Medical illustration for PubMedの資料に基づく | ワルファリンの副作用で視界がぼやける(かすみ目)ことはありますか? - Persly Health Information
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2026年2月19日5分で読める

PubMedの資料に基づく | ワルファリンの副作用で視界がぼやける(かすみ目)ことはありますか?

要点:

ワルファリン服用中に視界がぼやける・かすむことは起こり得ますが、頻度は高くありません。多くは眼内出血など抗凝固に関連した合併症が背景で、急な視力低下や眼痛を伴う場合は緊急受診が推奨されます。自己判断で中止せず、INR確認を含め主治医・眼科へ相談してください。

ワルファリンの副作用と「視界がぼやける(かすみ目)」

結論として、ワルファリン服用中に視界がぼやける・かすむ「視覚の変化」が起こる可能性はありますが、頻度は高くありません。視覚の変化は、薬そのものの影響というよりも、眼内出血(目の中の出血)などの合併症によって生じることがあり、場合によっては緊急対応が必要です。 [1] 眼科手術に関連する出血リスクや眼の合併症は、ワルファリン中止の可否判断にも影響する重要なポイントとされています。 [2]


視覚の変化は「要注意」症状

  • ワルファリンの安全性情報には、「視覚の変化(Vision changes)」が注意すべき副作用として列挙されています。これは、視界がぼやける・急に見えづらくなるなどを含む広い概念です。 [1]
  • こうした視覚症状は、眼球や眼の周囲での出血(例:結膜下出血、前房出血[低頻度の「自然発生性前房出血」]、網膜・脈絡膜の出血など)が背景にある場合があります。 [3] 大量の眼内出血(例:上脈絡膜出血)はきわめて稀ですが、視力低下や失明に至る可能性があり緊急対応が必要になります。 [4]

具体的な眼の出血の事例

  • 自然発生性前房出血(低頻度):他に原因が見当たらないワルファリン服用者で、前房(角膜と虹彩の間)に出血が生じたケースが報告されています。視界のかすみや赤っぽさ、痛みを伴うことがあります。 [3]
  • 結膜下出血や「血の涙」:結膜下出血は白目のべったりした赤みとして見えますが、まれに涙に血が混じる「血の涙」まで報告があります。多くは自然に止血しますが、抗凝固過剰(過度に血がさらさら)では持続することもあります。 [5]
  • 上脈絡膜出血(極めて稀):眼の奥の脈絡膜に大量出血が起きる重篤な状態で、急激な視力低下・眼痛・眼圧上昇を伴い得ます。抗凝固療法は強いリスク因子とされています。 [4]
  • 加齢黄斑変性(AMD)合併例での大きな黄斑下出血:抗凝固薬・抗血小板薬の使用者は、黄斑下出血の出血量が大きくなる傾向が報告されています。高血圧を併存するとさらに出血が広がりやすいとされます。 [6] [7]

なぜ視界が「ぼやける」のか:考えられるメカニズム

  • 角膜・前房の出血や炎症:前房出血は光の通り道を遮って、かすみ目や視力低下を招きます。 [3]
  • 網膜・黄斑の出血:網膜や黄斑部の出血は、中心視の低下・歪み・かすみの原因になります。抗凝固薬で出血が拡大しやすいことが示されています。 [6] [7]
  • 眼窩(眼球の奥)の出血:後部(後眼窩)の血腫は眼球突出や視神経圧迫を起こし、急激な視力障害につながる可能性があります。ワルファリン毒性(過凝固)で報告例があります。 [8]

すぐ受診すべきサイン

以下の症状があれば、緊急受診(救急含む)が一般的に推奨されます。早期対応が視力予後を左右します。

  • 片目・両目の急な視力低下や急激なかすみ、見え方の歪み、黒い影・カーテンのような遮蔽感。 [4]
  • 強い眼痛や眼圧が高い感じ(眼の張り)、光がにじむ。 [4]
  • 白目の広範な赤み(結膜下出血)が広がる、涙に血が混じる、まぶたや眼周囲の急な腫れ。 [5] [8]

眼科手術とワルファリン

  • 白内障手術のような比較的侵襲の低い眼科手術では、ワルファリン継続が視力を脅かすような重大な術中出血合併症の増加に直結しないとのデータがあります。 [2] 一方で、局所麻酔や針刺しに伴う軽微な合併症は増える傾向があります。 [2]
  • ただし、ワルファリンの中止や減量は血栓塞栓(脳梗塞・心筋梗塞・深部静脈血栓など)の重大リスクを伴うため、中止の可否は主治医がリスクとベネフィットを総合評価して個別に判断します。 [2]

かすみ目が出たときの対応の目安

  • 突然の視覚異常(数分~数時間で急変)なら、迷わず救急受診を検討してください。出血や閉塞性イベントの可能性があるためです。 [4]
  • 徐々に出る軽度のかすみでも、眼科受診で前房・網膜の評価(細隙灯検査・眼底検査・必要に応じてOCTや超音波)を受けることが望ましいです。 [3] [8]
  • ワルファリン管理:INR(血液の「さらさら度」を示す指標)の過度な延長(過凝固状態)は出血合併症のリスクを上げるため、採血でINR確認・用量調整が必要になることがあります。眼の出血が疑われる場合でも、自己判断で中止せず、必ず処方医に相談してください。 [5] [2]

まとめ

  • ワルファリンの副作用として「視界がぼやける」と表現される視覚の変化は起こり得ます。これは多くの場合、眼内や眼周囲の出血など抗凝固に関連した合併症が背景にある可能性があります。 [1] [3]
  • 急な視覚変化や眼痛を伴う場合は緊急受診が推奨されます。重篤な出血(上脈絡膜出血など)は視力予後が不良になり得るため、早期の評価と治療が重要です。 [4]
  • 眼科手術の前後を含め、ワルファリンの継続・中止は血栓リスクと出血リスクのバランスで専門医が判断するのが一般的です。自己判断での中止は避けてください。 [2]

参考:関連ポイントの早見表

トピック要点実務上の注意
視覚の変化ワルファリンで起こり得る注意症状に含まれる急な変化は救急受診を検討 [1]
前房・結膜下出血かすみ目・赤み・血の涙などINR過度延長なら用量調整を相談 [5] [3]
網膜・黄斑出血中心視の低下・歪み・かすみ抗凝固で出血量が増大し得る [6] [7]
上脈絡膜出血まれだが重篤、失明の恐れ強い痛み・急な視力低下は緊急対応 [4]
眼科手術重大術中出血は増えない傾向中止の可否は個別判断・自己中止不可 [2]

ご自身の見え方の変化が「急に悪化した」「片目だけ急におかしい」「痛みを伴う」などの場合、すぐ受診の準備を進めつつ、処方医(循環器内科や心臓外科など)と眼科の両方に連絡することをおすすめします。 [4] [2]

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出典

  1. 1.^abcdWarfarin side effects: Watch for interactions(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghWARFARIN SODIUM(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefSpontaneous hyphema resulting from warfarin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefghMassive spontaneous suprachoroidal hemorrhage in a young woman with cystic fibrosis and diabetes mellitus on anticoagulants.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdAn unusual complication of anticoagulant therapy: bloody tears.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcSubretinal hemorrhages associated with age-related macular degeneration in patients receiving anticoagulation or antiplatelet therapy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcMassive hemorrhage complicating age-related macular degeneration. Clinicopathologic correlation and role of anticoagulants.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcRetrobulbar hematoma from warfarin toxicity and the limitations of bedside ocular sonography.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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