
WHOの資料に基づく | フルオキセチンは性欲低下や勃起不全、射精遅延などの性的副作用を引き起こすことがありますか?
フルオキセチン(SSRI)は、性欲低下、勃起不全、射精遅延、オーガズム障害などの性的副作用を起こし得ます。頻度は報告に幅があり概ね1割前後〜3割超で、個人差や疾患自体の影響もあります。つらい場合は自己中止せず医師に相談し、経過観察や用量調整、薬剤変更(例:ブプロピオン)やPDE5阻害薬追加などの対処を検討します。
フルオキセチン(選択的セロトニン再取り込み阻害薬, SSRI)は、性欲低下、勃起不全、射精遅延、オーガズム障害などの性的副作用を引き起こすことがあります。 [1] これらはSSRI全般で比較的よくみられる副作用の一つで、性機能(性欲・勃起・射精・オーガズム)のいずれかが低下する形で現れることがあります。 [2]
どんな症状が起こりやすいか
- 性欲低下(リビドー低下):性への興味や欲求が弱くなることがあります。 [3]
- 勃起不全:勃起しづらい、維持しづらいと感じることがあります。 [3]
- 射精遅延・無射精:射精まで長くかかる、または射精できないことがあります。 [4]
- オーガズム遅延・困難:性的刺激に対する反応が遅くなったり、オーガズムを感じにくくなることがあります。 [3]
これらは添付文書相当情報や公的医療情報でも明記されており、「性行為への関心低下」「オーガズム遅延・不能」「勃起不能」「性機能・欲求・パフォーマンスの低下」がフルオキセチンで起こり得る症状として列挙されています。 [3] さらに、医療機関の服薬情報でもSSRIの代表的副作用として性機能障害が挙げられています。 [5]
頻度とリスクの目安
研究・臨床報告では幅がありますが、フルオキセチンで性機能障害が新たに出現した人は1割前後〜3割超とする結果が報告されています。 [6] [7] 一方で、SSRI全般として比較的高い頻度で性機能に影響を与えることが示唆され、特定のSSRI間で大きな差がない可能性も指摘されています。 [8] ただし、個人差が大きく、うつ病そのものが性機能を下げることもあるため、薬による影響と病状の影響が重なる場合もあります。 [2]
いつ出やすいか・自然に軽くなるか
- 服用開始後しばらくしてから気づくことが多く、用量や治療期間により変動することがあります。 [2]
- 一部では時間経過で軽減することもありますが、継続する場合もあります。 [2]
- 他の副作用(眠気、集中力低下など)も伴う場合は、日中の注意力低下に気づくことがあります。 [1]
受診の目安
以下のようなときは、自己判断で中止せず、処方医に相談してください。薬の急な中断は危険な場合があります。 [1]
- 性欲や性機能の低下が続き、生活の質が下がっていると感じる
- 勃起不全・射精遅延・オーガズム困難が明らかに増えた
- 他の副作用(不安、不眠、発汗過多など)も強く出ている [5]
対応の選択肢
治療の継続と生活の質のバランスを見ながら、医師と次のような調整を検討することがあります。どれが最適かは症状の重さ、うつ・不安症状の改善度、併用薬、基礎疾患などで変わります。
- 経過観察:軽度であれば、時間とともに軽くなることもあります。 [2]
- 用量調整:必要に応じて最低有効量を探る方法があります。 [8]
- 薬剤変更:性機能への影響が比較的少ない選択肢(例:ブプロピオンなど)へ切り替えることが検討されることがあります。 [8]
- 薬剤追加(レスキュー):症状や背景に応じて追加療法が試されることがあります(例:勃起不全に対するPDE5阻害薬など)。エビデンスや相互作用の確認が必要です。 [8]
- タイミング調整:性生活のタイミングに合わせて服薬時間を微調整する方法が用いられる場合があります。 [2]
- 併存要因の見直し:不安、不眠、その他薬剤(抗高血圧薬など)や生活習慣も性機能に影響するため、包括的に評価します。 [2]
参考:SSRIにおける性機能障害の位置づけ
公的情報では、SSRIによる性機能障害はよく知られた副作用で、男性では疲労、インポテンツ(勃起不全)、発汗増加、傾眠などと並んで報告され、「性欲・性機能・満足度」の変化は疾患そのものでも起こり得るが、薬剤によっても生じうると明記されています。 [2] また、フルオキセチンの解説には、性行為への関心低下、オーガズム遅延・不能、勃起困難、性能力や意欲の低下が現れたら受診するよう注意喚起が記載されています。 [3] さらに、患者向け公的情報でも、男性では性欲低下、勃起困難、射精遅延・欠如、女性では性欲低下やオーガズム遅延・困難が記載されています。 [4]
まとめ
- フルオキセチンは、性欲低下、勃起不全、射精遅延、オーガズム障害を生じることがあります。 [3] [4] [2]
- 頻度は報告に幅があり、1割前後〜3割超の報告がありますが、個人差が大きく、病状の影響も加味が必要です。 [6] [7]
- 気になる症状が続く場合は、自己中止せず医師に相談し、用量調整・薬剤変更・追加療法などの選択肢を一緒に検討しましょう。 [1] [8]
よくある質問
-
性的副作用は必ず出ますか?
いいえ、全員に出るわけではありませんが、SSRIの中では比較的よくみられる副作用の一つです。 [2] -
いつまで続きますか?
個人差がありますが、時間経過で軽くなる人もいれば、継続する人もいます。症状がつらい場合は治療計画の見直しが役立つことがあります。 [2] -
安全上の注意は?
フルオキセチンは眠気や集中力低下を起こすこともあるため、症状が強い間は車の運転や機械操作に注意が必要です。 [1]
もし似た症状を感じている場合、現在の用量や他の薬、困っている具体的な場面(性欲、勃起、射精、オーガズムのどこか)を教えてもらえると、より合った対処法を一緒に考えやすいです。
関連する質問
出典
- 1.^abcdeFluoxetine (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefghijk(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefFluoxetine (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 4.^abcFluoxetina: MedlinePlus medicinas(medlineplus.gov)
- 5.^ab복약정보 : 화순전남대학교병원(cnuhh.com)
- 6.^abFluoxetine-induced sexual dysfunction.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abFluoxetine-induced sexual dysfunction and an open trial of yohimbine.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdeMale sexual side effects associated with antidepressants: a descriptive clinical study of 32 patients.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


