Medical illustration for WHOの資料に基づく | 軟部肉腫でしびれ(ピリピリ・チクチクする感覚)が生じることはありますか? - Persly Health Information
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2026年2月15日5分で読める

WHOの資料に基づく | 軟部肉腫でしびれ(ピリピリ・チクチクする感覚)が生じることはありますか?

要点:

軟部肉腫では、腫瘍の神経圧迫・侵潤や化学療法・放射線の副作用により、ピリピリ・チクチクする「しびれ」が生じることがあります。MRIや電気生理検査、生検で原因を評価し、腫瘍の治療と神経痛の支持療法を併用するのが一般的です。新たな痛み・しびれや急速な腫瘍増大があれば早期受診が推奨されます。

軟部肉腫で「しびれ」は起こり得ます

軟部肉腫では、腫瘍が大きくなるにつれて周囲の神経や筋肉・血管を圧迫し、痛みだけでなくしびれ(ピリピリ・チクチクする感覚)や放散痛が生じることがあります。 [1] 腫瘍は初期には無症状のことが多いですが、進展に伴い目立つしこり、圧迫による痛み・しびれが出てくるのが一般的な経過です。 [1] 特に広い空間(太もも、骨盤、後腹膜など)に発生した場合は、かなり大きくなるまで自覚症状が乏しい一方、大きくなると痛みや「放散するしびれ」、腫れを伴うことがあります。 [2] 腫瘍が急に大きくなったり、今までなかった痛みやしびれが新たに出現した場合は、悪性の可能性にも注意が必要です。 [3]


しびれが生じるメカニズム

  • 神経圧迫・侵潤: 腫瘍が神経近傍で増大すると、機械的圧迫でしびれや感覚鈍麻、放散痛が起こります。 [1] [2] 神経そのものが腫瘍の一部である「悪性末梢神経鞘腫(MPNST)」などでは、神経根の圧迫による持続的な神経症状が典型的です。 [4]
  • 治療関連の神経障害: 化学療法の副作用で末梢神経障害(手足のしびれ・痛み)が出ることがあります。 [5] 放射線治療後の遅発性の放射線性神経障害(痛み・しびれ)も一定線量以上でリスクが上昇します。 [6]
  • 脊髄や神経根の合併症(小児例含む): 症例群では末梢ニューロパチー、脊髄圧迫などの神経合併症が一定割合で認められています。 [7]

どんなタイプ・部位で起こりやすい?

  • 四肢の腫瘍: 腕や前腕、太ももなどで腫瘍が神経に接する・巻き付く場合、しびれや神経痛様症状が出やすいです。 [2]
  • 末梢神経由来の腫瘍: 悪性末梢神経鞘腫(MPNST)や、稀ではありますが神経枝に関連した線維粘液性肉腫などでしびれが報告されています。 [4] [8]
  • 神経叢近傍: 例として腕神経叢近傍の滑膜肉腫では、鋭い放散痛やチクチク感(ティネル徴候陽性)がみられることがあります。 [9]

受診の目安と注意点

  • 新たなしびれ・痛みの出現: これまで無症状だった「しこり」に、ピリピリするしびれや放散痛が加わった場合は早めの評価が望ましいです。 [1] [2]
  • 急速な増大・夜間痛・機能低下: 悪性を示唆する変化として要注意で、画像検査と生検による確定診断が必要になります。 [3] [2]
  • 治療中のしびれ: 化学療法や放射線治療中にしびれが進行する時は、担当医に相談し、投与調整や支持療法を検討します。 [5] [6]

診断に役立つ検査

  • MRI: 神経と腫瘍の位置関係や圧迫の程度を三次元的に評価するのに有用です。 [10]
  • CT: MRIが難しい場合の補助として使用され、骨近傍の詳細把握に役立ちます。 [10]
  • 電気生理検査(EMG・神経伝導): しびれの原因が神経障害によるものかの客観評価に有用です。 [10]
  • 生検: 最終診断は組織検査で確定します。 [2]

しびれへの対処:原因別の考え方

  • 腫瘍による圧迫が原因
    • 基本は腫瘍の外科的切除+必要に応じた放射線・薬物療法で圧迫自体を軽減します。 [2] 神経が巻き込まれていても、状況に応じて神経温存の手術手技が選択され、術後に神経症状が改善するケースもあります。 [11] [12]
  • 化学療法による末梢神経障害
    • 症状緩和にはプレガバリン・ガバペンチン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬、リドカインやカプサイシン外用などが用いられることがあります。 [13]
    • 症状が強い場合、レジメン調整を含む治療計画の見直しが検討されます。 [5]
  • 放射線後の神経障害
    • 線量・分割の最適化でリスクを下げることが重要で、疼痛管理やリハビリを組み合わせます。 [6]
  • がん関連の神経痛(混合痛を含む)
    • 神経障害性疼痛は鑑別・評価(DN4など)のうえ、抗けいれん薬・抗うつ薬とオピオイドの併用が選ばれることがあります。 [14] [13]

よくある疑問への補足

  • しびれは必ず出ますか?
    しびれは「必ず」ではありませんが、腫瘍の位置と大きさ、神経への近接・侵襲、治療の種類によって生じることがあり得ます。 [1] [2]
  • 自然に治りますか?
    腫瘍圧迫が原因なら、原因に対する治療(切除など)で改善する可能性がありますが、神経が長期間圧迫・損傷された場合は回復に時間がかかったり、残存症状が続くこともあります。 [11] [12]
  • いつ受診すべき?
    しびれや痛みが持続・悪化する、腫れや機能低下を伴う、しこりが急に大きくなるなどの変化があれば、早めに専門医の評価を受けてください。 [3] [2]

まとめ

軟部肉腫では、腫瘍そのものの神経圧迫・侵潤や、治療に伴う神経障害によって、しびれ(ピリピリ・チクチク)が生じることがあります。 [1] [2] MRIや電気生理検査、生検を組み合わせた評価で原因を特定し、腫瘍治療と神経痛の支持療法を並行して行うのが一般的です。 [10] [2] 症状の新規出現や悪化がある場合は、早期相談が安全です。 [3] [2]

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出典

  1. 1.^abcdefSoft tissue sarcoma - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghijkl국가암정보센터(cancer.go.kr)
  3. 3.^abcd국가암정보센터(cancer.go.kr)
  4. 4.^ab[Malignant peripheral nerve sheath tumors: A case report].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcSupport for Soft Tissue Sarcoma(nyulangone.org)
  6. 6.^abc[Normal tissue tolerance to external beam radiation therapy: peripheral nerves].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Neurologic complications in children with soft tissue and osseous sarcoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Peripheral nerve fibromyxoid sarcoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^Synovial sarcoma of the brachial plexus: case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdPeripheral nerve tumors - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  11. 11.^abPeripheral nerve considerations in the management of extremity soft tissue sarcomas.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  12. 12.^abFunctional and oncological outcome following marginal excision of well-differentiated forearm liposarcoma with nerve involvement.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  13. 13.^abNeuropathic pain in cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  14. 14.^[Neuropathic pain in cancer.].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。