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Medical illustration for 肺がんで肝酵素が高いときの意味と対処法 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年1月26日5分で読める

肺がんで肝酵素が高いときの意味と対処法

要点:

肺がん患者の「肝酵素上昇」は何を意味する?心配すべきサインと対処法

結論として、肝酵素(ALT・AST・ALP・GGTなど)の上昇は、必ずしも重い肝障害を意味するわけではありませんが、肺がん治療中は原因を丁寧に見極めることがとても大切です。 多くの場合は一過性で軽度の上昇にとどまりますが、薬の副作用や肝転移、胆道の異常など複数の可能性があり、重症度に応じて薬の休薬・減量や追加検査が検討されます。 [1] [2] [3]


肝酵素とは何か

  • 肝酵素にはALT(GPT)、AST(GOT)、ALP、GGTなどがあり、肝細胞や胆道にストレスや炎症があると血液中で高くなります。 [1]
  • 軽度上昇は一過性で慢性の重大な肝疾患を必ずしも示しません。 服薬状況や症状をあわせて評価します。 [1] [4]

肺がんで肝酵素が上がる主な原因

  • 薬剤性(抗がん剤・分子標的薬・免疫療法)
    多くの肺がん治療薬は肝で代謝され、副作用として肝酵素上昇がみられることがあります。解釈は単独ではなく、ビリルビン・アルブミン・凝固能なども含め総合的に判断します。 [5]
    例:EGFR・ALK・ROS1・MET・NTRKなどのチロシンキナーゼ阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬で肝酵素上昇が報告されています。免疫療法では遅れて肝障害が出ることもあり、継続的なモニタリングが重要です。 [PM16] [PM13] [PM21]

  • 肝転移・胆道系の障害
    肝転移や胆管の狭窄・炎症があるとALT/ASTだけでなくALP・GGTやビリルビンが上がることがあります。 画像検査(超音波・CT・MRCPなど)で確認します。 [3]

  • 他の原因
    脂肪肝、ウイルス性肝炎、飲酒、併用薬・サプリ、代謝性疾患なども肝酵素を上げます。 医療者は問診、採血、必要に応じて追加検査で鑑別します。 [1] [2]


どれくらいで心配する?重症度の目安

治療薬の用量調整の国際的な考え方では、ビリルビン・アルブミン・凝固能(INR)などを含めた「機能指標」とALT/ASTの程度で重症度をグレーディングし、休薬や減量を判断します。 [5] [6]

  • 軽度(mild):ALT/ASTが上限値(ULN)を少し超える、ビリルビンは正常〜軽度上昇など。多くは経過観察や継続投与が可能です。 [6]
  • 中等度〜重度(moderate〜severe):AST/ALTが3〜5倍以上、ビリルビンが1.5〜3倍以上などでは休薬・減量・原因検索が推奨されます。 [6]
  • 既存の肝疾患評価(Child-Pughなど)は参考にされますが、薬物代謝能の推定には限界があり、個別判断が必要です。 [7] [8] [9]

代表的な治療薬での対応例(抜粋)

  • ALK阻害薬(アレクチニブ)
    ALT/ASTが5倍超の持続などでは一時中止や減量、再発時は永久中止が検討されます。ビリルビンの上昇を伴う場合は特に慎重な対応が必要です。 [10]
  • ROS1/NTRK阻害薬(エントレクチニブ)
    Grade 1–2(軽度)では通常継続、Grade 3では回復まで休薬し再開時は同量または減量といった運用が示されています。 [11]
  • EGFR阻害薬(エルロチニブなど)
    ALT・AST上昇は多くが一過性または肝転移関連で、重度でなければ用量調整・休薬で回復可能です。 [12]

ポイント:薬ごとに細かな中止・減量基準が異なるため、担当医の指示に従うことが重要です。 [10] [11]


受診の目安とチェックリスト

  • 次の症状がある場合は早めの連絡・受診をおすすめします

    • 黄疸(皮膚や白目が黄色い)・濃い尿・淡い便
    • 持続する右上腹部痛、発熱、強いだるさ、悪心
    • ALT/ASTが3倍以上、ビリルビン上昇を伴う場合(検査値で指摘されたとき) [5] [6]
  • 日常でできること

    • 処方薬・市販薬・サプリの情報をすべて共有(相互作用や肝毒性の確認に重要) [1]
    • 飲酒は控える、脱水を避ける、脂肪肝対策(適度な運動・栄養)
    • 定期採血のスケジュールを守る(免疫療法では遅発性の肝障害もあるため継続的に確認) [PM13] [PM21]

検査と評価の流れ

  • 血液検査:ALT、AST、ALP、GGT、ビリルビン、アルブミン、凝固能(INR)などを確認し、機能と胆道系の関与を見分けます。 [5] [3]
  • 画像検査:エコーやCTで肝転移・胆道の閉塞・炎症の有無を確認します。 [5] [3]
  • 総合判断:単一の数値だけで判断せず、既往歴、症状、服薬状況、画像所見を合わせて評価します。 [5]

よくあるケースと対応のイメージ

  • 軽度の一過性上昇(症状なし)
    経過観察や投与継続が可能なことが多いです。次回採血で再確認します。 [1] [11]

  • 中等度以上の上昇(症状あり、またはビリルビン上昇)
    休薬・減量を行い、肝炎や胆道閉塞、肝転移の評価を進めます。必要時は専門医に相談します。 [6] [10] [5]

  • 免疫療法後の遅発性肝障害
    ステロイドなどの免疫抑制治療が検討されることがありますが、まずは速やかな診断と重症度評価が重要です。 [PM13] [PM21]


まとめ

  • 肝酵素上昇は、肺がん治療では比較的よく見られ、必ずしも重大な障害とは限りません。 しかし、重症度や併発するビリルビン上昇・症状の有無によって、休薬・減量・追加検査が必要になることがあります。 [1] [5] [6]
  • 数値だけで判断せず、治療薬の種類、他の検査値、症状、画像所見を合わせて評価することが大切です。 [5]
  • 黄疸や強いだるさ、持続する腹痛があれば早めに医療者へ相談してください。 [5]

用語ミニガイド

  • 肝酵素:ALT(GPT)、AST(GOT)、ALP、GGTなど。肝・胆道のストレスを反映します。 [1]
  • ビリルビン:胆汁の成分。上昇は胆道閉塞や肝機能低下を示すことがあります。 [3]
  • Child-Pugh:肝疾患の重症度スコア(ビリルビン、アルブミン、INR、腹水、脳症)。薬剤調整の目安に使われますが限界もあります。 [9] [8]

受診前チェック表(医療者に伝えたいこと)

  • 最近始めた・増量した薬、市販薬やサプリの有無 [1]
  • 飲酒量、肝疾患の既往、脂肪肝の指摘の有無 [1]
  • 症状(黄疸、濃い尿、右上腹部痛、発熱、だるさ)の有無 [5]
  • 直近の採血結果(ALT/AST、ALP/GGT、ビリルビン、アルブミン、INR) [5] [6]

疑問や不安があれば、いつでも遠慮なく相談してください。

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefghijElevated liver enzymes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  2. 2.^abElevated liver enzymes When to see a doctor(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdeDiagnosing Liver Cancer & Liver Metastases(nyulangone.org)
  4. 4.^Elevated liver enzymes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcdefghijkl3248-Anticancer drug dose modifications in patients with abnormal liver function(eviq.org.au)
  6. 6.^abcdefg3248-Anticancer drug dose modifications in patients with abnormal liver function(eviq.org.au)
  7. 7.^3248-Anticancer drug dose modifications in patients with abnormal liver function(eviq.org.au)
  8. 8.^ab3248-Anticancer drug dose modifications in patients with abnormal liver function(eviq.org.au)
  9. 9.^ab3248-Anticancer drug dose modifications in patients with abnormal liver function(eviq.org.au)
  10. 10.^abc3409-NSCLC locally advanced or metastatic alectinib(eviq.org.au)
  11. 11.^abc3958-NSCLC locally advanced or metastatic entrectinib(eviq.org.au)
  12. 12.^ERLOTINIB- erlotinib tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。