
WHOの資料に基づく | フルオキセチンを服用中にオリーブオイルを多く摂ると薬の吸収や効果に影響が出るというのは本当ですか?
オリーブオイルを多く摂っても、現時点のエビデンスではフルオキセチンの吸収や抗うつ効果に有意な影響は示されていません。フルオキセチンは食事の有無にかかわらず良好に吸収され、半減期も長いため食事の油分で効果が揺れにくい薬です。影響が出やすいのは併用薬などの相互作用で、服用は体調に合わせて一定のタイミングで行うのが推奨されます。
フルオキセチンとオリーブオイルの関係について、現在得られている公式情報や臨床薬理の知見からは、オリーブオイルを多く摂ることがフルオキセチン(SSRI)の吸収量や効果を明確に増減させるというエビデンスはありません。フルオキセチンは食事の有無にかかわらず良好に吸収される薬で、一般的には食事による大きな影響が報告されていません。 [1] フルオキセチンは経口投与で良好に吸収され、用量比例性を示すと報告されており、食事条件での大きな変動は示されていません。 [1]
フルオキセチンの吸収と食事の影響
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食事の有無での吸収
フルオキセチンは、空腹時でも摂食時でもよく吸収されることが示されています。これにより、通常は食事のタイミングに厳密に合わせる必要はない薬と考えられます。 [1] 同様に、SSRI全般は経口で良好に吸収され、初回通過効果(肝臓での代謝)を受けるものの、食事起因の臨床的に問題となる吸収変動は限られると整理されています。 [2] -
高脂肪食と特定脂質の影響
一部の薬では「高脂肪食で吸収が上がる/下がる」ことがありますが、フルオキセチンで高脂肪食(例:油分の多い食事)の明確な影響を示す公式な記載は一般向け資料では示されていません。公開された臨床薬理レビューでも、フルオキセチンの吸収は食事条件で大きく変わらないと要約されています。 [2] したがって、オリーブオイル特有の成分(オレイン酸、ポリフェノールなど)がフルオキセチンの吸収や効果を変えるという根拠は現時点では乏しいと考えられます。 [2]
作用発現と代謝のポイント(食事より重要な点)
- 半減期が長い薬
フルオキセチンの血中からの消失半減期はおおむね1~3日、活性代謝物のノルフルオキセチンは7~15日と長く、体内濃度はゆっくりと変化します。 [1] このため、一時的な食事の油分の増減で効果が大きく揺れにくい特徴があります。 [1] - 肝代謝と薬物相互作用
代謝は主に肝臓で行われ、フルオキセチン/ノルフルオキセチンはCYP2D6を阻害します。 [3] これは他剤との相互作用(例:三環系抗うつ薬や特定の抗精神病薬など)が問題になりやすい要因で、食事よりも「併用薬」が効果・副作用に影響しやすい点が重要です。 [4] MAO阻害薬やチオリダジン等とは併用・切り替え時期に厳格な間隔が必要で、これらは食事とは無関係に重要な安全ポイントです。 [5] [6]
オリーブオイルは摂っても大丈夫?
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現時点の結論
公開されている臨床薬理・公的資料を踏まえると、通常量のオリーブオイル摂取がフルオキセチンの吸収量や抗うつ効果を臨床的に有意に変えるとは考えにくいです。 [1] [2] フルオキセチンは食事の影響を大きく受けにくい薬であり、毎日の食事が油多めになったからといって効果が急に弱まる・強まる可能性は高くありません。 [1] -
例外的に気をつけたいこと
服用タイミングと飲み方のコツ
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基本方針
フルオキセチンは、食事の有無にかかわらず服用可能です。 [1] ただし、胃のむかつきが出やすい方は、朝食後など一貫したタイミングで服用すると体調が整えやすいことがあります。これは食事が吸収を上げるためではなく、服用習慣の安定化と胃腸症状の軽減のためです。 [1] -
油分が多い食事と副作用
油の多い食事が薬効を直接変える根拠は乏しい一方、個人差で胃もたれ・吐き気が強まると「服用継続がつらい」ことがあります。そんな時は、少量から様子を見る、食後にする、分割投与の要否を医療者と相談といった方法もあります。これは薬理学的というより体調管理のコツです。 [1]
参考:SSRIと食事の一般論
下表は「SSRIと食事」の大まかな位置づけです。特定製剤によって細部は異なりますが、フルオキセチンに関しては食事の影響が少ないと理解されます。 [2]
| 項目 | フルオキセチン | 臨床上の含意 |
|---|---|---|
| 経口吸収 | 食事の有無で良好に吸収 | 食前・食後いずれでも可。 [1] |
| 半減期 | 長い(活性代謝物含む) | 日々の食事変動で効果が大きく揺れにくい。 [1] |
| 主要な注意点 | 併用薬による相互作用(CYP2D6阻害) | 他剤の用量調整・切替間隔が重要。 [3] [4] [5] [6] |
| 食事の指導 | 便宜上、体調に合わせてタイミング固定 | 胃腸症状の緩和と服薬アドヒアランス向上のため。 [1] |
よくある疑問への回答
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Q. オリーブオイルを多めに摂ると効きが弱まる?
→ 現在のデータでは、そのような明確な証拠はありません。フルオキセチンは食事の影響を受けにくい薬です。 [1] [2] -
Q. 高脂肪食は避けるべき?
→ フルオキセチンに限っては、高脂肪食を一律に避ける必要は示されていません。ただし、胃腸症状が出やすい方は油分を控えめにすることで服用継続が楽になることがあります。 [1] -
Q. 何に注意すればいい?
→ 併用薬やハーブ、切替間隔などの相互作用管理が最優先です。MAO阻害薬・チオリダジンなどは厳格な間隔が必要で、医療者の指示に従ってください。 [5] [6] 三環系抗うつ薬と併用する場合は用量調整が必要になることがあります。 [4]
まとめ
- オリーブオイルを多く摂っても、フルオキセチンの吸収や効果に有意な変化をもたらすという確かな根拠は現時点では見当たりません。 [1] [2]
- フルオキセチンは食事の影響を受けにくく、食前・食後いずれでも服用可能です。体調に合わせて一定のタイミングで服用するのがおすすめです。 [1]
- 影響が出やすいのは食事よりも併用薬や切替間隔です。疑わしい併用がある場合は、処方医や薬剤師にご相談ください。 [4] [5] [6]
もし油分の多い食事にした日や、オリーブオイルを多めに摂った日に限って吐き気や下痢などが出る場合は、服用タイミングを食後にする、油分を控える、主治医に服用方法の調整を相談するといった工夫もいい方法です。 [1]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklmnopqrFluoxetine: clinical pharmacology and physiologic disposition.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefgPharmacokinetics of the selective serotonin reuptake inhibitors.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcComparative pharmacokinetics of selective serotonin reuptake inhibitors: a look behind the mirror.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdFluoxetine: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 6.^abcdFluoxetine (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 7.^↑Fluoxetine (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


