
PubMedの資料に基づく | 痛風の人はパンを食べると症状が悪化するというのは本当ですか?
要点:
一般的なパンはプリン体が少なく、痛風症状を直接悪化させる典型的食品ではありません。リスクは赤身肉や内臓などの動物性食品、アルコール、砂糖・HFCSを多く含む菓子パンや飲料にあり、全粒粉などの低糖パンを適量とし高プリン体の具材を控えるのが安全です。
痛風とパンの関係:症状は悪化するの?
結論として、一般的な食パンや全粒粉パンなどの「通常のパン」は、痛風の症状を直接悪化させる典型的な食品ではないと考えられます。痛風の主な食事リスクは、プリン体の多い「動物性食品(赤身肉、内臓、魚介類など)」や「アルコール」、そして「高果糖コーンシロップを含む砂糖の多い食品・飲料」にあります。パンそのもののプリン体は低く、穀物・全粒穀物は痛風リスク低下と関連づけられることが示されています。 [1] [2] [3]
痛風の基本:プリン体と尿酸
- 痛風は体内で尿酸が高くなり、関節に尿酸塩結晶が沈着して発作(関節炎)を起こす病気です。プリン体は体内や食事中に存在し、分解されて尿酸になります。 [4]
- 食事による影響の中では、特に動物性のプリン体摂取が発作リスクを上げやすく、短期的な摂取増加で再発のオッズが段階的に上昇することが示されています。動物由来のプリン体は影響が大きく、植物由来のプリン体の影響は相対的に小さいと報告されています。 [5]
パンは「悪者」なのか?
- パン(小麦・全粒穀物などの炭水化物)は、痛風管理の食事で推奨される「複合炭水化物(全粒穀物、果物、野菜)」の一部に含められます。複合炭水化物を増やすことは痛風管理に役立つとされています。 [3]
- 痛風向けの食事例でも、全粒の無糖シリアルやホールグレインの炭水化物が朝食として提示されており、過度に避ける対象ではありません。 [6]
- 研究レビューでは、全粒穀物や豆類、ナッツ、低脂肪乳製品、コーヒー、ビタミンCなどは痛風リスク低下と関連すると示されています。一方、赤身肉、果糖を多く含む飲料、アルコールはリスク上昇と関連します。 [1]
注意が必要な「パンの中身」
- パン自体よりも、甘味や添加物に注意が必要です。高果糖コーンシロップ(HFCS)で甘味付けされたシリアル・焼き菓子・一部の市販パンは、痛風リスクを高めうる砂糖過多食品に該当します。甘味の多いパン、菓子パン、砂糖を多く含む焼き菓子は控えめにしましょう。 [2] [7]
- 砂糖全般の過剰摂取は痛風リスクを高める可能性があり、甘いパンやデニッシュ、ドーナツなどは量に注意が必要です。 [2]
- なお、果糖と尿酸の関係は研究で見解が分かれる部分もあり、一般的な食生活レベルの果糖摂取では高尿酸血症リスクと有意な関連が見られないとするデータもありますが、砂糖・アルコールの過剰摂取は明確に尿酸を上げやすいため避けるのが安全です。 [8] [9]
パン選びの実践ポイント
- 選ぶなら:全粒粉パン、ライ麦パン、砂糖添加の少ないパンを基本に。複合炭水化物を増やす食事は痛風管理に好ましい傾向があります。 [3]
- 控えたいもの:菓子パン、デニッシュ、ドーナツ、HFCSや多量の砂糖が入ったシリアル・焼き菓子は頻度と量を減らす。 [2] [7]
- トッピング・合わせ方:
- 量と体重管理:カロリー過多は体重増加を通じて尿酸上昇・発作頻度増加に関わるため、適量とバランス、減量の継続が大切です。減量は尿酸低下や発作減少に役立つと示されています。 [3]
アルコール・飲料との組み合わせに注意
- パンと一緒に摂る機会の多いビールや蒸留酒は痛風発作のリスクを高めるため、発作時は控え、平常時も量を制限しましょう。 [7]
- 甘い清涼飲料(砂糖入り飲料)を日常的に飲むことは痛風発症リスクの上昇と関連します。水分は水を中心に、甘い飲料は習慣化しないことが勧められます。 [10]
痛風食の全体像:パンは「ほどよく」取り入れる
- 痛風管理の食事は、動物性プリン体とアルコール・砂糖過多を控え、複合炭水化物(全粒穀物)・野菜・果物・低脂肪乳製品・コーヒーなどを適量含む構成が推奨されます。 [1] [3]
- 薬物療法が必要な場合、食事だけでは十分に尿酸値が下がらないこともありますが、食事改善は発作の頻度や重症度を減らす助けになります。 [11]
まとめ
- 一般的なパンはプリン体が少なく、痛風症状を直接悪化させる「主要因」ではないことが多いです。ただし砂糖・HFCSが多い菓子パンや飲料、動物性高プリン体の具材との組み合わせは避けるのが安全です。 [2] [7] [5]
- 食事全体として、全粒穀物を含む複合炭水化物を基軸に、低脂肪乳製品や野菜を増やし、肉類やアルコール・砂糖過多を控える方針が痛風管理に適しています。 [1] [3]
関連する質問
出典
- 1.^abcdeThe interplay between diet, urate transporters and the risk for gout and hyperuricemia: current and future directions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdeGout diet: What's allowed, what's not(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefGout diet: What's allowed, what's not(mayoclinic.org)
- 4.^↑Gout diet: What's allowed, what's not(mayoclinic.org)
- 5.^abcPurine-rich foods intake and recurrent gout attacks.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Can the foods you eat help to manage gout?(mayoclinic.org)
- 7.^abcdCan the foods you eat help to manage gout?(mayoclinic.org)
- 8.^↑Lack of association between dietary fructose and hyperuricemia risk in adults.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^↑Lack of association between dietary fructose and hyperuricemia risk in adults.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 10.^↑통풍 [Gout] | 건강정보(health.severance.healthcare)
- 11.^↑Gout diet: What's allowed, what's not(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


