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Medical illustration for 多発性骨髄腫で肝酵素が高いときの意味と注意点 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2025年12月29日5分で読める

多発性骨髄腫で肝酵素が高いときの意味と注意点

要点:

多発性骨髄腫で肝酵素が高いときの意味と注意点

多発性骨髄腫の方で肝酵素(ALT・AST・ALP・GGTなど)が上昇した場合、いくつかの原因が考えられますが、まずは落ち着いて原因を絞り込むことが大切です。多くは一過性か軽度で済むこともありますが、特定の抗がん剤で肝障害が起こることが知られているため、治療内容と症状に応じて主治医と早めに共有するのが安全です。肝酵素上昇は「肝細胞の炎症やダメージが起きているサイン」で、AST/ALT、ALP、GGTが血液中に漏れ出すことで数値が高くなります。 [1] 肝酵素の上昇は日常検査で偶然見つかることも多く、軽度で短期間にとどまる場合は重い病気を示さないこともあります。 [2]

起こりやすい原因

  • 薬剤性肝障害
    • プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブなど)では、肝炎、肝酵素上昇、高ビリルビン血症、まれに急性肝不全の報告があり、一時的な中断と再評価が推奨されます。 [3]
    • アルキル化剤(メルファラン)でも、肝機能異常から肝炎・黄疸まで幅広い肝障害の報告があり得ます。 [4]
  • ウイルス性肝炎や脂肪肝など、基礎的な肝疾患の合併も考慮します。 [5]
  • 胆汁うっ滞や胆管系のトラブル(ALP・GGTが優位に上がるタイプ)も鑑別が必要です。 [6]
  • 高カルシウム血症や脱水など病状に伴う二次的影響で肝機能がゆらぐ場合もありますが、まずは上の原因から順に評価されることが一般的です。 [7]

検査値の見方(やさしく解説)

  • ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)/AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)
    • 肝細胞のダメージで上昇しやすい数値です。 [6]
  • ALP(アルカリフォスファターゼ)
    • 肝・胆道系と骨に多い酵素で、胆汁の流れが悪いと上昇します(骨疾患でも上がることがあります)。 [6]
  • GGT(γ-GTP)
    • 胆道系の影響を反映しやすく、ALPと合わせて評価します。 [8]

重症度の目安と対応の考え方

臨床では、肝酵素の上昇度合い(正常上限×何倍か)やビリルビン値で重症度を判断し、薬剤の中断や減量を検討します。例えば、AST/ALTが正常上限の3〜5倍は中等度、5倍を超えると高度とみなされ、治療調整や精査の優先度が上がります。 [9] 肝酵素上昇が出たときは、薬剤を一時中断して回復するかを確認することがあります。 [3]

どのくらい心配すべきか

  • 軽度上昇で症状がなく、一時的にとどまる場合は重篤な病気を示さないことも少なくありません。 [2]
  • ただし、現在受けている抗がん剤の種類によっては注意が必要です(ボルテゾミブやメルファランなど)。この場合は医療者が近くでモニタリングし、必要に応じて休薬・減量・切り替えを検討します。 [3] [4]
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色い)、強いだるさ、吐き気・食欲低下、尿の濃染、右上腹部痛などがあるときは、早めの連絡が勧められます。 [10]

次に何をするか(実務的なステップ)

  • 直近の治療内容を確認し、肝障害が知られた薬剤が含まれていないかチェックします(例:ボルテゾミブ、メルファランなど)。 [3] [4]
  • 再検査で推移を確認(数日〜1〜2週間以内が目安)し、AST/ALT・ALP・GGT・ビリルビンのパターンで肝細胞障害型か胆汁うっ滞型かを見分けます。 [6]
  • ウイルス性肝炎や脂肪肝などの合併評価を行い、必要に応じて腹部エコーなど画像検査を考慮します。 [5]
  • 重症度(正常上限比)に応じて薬剤の休薬・減量・切替を検討します。 [9] 薬剤性が疑われる場合は、回復の可逆性評価のため一時中断が選択されることがあります。 [3]

まとめ

  • 多発性骨髄腫における肝酵素上昇は、しばしば薬剤性を含む複数の原因があり、軽度で一過性のことも少なくありません。 [2]
  • 一方で、特定の抗がん剤は肝障害のリスクが知られているため、検査値と症状に応じて休薬や評価が必要になる場合があります。 [3] [4]
  • 数値の程度(正常上限の何倍か)とビリルビンの有無で重症度を見極め、計画的に再検査・原因検索・治療調整を進めるのが安全です。 [9]

安心材料として、軽度上昇は自然に落ち着くことも多いですが、治療中は自己判断を避け、早めに主治医へ共有して進めることをおすすめします。 [2]

関連する質問

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出典

  1. 1.^Elevated liver enzymes Causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdElevated liver enzymes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdefThese highlights do not include all the information needed to use VELCADE safely and effectively. See full prescribing information for VELCADE. VELCADE® (bortezomib) for injection, for subcutaneous or intravenous use Initial U.S. Approval: 2003(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdHIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION These highlights do not include all the information needed to use IVRA sfety and effectively. See full prescribing information for IVRA IVRA (melphalan) injection for intravenous use Initial U.S. Approval: 1964(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abElevated liver enzymes Causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  6. 6.^abcdLiver function tests - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  7. 7.^국가암정보센터(cancer.go.kr)
  8. 8.^Elevated liver enzymes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  9. 9.^abcHepatic impairment (elevated ALT/AST & bilirubin)(eviq.org.au)
  10. 10.^Elevated liver enzymes When to see a doctor(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。