていますが、個人差があり、全員に当てはまるわけではありません。 [PM22]
- 新規発現や悪化が気になるときは、自己中止せずに医師へ相談し、用量調整や併用薬見直しを検討しましょう。 [6] [4]
参考データ(主な公式情報・臨床研究)
- アスピリンの精神・神経症状(抑うつ、混乱、幻覚など)の副作用記載。 [1] [5]
- サリチル酸関連の中枢神経副作用(混乱、傾眠、めまい、昏睡など)の列挙。 [2]
- 患者向け情報での重大な症状(異常興奮、混乱、幻覚、けいれん等)の注意喚起。 [3]
- 高齢者試験での抑うつスコア悪化、小さいが持続。 [PM22]
- うつ予防目的での有用性は示されず。 [PM23]
- SSRI併用試験での安全性懸念(不安・アカシジア増悪)。 [PM20]
- 出血リスクなどの一般的な警告。 [6]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgASPIRIN AND OMEPRAZOLE DELAYED-RELEASE TAB- aspirin and omeprazole tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefASPIRIN AND OMEPRAZOLE DELAYED-RELEASE TAB- aspirin and omeprazole tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeAspirin: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 4.^abcdHelpful for long-term pain as well as depression(mayoclinic.org)
- 5.^abcYOSPRALA- aspirin and omeprazole tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdefAspirin(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。