Medical illustration for PubMedの資料に基づく | アスピリンを服用中に辛い食べ物を摂ると、胃炎や胃出血などの副作用リスクが高くなることはありますか? - Persly Health Information
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2026年2月20日5分で読める

PubMedの資料に基づく | アスピリンを服用中に辛い食べ物を摂ると、胃炎や胃出血などの副作用リスクが高くなることはありますか?

要点:

アスピリンはそれ自体で胃炎・胃潰瘍・消化管出血のリスクを高めます。辛い食べ物がこのリスクを一律に増やす強い証拠は乏しい一方、個人差や状況により症状悪化や微小出血が起こる可能性はあります。症状が出やすい人は辛味を控えめにし、食後に服用・飲酒控えめ・必要に応じて医療者へ相談が安全です。

アスピリン自体が胃炎や胃出血のリスクを高めることはよく知られており、特に高齢、潰瘍歴、抗凝固薬・ステロイド併用、アルコール多飲などで確率が上がります。 [1] この「アスピリン起因の出血リスク」は用量や服用期間が長いほど上がるとされ、一般的な注意事項として広く周知されています。 [2] では「辛い食べ物」がこのリスクを上乗せするかという点については、ヒト試験の結果が一様ではありませんが、総合的には「辛いもの単独で胃粘膜を大きく傷つける明確な証拠は強くない一方、状況や個人差により症状悪化や微小出血がみられる可能性はある」と解釈されます。 [3] [4]

アスピリンの消化管リスクの基本

  • アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、胃粘膜の防御機構を弱め、潰瘍や消化管出血を起こしやすくします。 [1] 日常的な服用では胃潰瘍の発生や既存の潰瘍からの出血リスクが上がり、重症化することがあります。 [5]
  • リスクを上げる要因には、60歳以上、潰瘍・出血の既往、抗凝固薬やステロイド、他のNSAIDsとの併用、毎日3杯以上の飲酒、用量超過や長期使用などがあります。 [1] [2]

辛い食べ物そのものの影響

  • 健常者における辛い食事(ハラペーニョなど)とピザ、プレーン食+アスピリンを比較した内視鏡研究では、アスピリン追加の食事でほぼ全員に多発性びらんが見られたのに対し、辛い食事単独では内視鏡的損傷はほとんど認められませんでした。 [3] 同研究では、胃内に唐辛子を直接入れても可視的損傷は確認されませんでした。 [3]
  • 一方で、赤唐辛子や黒胡椒を胃内に投与した別の研究では、胃酸・ペプシン分泌や細胞の脱落(DNA量増加)、そして粘膜の微小出血が増え、高用量では目に見える胃出血が1例で観察されました。 [4] ただし、この研究は短期介入で、長期にわたる日常摂取の影響については不明とされています。 [4]

アスピリンと辛味の相互作用に関するヒトデータ

  • 健常者で「唐辛子摂取後にアスピリン600 mg」を投与した試験では、唐辛子摂取によりアスピリン誘発性の胃粘膜損傷スコアが有意に低下(保護)する所見が報告されています。 [6] 同様の結果は同一報告重複でも示されています。 [7]
  • ただし、これは短期・健常者の実験条件で、日常の低用量アスピリンや多様な食環境・既往歴を持つ人に同様の保護効果が確実に当てはまるとは限りません。 [6]

実臨床での解釈

  • これらを総合すると、辛い食べ物が「アスピリンによる出血リスクを一律に大きく上げる」という強固なエビデンスは現時点では限定的です。 [3] [6] [4] しかし、一部研究で辛味が胃酸・ペプシン分泌や微小出血を増やす所見があり、既にアスピリンで粘膜防御が弱っている人では、個人差により胃痛・胸やけ・吐き気の悪化や小さな出血が誘発される可能性はあります。 [4] また、アスピリンそのものは条件次第で重篤な胃出血を起こし得るため、全体としての安全性配慮は必要です。 [1] [5]

安全に摂るための実用的アドバイス

  • 胃症状が出やすい人、潰瘍歴がある人、出血リスクが高い人は、辛味の強い食事は「控えめ」から試す方法がおすすめです。 [1]
  • 症状がない人でも、空腹時のアスピリン服用は避け、食後にコップ一杯の水で服用すると負担を減らせます。 [8]
  • アルコールはアスピリンの胃出血リスクを高めるため、辛い料理と一緒の飲酒は量を抑えるか避けるのが安全です。 [2] [5]
  • 医師の判断で胃薬(プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカー)を併用することがありますが、自己判断より専門家に相談してください。 [8]
  • サプリやハーブの中にはアスピリンと併用で出血傾向を強めるものがあるため、併用中のものがあれば事前に相談しましょう。 [9] [10]

症状が出たときの目安

  • 黒色便、血の混じった嘔吐、持続する強い胃痛・めまい・倦怠感などは消化管出血のサインになり得るため、これらが見られたら直ちに受診が必要です。 [5]
  • 軽い胸やけや胃もたれが続く場合も、用量・服用タイミング・併用薬の見直しを医療者と相談してください。 [8]

まとめ

  • アスピリンはそれ自体で胃炎・胃出血のリスクを高めます。 [1]
  • 辛い食べ物がこのリスクを一律に大きく増強する強い証拠は限られますが、状況や個人差で症状悪化や微小出血が起こる可能性は否定できません。 [3] [4]
  • ご自身の体調や既往歴に応じて辛味は控えめから試し、胃症状があれば強い辛味や飲酒を避け、服用タイミングや胃薬併用を含めて医療者に相談するのが安全です。 [2] [8]

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出典

  1. 1.^abcdefAspirin 81 mg Low DoseSafety Coated Aspirin(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdASPIRIN REGULAR STRENGTH- aspirin tablet, coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdeSpicy food and the stomach. Evaluation by videoendoscopy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefEffect of red pepper and black pepper on the stomach.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdShould you take a daily aspirin for your heart?(mayoclinic.org)
  6. 6.^abcChili protects against aspirin-induced gastroduodenal mucosal injury in humans.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Chili protects against aspirin-induced gastroduodenal mucosal injury in humans.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdThese highlights do not include all the information needed to use ASPIRIN and EXTENDED-RELEASE DIPYRIDAMOLE CAPSULES safely and effectively. See full prescribing information for ASPIRIN and EXTENDED-RELEASE DIPYRIDAMOLE CAPSULES. ASPIRIN and extended-release DIPYRIDAMOLE capsules, for oral use Initial U.S. Approval: 1999(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^Daily aspirin therapy: Understand the benefits and risks(mayoclinic.org)
  10. 10.^Should you take a daily aspirin for your heart?(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。