
米国NIHの資料に基づく | ワルファリン服用中の副作用として、手足のしびれが出ることはありますか?
ワルファリン服用中に手足のしびれが出ることはまれですが報告されています。直接の異常感覚のほか、出血や血流障害による神経圧迫で急性の痛み・しびれ・筋力低下が起こる場合があります。皮膚色の変化や強い痛み、急な片側のしびれなどは要受診です。
結論
ワルファリンで「手足のしびれ(しびれ感・異常感覚)」が出ることは、まれですが報告があります。しびれ自体は典型的な主副作用ではない一方で、ワルファリンによる出血や血流障害が神経を圧迫・損傷して二次的にしびれや痛み、筋力低下などの神経症状を引き起こすことがあります。 [1] [2] [3] さらに、早期投与に起こりうる皮膚壊死やコレステロール塞栓(いわゆる「紫色の足趾症候群」)でも皮膚の色調変化や強い痛み・温度変化が出て、これに伴いしびれのような感覚異常を自覚する場合があります。 [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]
ワルファリンとしびれの関係
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直接的な感覚異常の報告
ワルファリンの添付文書では、一般的な副作用リストの中に「パレストジア(異常感覚:しびれ感を含む)」が挙げられています。これは頻度は高くありませんが、服用中の自覚症状として出る可能性が示されています。 [1] [2] [3] -
出血による神経圧迫・損傷
抗凝固療法中は、筋肉内や体腔内に出血が起きると、その血腫が近くの末梢神経を圧迫して「急性のしびれ・痛み・筋力低下」を引き起こすことがあります。特に大腿部の腸腰筋内出血による大腿神経(大腿しびれ・膝伸展力低下など)、手首の手根管内出血による正中神経(親指〜中指のしびれ、把握力低下)などが古典的に知られています。 [12] [13] [14] [15] [16] こうしたケースでは、片側性で急性に強い痛みや感覚障害が出ることが多く、医療機関での早期評価と時に外科的減圧が必要になることがあります。 [14] [16] -
血流障害(塞栓症・皮膚壊死)による感覚症状
治療開始早期にまれに起こる皮膚壊死やコレステロール微小塞栓では、皮膚の色の変化(紫・暗色)、温度変化、強い痛みが警告サインとされます。 [4] [5] [6] [7] [8] これらは血流が遮断されることで組織が障害されるため、しびれや感覚低下が付随しても不思議ではありません。 [4] [5] [6] [7] [8]
受診が必要なサイン
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急な片側の強い痛み+しびれ・筋力低下
太もも・鼠径部・前腕・手首などの部位で、急に強い痛みが出て触れると腫れている、または熱感がある場合は、出血による神経圧迫が疑われます。早期の画像検査と治療が望まれます。 [12] [13] [14] [15] [16] -
皮膚の色調変化(紫~暗色)や冷感、激しい痛み
足趾が紫色になり痛む「紫色の足趾症候群」や、皮膚壊死の可能性があり、直ちに医療機関へ連絡することが推奨されます。 [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] -
持続するしびれ・進行する感覚低下
明らかな外傷がなくても、抗凝固療法中は脳・脊髄・末梢神経周囲の出血が稀に起こりうるため、症状が続く場合は評価が必要です。 [12]
安全に見極めるポイント
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INR値の確認
しびれなどの症状が出たとき、過凝固(INR高値)で出血リスクが高まっていないかの確認が重要です。INRが治療域でも神経周囲出血は起こりうるとの報告があります。 [12] -
症状の特徴をメモ
左右差、発症タイミング、痛みの強さ、皮膚の色・温度の変化、腫れの有無を記録すると、医療機関での鑑別に役立ちます。しびれだけでなく痛みや腫れが伴う場合は、出血や塞栓の可能性を考える目安になります。 [12] [13] [14] [15] [16] [4] [5] [6] [7] [8] -
併用薬・体重変動・食事のチェック
抗血小板薬や一部の抗菌薬などの併用、急な食事変化、体重減少はワルファリンの効果に影響し、出血傾向を強めて神経症状のリスクに間接的に関わることがあります。一般的副作用群(倦怠感、めまい、悪心など)も合わせて把握しておくと安全です。 [1] [2] [3] [17] [18] [19] [20] [21]
受診前にできること
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危険サインがあれば即連絡
皮膚の色変化、強い痛み、温度変化、急な筋力低下や広がるしびれがある場合は、すぐに医療機関へ。自己判断でワルファリンを中断せず、主治医の指示を仰いでください。 [4] [5] [6] [7] [8] -
安静と圧迫回避
出血が疑われる部位への強いマッサージや圧迫は避け、安静にして様子をみつつ受診準備をしましょう。過去報告では早期の外科的減圧が回復に有利だった例もあります。 [14] [16]
まとめ
- しびれは「まれだがありうる」副作用で、直接の感覚異常として報告されることがあります。 [1] [2] [3]
- 出血や血流障害による二次的な神経症状(急性の痛み・しびれ・筋力低下)は、抗凝固療法中に起こりうる重要な事象です。 [12] [13] [14] [15] [16]
- 皮膚色の変化、強い痛み、温度変化、急な左右差のあるしびれ・筋力低下は注意サインで、速やかな医療相談が推奨されます。 [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]
参考:主な兆候と行動の目安
- 足趾が紫〜暗色で痛む、冷たい:至急受診。 [4] [5] [6] [7] [8]
- 片側の太ももの激痛+しびれ・膝が抜ける:神経圧迫(大腿神経)疑い、早期評価。 [13] [14] [16]
- 手首の突然のしびれ+把握力低下・腫れ:手根管内出血(正中神経)疑い。 [15]
- じわじわ広がるしびれ、頭痛・ふらつき併発:中枢神経系の出血も含めて評価。 [12]
現在、どの部位にどんなタイミングでしびれが出ていて、痛みや色の変化・腫れなど他の症状はありますか?
関連する質問
出典
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ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


