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Medical illustration for 肺がんでCRPが高い意味は?心配すべき点 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年1月26日5分で読める

肺がんでCRPが高い意味は?心配すべき点

要点:

肺がん患者のCRP高値は何を意味する?

CRP(C反応性タンパク)は「体内の炎症の強さ」を示す血液検査で、肺がんでは複数の理由で上昇しうる指標です。 がん自体の炎症、感染症、治療後の炎症反応、喫煙や慢性肺疾患などが原因として考えられます。 [1] CRPは感染や自己免疫疾患、肺の病気、喫煙などでも高くなるため、「CRPが高い=がんが悪化」とは限りませんが、背景を丁寧に評価することが重要です。 [1]


CRPとは

CRPは肝臓で作られる急性期タンパクで、炎症・感染があると数時間〜数日で上昇します。 代表的には細菌感染、膠原病、腸炎、がんなど広く上昇要因があります。 [2] 心血管のリスク評価に使う高感度CRP(hs‑CRP)もありますが、がん診療では主に「炎症マーカー」として捉えます。 [2]


肺がんでCRPが上がる主な理由

  • 腫瘍関連の炎症反応:腫瘍が放つサイトカインや周囲炎症でCRPが上がります。がん一般でCRP高値がみられることがあります。 [2]
  • 合併する肺疾患・喫煙:喘息などの肺疾患、喫煙や環境毒素曝露でもCRPが高くなることがあります。 [1]
  • 感染症(とくに発熱・白血球変化を伴う場合):化学療法中の免疫低下や手術・カテーテル等に伴う感染でCRPが急上昇します。 [3] 感染がCRP上昇の頻繁な原因で、早期対応が重要です。 [4]
  • 治療後の炎症反応:手術・放射線・化学放射線療法後には一時的な炎症上昇がみられることがあります。 [5]

予後との関連(「悪化のサイン」になり得るが、単独では判断困難)

非小細胞肺がん(NSCLC)では、CRP高値は全体として「予後不良(生存期間・進行までの時間が短い)」と関連する研究が多いです。 免疫療法を受けるNSCLC患者の解析では、CRP高値が有意に短い無増悪生存期間・全生存期間と関連しました。 [PM10] 同様に、CRPを含む炎症スコア(mGPS、CRP/アルブミン比など)が局所進行NSCLCの化学放射線療法後の局所制御や生存に影響する報告があります。 [PM11] 一方で個々の患者では感染・栄養・併存症など多因子がCRPに影響するため、CRP単独で病勢を断定することはできません。 [2]


感染症との見分け方のヒント

CRP高値の背景を「感染か、がん関連炎症か」で見分けることが実用上とても重要です。 [3]

  • 感染を示唆するサイン:発熱・悪寒、頻脈、呼吸促迫、吐き気など。これらがあればCRP測定の意義が高く、抗菌薬などの早期対応を検討します。 [3]
  • 補助マーカー:プロカルシトニン(PCT)は、がん患者のCRP高値で「感染性か非感染性か」を見分ける助けになります。 [PM29] PCT高値は細菌感染の可能性を支持し、CRP単独より判別に有用なことがあります。 [PM29]
  • 注意点:発熱と好中球減少(白血球の一部が低い)は重症感染リスクが高く、早急に評価が必要です。 [4]

免疫療法中のCRPの使い方

免疫チェックポイント阻害薬を受けるNSCLCでは、治療前のCRP高値が不良な転帰と関連する報告があり、炎症指標のモニタリングが参考になります。 [PM8] また、炎症動態(治療早期のCRP低下など)が実臨床での有用な指標になりうる可能性も示唆されています。 [PM18] ただし、CRPは感染や免疫関連副作用(irAE)でも上がりうるため、臨床症状と総合判断が不可欠です。 [2]


いつ心配して受診すべき?

  • 発熱・悪寒・呼吸が速い・咳や痰の増加・胸痛・低酸素感がある場合は、早めに医療機関へ連絡しましょう。 これらは感染のサインで、がん治療中は重症化しやすいことがあります。 [3] [4]
  • CRPが急に大きく上昇し、症状を伴う場合:細菌感染などの可能性を考え、PCTや血液培養、胸部画像などの評価が役立ちます。 [PM29] [3]
  • 症状が乏しく軽度〜中等度のCRP高値の場合:他の検査(白血球数、アルブミン、腫瘍マーカー、画像)と併せて経過をみながら総合判断されます。 CRP単独では病勢の判断は難しく、担当医の計画に沿うことが大切です。 [2]

よくある疑問への回答

  • CRPが高い=がんが進行?
    「その可能性はあります」が、感染や併存疾患でも上がるため、CRPだけでは進行を断定できません。 [2] 免疫療法・化学療法の患者群では、CRP高値が予後不良と関連する傾向が示されていますが、必ずしも個人に当てはまるとは限りません。 [PM10] [PM11]

  • CRPを下げれば治療成績は良くなる?
    CRPは結果(炎症の程度)を示す指標で、原因(感染・腫瘍活動性・栄養・合併症)への対応が重要です。 早期の感染治療、適切な支持療法、栄養管理などが間接的にCRP改善につながります。 [3] [4]


実践的チェックリスト

  • 症状の有無を確認(発熱・咳・呼吸困難・倦怠感の増悪など)。 [3]
  • 最近の治療歴(化学療法・免疫療法・放射線・手術後か)。治療後は一過性上昇もありえます。 [5]
  • 追加検査の相談(PCT、白血球分画、血液培養、画像、アルブミン)。 [PM29]
  • 担当医と共有:CRPの変化と症状をメモし、診察で伝えましょう。 総合的な評価が安全です。 [2]

まとめ

CRP高値は「体内の炎症が強い」サインで、肺がんでは腫瘍関連炎症・感染・治療後反応・併存疾患など多因子で上昇します。 [1] [2] 免疫療法や化学放射線療法の領域では、CRP(や関連スコア)が予後不良と関連する研究が蓄積していますが、単独で病勢を断定することはできません。 [PM10] [PM11] 発熱や呼吸症状などがあれば感染の可能性を考え、速やかな連絡・受診が安心です。 [3] [4] 症状が乏しい場合は、他の検査とセットで総合判断が望ましく、担当医と連携して原因に即した対処を進めましょう。 [2]

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出典

  1. 1.^abcdC-Reactive Protein (CRP) Test: MedlinePlus Medical Test(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcdefghijC-reactive protein: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  3. 3.^abcdefghC-Reactive Protein (CRP) Test: MedlinePlus Medical Test(medlineplus.gov)
  4. 4.^abcde국가암정보센터(cancer.go.kr)
  5. 5.^abRobotic surgery may lead to reduced postoperative inflammatory stress in colon cancer: a propensity score–matched analysis(coloproctol.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。