卵巣がん治療で嘔吐はよくある?対策と管理法
要点:
卵巣がん治療で嘔吐はよくある?管理のポイントと具体策
卵巣がんの治療では、化学療法(点滴や内服の抗がん薬)や放射線などにより吐き気・嘔吐が起きることは比較的よくあります。 [1] 吐き気・嘔吐は治療継続や体力に影響するため、事前予防と十分な対処がとても重要です。 [2]
吐き気・嘔吐が起こる理由
- 抗がん薬の「催吐リスク(吐き気を起こしやすさ)」がそれぞれ異なり、組み合わせ治療では最も吐き気を起こしやすい薬に合わせて対策をとるのが基本です。 [2]
- 一部の薬(例:カルボプラチンの用量が高い場合、オキサリプラチン、アンスラサイクリン+シクロホスファミドなど)は中〜高い吐き気リスクに分類され、より強力な予防策が推奨されます。 [3]
- 経口の分子標的薬やPARP阻害薬(オラパリブ、ルカパリブ等)でも、持続的な軽〜中等度の吐き気が問題になりやすく、早期からの教育・モニタリング・制吐薬の併用や用量調整が役立つことがあります。 [PM7] [PM8]
予防が最優先
- 嘔吐は脱水や電解質異常、食欲低下、体力・気分の悪化につながり、治療の中断にも至り得ます。 [2]
- そのため、「起きてから対応」ではなく、治療前からの予防投与が推奨されます。 [2] 十分に予防できないと症状が長引く傾向があるため、初回から適切に防ぐことが大切です。 [4]
催吐リスク別の基本戦略
下表は、一般的な化学療法の催吐リスク分類に応じた考え方の例です。実際の処方は治療レジメン・年齢・性別・既往歴などで調整されます。 [1] [4]
| 催吐リスク | 例 | 予防の考え方(例) |
|---|---|---|
| 高リスク(>90%) | 一部のプラチナ併用やACレジメンなど | 5-HT3受容体拮抗薬+NK1受容体拮抗薬+ステロイド(デキサメタゾン)に、オランザピン追加を考慮することがあります。 [5] |
| 中リスク(30–90%) | カルボプラチン用量が中等度、ドセタキセル、パクリタキセルなど | 5-HT3受容体拮抗薬+ステロイドが基本で、患者要因や薬剤によってNK1やオランザピン追加を検討します。 [5] |
| 低リスク(10–30%) | 一部の分子標的薬、低用量薬など | 必要時に単剤の制吐薬(例:5-HT3拮抗薬やドンペリドン等)を使用します。 [6] |
| 最小リスク(<10%) | 催吐性が極めて低い薬 | 予防は通常不要で、症状時に頓用します。 [6] |
ポイント
よく使われる制吐薬の役割
- 5-HT3受容体拮抗薬(例:パロノセトロン等)は急性期の吐き気に有効で、持続性も比較的高い薬があります。 [5]
- NK1受容体拮抗薬(例:アプレピタント、ネトゥピタント+パロノセトロンの合剤等)は強い予防が必要な時に加えます。 [5]
- ステロイド(デキサメタゾン)は急性期・遅発性の吐き気の双方を抑えるのに役立ちます。 [5]
- オランザピンは難治性や高リスクの吐き気に追加されることがあり、眠気などの副作用に注意しつつ使われます。 [5]
経口薬(PARP阻害薬など)での吐き気対策
- 毎日内服する治療では、軽〜中等度の持続的な吐き気が最も多い副作用の一つです。 [PM7] [PM8]
- 対策として、食事や内服タイミングの工夫、予防的な軽度制吐薬の併用、必要に応じた用量調整や一時休薬が検討されます。 [PM7] [PM8]
- 早期からの説明と密なフォローが、治療継続と生活の質の維持に役立ちます。 [PM8]
生活の工夫(薬以外の対策)
- 食事は少量をこまめに、油っこい・匂いの強いものは避けると楽になることがあります。 [7]
- 冷たい食事や透明な飲み物(経口補水液など)が飲みやすいことがあります。 [7]
- 部屋の換気やアロマなどの匂い対策が助けになる場合があります。 [8]
- 脱水予防に水分・電解質の補給を心がけ、体調に合わせて休息をとりましょう。 [7]
- 不安やストレスの軽減も吐き気に影響するため、リラックス法や支援の活用が役立つことがあります。 [7]
受診の目安・注意点
- 24時間に3回以上の嘔吐、飲水ができない、めまい・ふらつき、尿量が減るなどの脱水兆候がある場合は、早めの連絡・受診が必要です。 [7] [2]
- 発熱、激しい腹痛、黒色便や血便などを伴う場合は、緊急対応が必要なことがあります。 [2]
- 次回以降の治療では「今回の症状」を詳細に伝えることで、予防薬の強化や組み合わせの見直しが可能になります。 [2]
まとめ
- 卵巣がん治療では、吐き気・嘔吐は起こりやすい副作用の一つですが、適切な予防と早期介入で十分にコントロールできる可能性があります。 [1] [2]
- 治療レジメンの催吐リスクに合わせた制吐薬の組み合わせを用い、生活の工夫や早期受診を組み合わせることが大切です。 [4] [5]
- 経口治療(PARP阻害薬など)では、用量調整や継続的なフォローが治療継続と生活の質の維持につながります。 [PM7] [PM8]
よくある質問
-
「治療当日だけでなく、その後数日間も吐き気が続くことはある?」
はい、遅発性の吐き気は治療後数日〜1週間程度続くことがあり、持続する予防薬や頓用薬の計画が役立ちます。 [4] -
「次のサイクルで吐き気をもっと減らすには?」
今回の吐き気の強さ・タイミング・使った薬の効果を医療者に共有し、NK1拮抗薬やオランザピン追加、5-HT3の種類変更などを検討します。 [5]
さらに安心のために
関連する質問
出典
- 1.^abc7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 2.^abcdefghijk7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 3.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 4.^abcd7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 5.^abcdefghi7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 6.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 7.^abcde3100-Nausea and vomiting during cancer treatment(eviq.org.au)
- 8.^↑How to prevent nausea during cancer treatment(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。