
米国NIHの資料に基づく | ワルファリンの副作用として吐き気はありますか?起こりやすさや対処法を教えてください。
要点:
ワルファリンでは副作用として吐き気が起こることがありますが、頻度は高くはないとされます。食後服用・少量頻回の食事・水分補給などで軽減でき、出血を示唆する吐血や黒色便などがあれば速やかに受診してください。相互作用の多い薬剤やサプリの自己追加は避け、症状が続く場合は医療者に相談してINRや併用薬を確認しましょう。
ワルファリンで吐き気が起こることはあります。公式添付文書では、消化器系の副作用として「悪心(吐き気)、嘔吐、下痢、腹痛、鼓腸(張り)、味覚異常」などが報告されています。 [1] これらはワルファリンの既知の副作用リストに含まれており、吐き気はあり得る症状です。 [2] [3]
起こりやすさ(頻度)の目安
- 定量的な頻度は添付文書に明記されていませんが、臨床試験・レビューではビタミンK拮抗薬(VKA、ワルファリンを含む)での消化器症状は一般に低〜中等度の発現率と報告されています。 [4]
- 例えばある試験では、VKA群の「吐き気」は約1.5%と報告され、直接トロンビン阻害薬群より低めでした。 [4] このことから、吐き気は「起こり得るが非常に多いわけではない」副作用と考えられます。 [4]
受診が必要なサイン
- 吐血や“コーヒーかす様”の嘔吐、黒色便、血痰、血尿などの「出血を示唆するサイン」がある場合は直ちに受診してください。 [5] [6] [7]
- 強い腹痛や持続する嘔吐、倦怠感と黄疸など肝障害を示唆する症状がある場合も早めの連絡が望ましいです。 [3]
自宅でできる対処法
- 食後に服用する:空腹時は吐き気が出やすいことがあるため、軽食と一緒にのむ方法もあります。
- 水分を十分に摂る:少量をこまめに。
- におい・脂っこい食事を避ける:胸やけ・むかつきを和らげます。
- 少量頻回の食事:一度に多く食べない。
- 体を起こして休む:服用後すぐに横にならない。
- これらの一般的な吐き気対策は多くの薬剤性悪心に有効で、数日で軽快する軽度の悪心であれば様子を見てもよい場合があります。(一般的対応)
市販薬・併用薬に注意
ワルファリンは多くの薬と相互作用があり、制酸薬、下剤、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、抗生物質、抗真菌薬、PPI(プロトンポンプ阻害薬)、一部の吐き気止めなどでINR(血液の固まりにくさ)が変動し得ます。 [8] 特にシメチジンはワルファリン作用を増強することが知られており、同系統でもラニチジンは影響が小さいと報告があります。 [9] [10] またビスマスサリチル酸(胃腸薬の一種)でも作用増強と出血リスク上昇が報告されています。 [11]
- 吐き気止めを追加する場合でも、自己判断での市販薬は避け、必ず医療者に相談してください。(一般的注意)
- PPIの一部はワルファリン作用を強める可能性があるとの報告もあるため、選択には注意が必要です。 [12]
生活・食事のポイント
- ビタミンK摂取は“急な増減を避けて”一定に保つことが大切です。 [5] [13] [14] 葉物野菜やビタミンKが多い油の大量摂取はINRを下げ、効果を弱めることがあります。 [5] [13] [14]
- 吐き気が強い日も、急な食事内容の大きな変化(極端な野菜制限や置き換え)は避け、少量でもバランスよくを心がけましょう。 [5] [13] [14]
医療機関に相談する目安
- 数日続く・日常生活に支障がある吐き気がある。
- 新しく薬・サプリ・健康茶を始めた、あるいは食事パターンが大きく変わった。 [8] [5]
- 出血を疑う症状(吐血・黒色便など)が出た。 [5] [6] [7]
- 上記に当てはまる場合、INR測定のタイミング調整や、相互作用の点検、必要なら吐き気止めの選択を医療者と相談すると安心です。 [8] [9] [12]
よくある質問
吐き気があるとき、ワルファリンを中止すべき?
自己判断で中止は推奨されません。 出血サインがなければ、まずは上記の対処をしつつ、担当医へ連絡し指示を仰いでください。(一般的対応)
どの程度の頻度で様子を見る?
軽度で数時間〜1日程度の一過性なら経過観察も可能ですが、2〜3日以上続く場合は相談がおすすめです。(一般的対応)
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abDailyMed - WARFARIN SODIUM tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abDailyMed - WARFARIN SODIUM- warfarin tablet(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdThe impact of antiplatelet and anticoagulant therapies on gastrointestinal symptoms in patients with atrial fibrillation: a systematic review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdefgWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdeWarfarin side effects: Watch for interactions(mayoclinic.org)
- 9.^abComparative interaction of cimetidine and ranitidine with racemic warfarin in man.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 10.^↑Comparative effects of ranitidine and cimetidine on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of warfarin in man.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 11.^↑Inadvertent exaggerated anticoagulation following use of bismuth subsalicylate in an enterally fed patient receiving warfarin therapy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 12.^abProton pump inhibitors may increase the risk of delayed bleeding complications after open heart surgery if used concomitantly with warfarin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 13.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
- 14.^abcWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


