
米国NIHの資料に基づく | オメプラゾールの副作用として下痢はどのくらいの頻度で起こり、受診の目安や対処法はありますか?
要点:
オメプラゾールでは下痢が約3〜4%で発生し、多くは軽く一過性です。水様便が続く、発熱・腹痛、血便や脱水があればC. difficileなどの感染症を疑い早めに受診を。自宅では水分・電解質補給や消化に良い食事を心がけ、症状が続く場合は薬の調整を医師に相談します。
オメプラゾールで下痢は「ときどき」みられますが、多くは軽く一過性です。一般的な臨床試験では、成人での下痢の発生はおよそ4%前後と報告されており、プラセボ(偽薬)と比べてやや高い程度です。 [1] 同様に、別の臨床試験集計でも下痢は約3.7%でみられています。 [2]
発生頻度の目安
- 全体像: オメプラゾール治療群での下痢は約3–4%ほど。「頭痛」「腹痛」「吐き気」などと並ぶ“よくある副作用”のひとつです。 [1]
- 比較情報: 国際試験のデータでは、オメプラゾール群3.7%に対し、プラセボ群は2.5%と報告されています。絶対的な差は小さいものの、薬剤群でやや多い傾向です。 [2]
注意が必要な下痢(感染症の可能性)
- 長引く・強い下痢: オメプラゾールを含むプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、腸内環境の変化を通じてクロストリジウム・ディフィシル関連下痢(C. difficile関連下痢)のリスクが上がる可能性があるとされています。特に入院中の方で注意が必要です。 [3]
- 受診のサイン: 水様便が続く、腹痛や発熱が続くときは、重い下痢(C. difficile感染など)を疑うサインです。この場合はすぐに医療機関へ相談してください。 [4] [5]
- なぜ受診が必要か: C. difficile関連下痢は抗菌薬などが必要になることがあり、自己判断での整腸剤や止瀉薬だけでは不十分なことがあるためです。 [6] [7]
受診の目安
以下のいずれかがあれば、早めの受診をおすすめします。
- 水様便が48時間以上続く、または1日6回以上の便が出る。 [4]
- 発熱(目安38℃以上)や腹痛が続く。 [4]
- 血便、強い脱水症状(口渇、尿量低下、めまい)。 [4]
- 高齢者、基礎疾患がある、最近抗菌薬を使った、入院中など、感染症リスクが高い状況。 [3] [6]
自宅での対処法
- 水分と電解質の補給:経口補水液や薄めたスポーツドリンクなどで少量頻回に補給しましょう。
- 食事:脂っこいものやアルコール・カフェインは避け、消化のよい食事(おかゆ、バナナ、トースト、りんごのすりおろしなど)を試してください。
- 整腸:一時的な軽い下痢なら、乳酸菌飲料やヨーグルトなどを取り入れてみるのも一案です。
- 市販の止瀉薬:強い腹痛や発熱がある場合は使わず、医療機関に相談を優先してください。
- 内服タイミングの見直し:指示通り空腹時の服用が基本ですが、胃腸刺激を感じる場合は医師・薬剤師に服用時間の調整可否を相談してみてください。
- 水様便が続く/重い症状:上記の受診サインがある場合は、自己判断で継続せず医療機関へ。 [4] [5]
薬の調整について
- 下痢が軽く短期間であれば、そのまま様子をみて改善することもあります。 [8]
- 一方で、症状が続く・悪化する場合は、オメプラゾールの休薬・減量・他のPPIまたはH2受容体拮抗薬への切替などを医師と相談するのが一般的です(個々の病状や再発リスクに合わせます)。 [3] [6]
表:オメプラゾールに関連する下痢情報(抜粋)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| よくある副作用としての下痢 | およそ3–4%(例:4%)。 [1] |
| プラセボ比較 | オメプラゾール3.7% vs プラセボ2.5%。 [2] |
| 注意が必要な下痢 | C. difficile関連下痢の可能性、入院中でリスク増。 [3] |
| 受診サイン | 水様便が続く、腹痛・発熱が続く、脱水・血便。 [4] [5] |
| 推奨対応 | 水分・電解質補給、消化のよい食事、症状持続時は受診。 [4] [5] |
補足:なぜPPIで感染性下痢が増えるのか
PPIは胃酸を抑える薬です。胃酸は病原体の侵入を防ぐバリアでもあるため、長期または高用量の使用で特定の腸内菌による感染性下痢のリスクが上がる可能性が示唆されています。こうした背景から、必要最小限の用量・期間で使うことが推奨されています。 [3] [6]
まとめ
- オメプラゾールの副作用としての下痢は約3–4%程度でみられ、多くは軽く自然に改善します。 [1] [2]
- ただし、水様便が続く・腹痛や発熱を伴う・脱水や血便などがあれば、感染性下痢(C. difficileなど)を考えて早めに受診を検討してください。 [4] [3]
- 自宅では水分・電解質補給、消化のよい食事、無理な止瀉薬の乱用は避けることがポイントで、症状が続く場合は薬の調整も含め医療機関で相談しましょう。 [4] [6]
📝気になる症状や服用量・期間、他のお薬との併用状況など、もう少し詳しく教えていただければ、より具体的なアドバイスをご提案できます。
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出典
- 1.^abcdOmeprazole DR These highlights do not include all the information needed to use OMEPRAZOLE DELAYED-RELEASE CAPSULES safely and effectively. See full prescribing information for OMEPRAZOLE DELAYED-RELEASE CAPSULES. OMEPRAZOLE delayed-release capsules, for oral use INITIAL U.S. APPROVAL: 1989(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdOMEPRAZOLE/SODIUM BICARBONATE- omeprazole powder, for suspension(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefghiDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdeDailyMed - OMEPRAZOLE capsule, delayed release(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^↑OMEPRAZOLE AND SODIUM BICARBONATE capsule(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Comparative tolerability profile of omeprazole in clinical trials.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


