Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 軟部肉腫で血尿が生じることはありますか?生じる場合、どのような腫瘍の部位や侵潤機序が原因となりやすいのでしょうか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月15日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 軟部肉腫で血尿が生じることはありますか?生じる場合、どのような腫瘍の部位や侵潤機序が原因となりやすいのでしょうか?

要点:

軟部肉腫でも血尿は起こり得ます。膀胱・前立腺周囲、腎・腎被膜、尿管を含む骨盤・後腹膜の腫瘍で多く、粘膜直接浸潤、腫瘍壊死の露出、尿路閉塞や血管浸潤・腫瘍栓が主な機序です。評価には画像検査と膀胱鏡・生検が重要です。

要点まとめ

軟部肉腫でも血尿(尿に血が混じること)が生じることがあります。特に、膀胱・前立腺周囲、尿路(腎・腎被膜、尿管)、骨盤・後腹膜に発生した腫瘍が、膀胱や尿路粘膜へ直接浸潤したり、腫瘍壊死による出血が尿路内に露出することで血尿を起こしやすいです。 [1] [2]


血尿が起こりやすい腫瘍の部位

  • 膀胱・膀胱‐前立腺領域:膀胱内腔の粘膜に腫瘍が生じる、または膀胱壁へ浸潤するため、肉眼的な血尿が比較的早期から出やすいとされています。成人の「泌尿器領域の軟部肉腫」では膀胱原発が一定数みられ、間質由来の腫瘍(例:平滑筋肉腫など)で報告があります。 [1] 膀胱原発の稀な軟部肉腫でも、症状として間欠的な血尿が記載されています。 [3] [4]

  • 前立腺・精嚢近傍(骨盤腔):小児の骨盤軟部肉腫(例:横紋筋肉腫)では、尿路閉塞や血尿で発見されるケースがあり、膀胱‐前立腺域の腫瘍は比較的小さくても症状を出しやすい傾向が示されています。 [2] 骨盤内で大きくなった腫瘍は、膀胱壁や周囲筋群へ局所侵襲し、二次性に血尿が生じることがあります。 [5]

  • 腎・腎被膜、尿管(後腹膜):腎被膜や腎近傍の脂肪肉腫・線維肉腫などが腎実質や腎盂・腎杯へ及ぶと、腎性の血尿を来す可能性があります。腎被膜の脂肪肉腫の報告では、腫瘍が腎血管系へ及ぶような進展(静脈血栓)もみられ、腎由来の出血機序が示唆されます。 [6] 後腹膜の線維肉腫症例でも肉眼的血尿で受診し、画像で腎病変や水腎症と関連づけられています。 [7] 尿路を巻き込む後腹膜腫瘍は、尿管を包み込み水腎症を伴うことがあり、腎盂内圧上昇や粘膜損傷が血尿の一因となりえます。 [8]


侵潤・出血の主な機序

  • 粘膜直接浸潤:膀胱内腔の腫瘍や膀胱壁へ浸潤する腫瘍は、粘膜表層の破綻・びらんによって尿と接する面から出血しやすく、間欠的もしくは持続的な血尿を呈します。膀胱の軟部肉腫の症例報告では、血尿が主要症状として頻繁に記載されています。 [3] [9]

  • 腫瘍壊死による出血:急速増大する高悪性度腫瘍では、腫瘍中心壊死や脆弱化が生じ、壊死部が尿路腔に露出すると血尿につながります。成人泌尿器領域の高グレード腫瘍が多いという傾向は、この機序による出血リスクの背景になります。 [1]

  • 尿路閉塞・圧迫:前立腺・膀胱近傍、後腹膜の大きな腫瘍が尿管や膀胱出口を圧迫し、水腎症や粘膜損傷を介して血尿を引き起こすことがあります。小児骨盤腫瘍では尿路閉塞を伴い血尿が出現する例が示されています。 [2] 大型骨盤腫瘍は周囲筋・孔(坐骨孔・閉鎖孔など)へ侵入する局所進展を示し、近接臓器の機械的ストレスを高めます。 [5]

  • 血管浸潤・血栓:腎被膜や後腹膜腫瘍が腎静脈~下大静脈へ腫瘍栓を形成することがあり、腎内の血流・圧の変化が腎性出血の誘因となり得ます。腎被膜脂肪肉腫の症例では下大静脈内の脂肪腫瘍栓が確認されています。 [6]


腫瘍タイプの例

  • 平滑筋肉腫(leiomyosarcoma):泌尿器領域(膀胱・腎)で比較的みられ、膀胱原発の成人軟部肉腫の中でも頻度が示されています。粘膜浸潤による血尿が起こりえます。 [1]
  • 横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma):小児の骨盤・膀胱・前立腺原発で典型的、血尿や尿路閉塞で見つかることが少なくありません。 [2] [5]
  • 悪性線維性組織球腫(現在の分類では未分化多形肉腫など):膀胱発生は極めて稀ですが、間欠的血尿が症状として記載されています。 [3]
  • 骨外性骨肉腫(extraskeletal osteosarcoma):膀胱原発は極めて稀ながら、間欠的血尿・排尿痛での発見例があります。 [9]

診療のポイント(疑われた場合)

  • 画像検査:骨盤・後腹膜腫瘍が疑われる血尿では、CTやMRIで膀胱壁浸潤の有無、尿管圧迫による水腎症、腎被膜・腎血管への関与を評価します。小児骨盤腫瘍の画像では、膀胱・前立腺腫瘍が周囲脂肪や筋へ広範に侵入する所見が示されています。 [5]
  • 内視鏡(膀胱鏡):膀胱内の出血源同定に有用で、粘膜病変の生検で組織型確定を目指します。膀胱原発軟部肉腫の症例では、確定診断後に外科切除と補助療法が検討されています。 [3]
  • 外科的戦略:尿路に近接・浸潤する腫瘍は、膀胱全摘や腎摘を含む広範切除が必要になる場合があります。膀胱‐前立腺域の腫瘍で持続病変に対し、膀胱全摘・前立腺全摘が行われた報告があります。 [2] 尿路や腎に隣接する軟部肉腫では、腎臓の合併切除が再発予防のために選択されることがあります。 [10]

まとめ

  • 軟部肉腫でも血尿は起こり得ますが、膀胱・前立腺領域、腎・腎被膜、尿管を巻き込む骨盤・後腹膜腫瘍で生じやすい傾向があります。 [1] [2]
  • 主な機序は、膀胱粘膜への直接浸潤、腫瘍壊死の尿路露出、尿路閉塞による粘膜損傷、血管浸潤や腫瘍栓などです。 [3] [5] [2] [6]
  • 診断には画像と内視鏡・生検が重要で、治療は完全切除を基本に、部位に応じて膀胱・腎の合併切除や補助療法を組み合わせます。 [1] [3] [10]

比較表:血尿を起こしやすい部位と機序の対応

部位血尿の起こりやすさ主な機序補足
膀胱原発高い粘膜直接浸潤、腫瘍壊死露出症状として間欠的血尿が報告多数。 [3] [9]
膀胱‐前立腺域(骨盤)中~高粘膜浸潤、出口閉塞による損傷小児例で血尿・閉塞が典型。 [2] [5]
腎被膜・腎近傍(後腹膜)腎盂・腎杯への浸潤、血管浸潤・腫瘍栓腎性血尿や静脈腫瘍栓の関与。 [6] [7]
後腹膜巨大腫瘍あり得る尿管圧迫→水腎症→粘膜損傷尿管巻き込みの症例が報告。 [8]

注意点

血尿は腎・尿路の多様な病態で起こるため、軟部肉腫が原因かどうかは部位・画像・内視鏡・病理の総合判断が必要です。成人泌尿器領域の軟部肉腫は高グレード・大きな腫瘍が多く、完全切除が予後に重要とされています。 [1] 骨盤・膀胱原発の小児腫瘍は比較的小さくても症状が目立ちやすく、予後に部位差があることが示されています。 [2]


関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefgAdult urological sarcoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghiPrimary site as a prognostic variable for children with pelvic soft tissue sarcomas.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefgMyxoid malignant fibrous histiocytoma of the bladder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^Myxoid malignant fibrous histiocytoma of the bladder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdefComputed tomography of prostatic and bladder rhabdomyosarcomas.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdA case of renal capsular liposarcoma with intracaval fat thrombus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^ab[A case of retroperitoneal fibrosarcoma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^ab[Retroperitoneal neoformation: case study].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcA Rare Case of Primary osteosarcoma of urinary bladder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abSurgery for Soft Tissue Sarcoma(nyulangone.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。