アスピリンで咳は起こる?原因と対処法を解説
アスピリンは咳の副作用を起こすことがありますか?対処法も含めて解説
結論として、アスピリンは一部の人で咳や呼吸症状(喘鳴・息切れ)を引き起こすことがあります。 特にぜんそくや鼻茸(鼻ポリープ)、慢性副鼻腔炎を持つ方は「アスピリン過敏症(AERD)」の可能性があり、服用後30分〜3時間以内に咳・鼻水・鼻づまり・喘鳴・呼吸困難などが急に出ることがあります。 [1] このような反応は重症化することがあるため注意が必要です。 [1]
アスピリン製品の患者向け説明でも、喘息(ぜんそく)による「ぜーぜー(wheezing)」や呼吸困難は重大なアレルギー反応のサインとされています。 その際は直ちに使用を中止し、医療機関を受診することが推奨されています。 [2] 同様の警告は複数のアスピリン製品で繰り返し記載されています。 [3] [4]
咳が起こる仕組みの可能性
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アスピリン過敏症(AERD)
アスピリンや他のNSAIDs(イブプロフェン等)が「シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)」を阻害すると、ロイコトリエンという炎症物質が過剰に働き、喘鳴・咳・鼻症状・呼吸困難が誘発されることがあります。 [1] AERDの人は服用後30〜180分で呼吸症状が出るのが特徴です。 [PM19] -
アレルギー反応
アスピリンによるアレルギーでは蕁麻疹、顔面腫れ、喘鳴、ショックなどが生じ得ます。呼吸症状(咳・喘鳴)が含まれる場合は重症化しうるため、救急受診が必要になることがあります。 [2] [3] [4] -
咳のみを誘発する特殊例
まれですが、気管支の狭窄を伴わない咳のみがアスピリンで誘発されるタイプの過敏症が報告されています。 [PM15] この場合も再現性があれば薬剤誘発の可能性を考えます。 [PM15]
危険サイン:受診が必要な症状
- 呼吸困難、胸の締めつけ、ぜんそく様の喘鳴が出た場合は、直ちに服用を中止し医療機関へ。 [2] [3] [4]
- 咳とともに鼻水・鼻づまり・くしゃみが急に悪化し、服用後短時間で進む場合はAERDの可能性。 専門医で評価を受けましょう。 [1]
- 吐血、黒色便、めまい・失神感などの消化管出血サインがあれば緊急対応が必要です。 [2] [3] [4]
まずできる対処法
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服用中止と記録
咳や呼吸症状が出たらアスピリンを一旦中止し、発症時刻・用量・他の薬・症状の推移をメモして医師に伝えましょう。 [2] この情報が原因特定に役立ちます。 [3] -
他のNSAIDsも慎重に
AERDではアスピリン以外のNSAIDs(イブプロフェン等)でも交差反応することがあり、自己判断での置き換えは危険です。医師と相談してください。 [5] [6] -
代替薬の検討
痛みや発熱への対応として、アセトアミノフェン(パラセタモール)など、COX-1阻害が弱い選択肢が検討されることがありますが、用量や安全性は必ず医師・薬剤師に相談しましょう。一般論であり個々に適合しない場合があります。 [PM19]
医療機関での評価と治療の選択肢
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診断のポイント
既往にぜんそく・鼻茸・慢性副鼻腔炎があり、アスピリンやNSAIDs服用後に呼吸症状が再現する場合、AERDが疑われます。 診断には医療管理下でのアスピリン負荷試験が用いられることがあります。 [1] [7] -
回避か、脱感作(デセンシタイゼーション)か
治療はNSAIDs回避が基本ですが、心血管疾患などでアスピリン継続が必要な場合、医療管理下でのアスピリン脱感作が有効な選択肢になります。効果や安全性、消化管出血などの副作用リスクも併せて評価します。 [PM21] 脱感作の有効性は症状や生活の質、ステロイド使用量の改善として報告されています。 [PM21] -
併存症の包括的管理
ぜんそくや慢性副鼻腔炎(鼻茸)に対して、吸入治療、鼻科治療、必要に応じて生物学的製剤などの選択肢が検討されます。AERDでは通常治療だけでは不十分なことがあり、総合的な管理が重要です。 [PM19]
咳がアスピリン以外の原因のことも
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ACE阻害薬による咳(降圧薬の一種)
乾いたしつこい咳の代表的な薬剤性原因です。アスピリンは中等量でACE阻害薬の咳を軽減した報告もありますが、低用量では無効というデータがあります。つまり、ACE阻害薬による咳とアスピリンによる咳は区別が必要です。 [PM16] -
感染症や喘息の悪化
風邪やインフルエンザ、もともとの気道過敏で咳が出ている可能性もあります。AERDの人はNSAIDsなしでも呼吸器症状が強い傾向があり、基礎疾患のコントロールが重要です。 [PM19]
安全に使うためのチェックリスト
- ぜんそく・鼻茸・慢性副鼻腔炎の既往がある方は、アスピリンやNSAIDsの使用前に医師へ相談しましょう。 [1]
- 市販薬にもアスピリンやNSAIDsが含まれることがあるため、総合感冒薬・頭痛薬の成分表示を確認しましょう。 [1]
- 服用後に咳・喘鳴・鼻症状が短時間で悪化したら、直ちに中止して受診を検討してください。 [2] [3] [4]
まとめ
- アスピリンは一部の人で咳や呼吸症状を誘発することがあります。 特にAERD(アスピリン過敏症)があると、服用後短時間で咳・喘鳴・鼻症状・呼吸困難が起こりえます。 [1]
- 危険サイン(呼吸困難・喘鳴など)が出たら直ちに中止し受診してください。自己判断で他のNSAIDsへ切替えるのは避け、医師と代替薬や管理法を相談しましょう。 [2] [3] [4] [5] [6]
- 心血管病などでアスピリンが必要な場合は、医療管理下でのアスピリン脱感作が選択肢になります。総合的な呼吸器管理も合わせて行うと安全です。 [PM21] [PM19]
疑問や不安があれば、いつでもお気軽にご相談ください。 追加で知りたいことがあれば、いつでも教えてください。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghHow to diagnose and treat AERD(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefgDailyMed - ASPIRIN tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefgDailyMed - ASPIRIN tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefDailyMed - ASPIRIN tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abIBUPROFEN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abDailyMed - IBUPROFEN tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^↑How to diagnose and treat AERD(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。