Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | 心不全の症状として頭痛が起こることはありますか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月16日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 心不全の症状として頭痛が起こることはありますか?

要点:

心不全で頭痛が生じることはあり得ますが、息切れ・むくみ・疲労に比べると代表的な症状ではありません。循環不良や血圧変動、治療薬(硝酸薬など)の副作用、稀な心臓性頭痛が要因となることがあります。頭痛が新規発症し他の心不全症状の悪化や労作時の反復と伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

心不全で頭痛が起こることは「あり得ます」が、頻度としては代表的症状ではありません。心不全の主症状は息切れ(呼吸困難)、むくみ、疲れやすさなどで、頭痛は付随症状としてみられることがある程度です。 [1] 心不全の進行や夜間の呼吸困難のほか、精神的な不安や不眠、意識の混乱と並んで頭痛が言及される場合がありますが、一般的に「心不全の中核症状」とは言いにくい位置づけです。 [2]


頭痛が起こり得る主な理由

  • 循環の低下による脳への影響
    心拍出量が低下すると(血液の送り出しが弱くなる状態)、低血圧や臓器血流の不足から多彩な症状が出ることがあり、その中に拍動性の持続する頭痛や混乱、めまい、吐き気などが含まれることがあります。 [3] 同様の記載は他の公的医薬情報でもみられ、血行動態の変化が頭痛と関連する可能性が示唆されています。 [4] なお、こうしたケースでは全身状態の悪化(低酸素、血圧の変動など)が背景にあることが多く、頭痛のみが単独で現れるよりも、複数症状の一部として現れることが一般的です。 [5]

  • 高血圧の合併や血圧変動
    心不全に高血圧が合併すると、脳血管系の圧上昇に伴う頭痛が生じることがあります。 [6] これは心不全そのものというより、血圧の問題が頭痛を誘発しているケースです。 [6]

  • 治療薬による副作用
    心不全治療で用いられる血管拡張薬(例:硝酸薬、イスソルビド系など)は、血管を拡げる作用により頭痛や低血圧、めまいを起こすことがあります。 [7] 硝酸薬でみられる頭痛は薬効に伴う「マーカー」ともされ、鎮痛薬で対処できることが多い一方、自己判断で服薬スケジュールを変えると抗狭心症効果の低下につながるため注意が必要です。 [8] また、他の薬剤でも血圧や電解質に影響し、間接的に頭痛につながることがあります。 [7]

  • 虚血性心疾患に伴う特殊な頭痛(心臓性頭痛)
    稀ではありますが、心臓の虚血(狭心症や心筋梗塞)の症状として頭痛が主体となる「心臓性頭痛(Cardiac cephalgia)」が報告されています。 [9] この頭痛は労作後に出現したり、胸痛を伴わないこともあり、通常検査で陰性でも冠動脈造影で虚血が確認されることがあります。 [9] 高齢発症、頭痛の既往が乏しい、動脈硬化リスクがある、ストレス下で誘発される等ではこの可能性を考慮します。 [9]


心不全の症状全体の中での位置づけ

心不全の症状として最も一般的なのは息切れ(運動時→夜間→安静時へと進行)、むくみ、疲労感などで、病状が進むと夜間の突然の呼吸困難や不眠、不安、意識の混乱などが加わります。 [1] こうした中で頭痛は補助的(随伴的)症状として説明されることがあり、他の症状と併発して気づかれるケースがある、という位置づけです。 [2]


医療現場での観察と痛みの実態

入院や外来で評価された心不全では、痛みそのもの(胸・背中・四肢など)が一定の割合で見られるものの、頭痛の頻度は非心不全患者より少ないとする比較研究があります。 [10] 一方、急性増悪(急性心不全の悪化)では痛み全般が過小評価されており、倦怠感・息切れ・健康感の低下が強く、痛み(頭痛を含む)が併存しうるという報告もあります。 [11] 慢性安定期でも痛みは生活の質に影響しやすく、EF(駆出率)が低いほど痛みスコアが高い傾向がみられます。 [12]


受診の目安と注意点

  • 次のような場合は早めに相談
    頭痛が新たに出現し、同時に息切れの悪化、むくみ増加、体重急増(浮腫)、めまいや失神、胸部の圧迫感などがある場合は、心不全の増悪や血圧・循環の問題が背景にある可能性があります。 [1] 頭痛が労作時にのみ出現し、胸痛がないのに繰り返す場合は、稀ながら心臓性頭痛の可能性もゼロではないため、循環器での評価を検討します。 [9]

  • 薬の副作用を疑うタイミング
    新しく血管拡張薬や用量調整が入った直後に頭痛が増えた場合、薬剤性の可能性があります。 [7] 硝酸薬関連の頭痛は服薬継続が治療効果維持に重要なため、自己判断で減量・中止せず、医師に調整方法(服用タイミングの工夫、鎮痛薬併用など)を相談しましょう。 [8]


まとめ

  • 心不全で頭痛は起こり得ますが、一般的な主症状ではありません。 息切れ、むくみ、疲労が中心で、頭痛は循環不良や血圧変動、薬の副作用、虚血性心疾患などが背景で出ることがあります。 [1]
  • 循環の悪化や薬剤性が疑われる頭痛は、他の心不全症状の変化とセットで評価することが大切です。 [7]
  • 稀ですが、心臓性頭痛という特殊なケースもあり、労作時に頭痛のみで出る場合は循環器的評価が有用です。 [9]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcd심부전 [Heart failure] | 건강정보(health.severance.healthcare)
  2. 2.^ab심부전의 증상 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
  3. 3.^(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^ab약학정보원(health.kr)
  7. 7.^abcd심부전 Q&A, 치료 약물 부작용 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
  8. 8.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdeCardiac cephalgia.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^A comparative study of pain in heart failure and non-heart failure veterans.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  11. 11.^An evaluation of the prevalence and severity of pain and other symptoms in acute decompensated heart failure.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  12. 12.^Evaluation of the prevalence and severity of pain in patients with stable chronic heart failure.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。