
WHOの資料に基づく | トラマドール服用中に赤身肉(牛赤身など)を食べると薬の効果や副作用に影響するというのは本当ですか?
要点:
赤身肉(牛赤身など)を通常量で食べても、トラマドールの効果や副作用に大きな影響があるという根拠はありません。食事制限は基本不要で、重要なのは併用薬(SSRI/SNRI、MAOIは禁忌)やアルコールへの注意、徐放製剤では食事の有無を一貫させることです。
トラマドールと赤身肉の食べ合わせで、効果や副作用が大きく変わるという明確な根拠は見つかっていません。一般的には、トラマドールは食事の制限なく服用でき、赤身肉(牛赤身など)を通常量で食べても、薬効や副作用に大きな影響はないと考えられます。 [1] [2]
食事との基本的な関係
- 食事制限は基本不要:トラマドールは「通常の食事を続けてよい」とされており、特定の食品(肉、乳製品、野菜など)を避ける必要は一般的にありません。 [2]
- 服用タイミングの一貫性:徐放製剤(1日1回タイプ)を使う場合、「いつも食事あり、またはいつも食事なし」を一定にすると、血中濃度の変動を抑えやすいです。 [1]
- 朝夜での違いはほぼなし:徐放カプセルは、朝と夜の服用で薬の吸収・血中濃度に有意な差がないことが示されています。 [3]
赤身肉に含まれる成分と理論的な懸念
- タンパク質・脂質による吸収への影響:一般論として、食事は多くの薬の吸収速度を遅らせることがありますが、トラマドールは食事の有無で実用上問題となる吸収低下は示されていません。 [4] [1]
- 尿pHの変化と排泄:肉中心の食事で尿が酸性に傾くと、一部の薬物の腎排泄が理論上変化し得ますが、トラマドールに関して臨床的に意味のある影響は示されていません。 [4]
- チラミン(赤身肉ではなく熟成食品の話):モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)使用中はチラミンが多い熟成食品(長期熟成チーズ、サラミ、ナトゥーなど)で血圧上昇が問題になりますが、トラマドール単独ではこの食事制限は適用されません。トラマドールはMAOIとの併用が禁忌です。 [5]
注意が必要な本当のポイント(食事よりも相互作用)
- セロトニン症候群のリスク:トラマドールはセロトニン系に作用する薬と併用すると「セロトニン症候群」のリスクが高まります(例:SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬、トラゾドン、ミルタザピン、トリプタン、5-HT3拮抗薬など)。食事ではなく、併用薬が主なリスク要因です。 [6] [7]
- MAOIは禁忌:MAOIとの併用は避ける必要があります。 [5]
- アルコールは避ける:アルコールは中枢神経抑制作用を増強し、呼吸抑制や過度の眠気など有害事象のリスクが上がるため、服用中は飲酒を控えるのが安全です。 [8]
吐き気止めなど他薬との食事関連の補足
- オンダンセトロン併用時の実臨床的注意:オンダンセトロンとトラマドールの薬物動態上の相互作用は大きくないものの、鎮痛自己投与量が増えたという小規模試験データがあり、併用時は痛みコントロールの状況を観察すると安心です。食事とは直接関係しません。 [9]
日常での実践アドバイス
- 徐放製剤は一貫して:「毎回食後」または「毎回空腹時」のどちらかに統一するのがおすすめです。 [1]
- 即放性製剤は柔軟に:4〜6時間ごとの頓用では、食事の有無に過度にこだわらなくても大丈夫です。 [10]
- 便秘対策:便秘が出やすい薬なので、水分・食物繊維を意識する、必要に応じて整腸薬を使うなどの対策が役立ちます。赤身肉を適量にして野菜・果物をバランスよく取るとよいでしょう。 [2]
- 安全のためのチェック:新しく抗うつ薬や片頭痛薬を開始・増量した場合は、発汗、震え、落ち着きのなさ、下痢、発熱、意識変容など「セロトニン症候群」様の症状に注意し、異常があればすぐ相談してください。 [7] [6]
まとめ
- 赤身肉を普通に食べる範囲では、トラマドールの効果や副作用に特別な影響はないと考えられます。 [1] [2]
- 重要なのは食事よりも「併用薬」と「アルコール」です。 セロトニン作用薬との併用、MAOIとの併用、飲酒は避ける・注意することが安全につながります。 [6] [5] [8]
- 服用は一貫性が鍵:特に徐放製剤は食事あり・なしを統一し、便秘対策を行うと快適に続けやすいです。 [1] [2]
よくある質問への簡易回答表
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 牛赤身を食べると効き目が落ちる? | 通常量なら影響は小さいと考えられます。 [1] [2] |
| 食事は避けるべき? | 基本的に食事制限は不要です。 [2] |
| いつ飲むのがベスト? | 徐放製剤は「食事あり/なし」を毎回そろえるのがおすすめです。 [1] |
| 併用で注意する薬は? | SSRI/SNRI、三環系、トラゾドン、ミルタザピン、トリプタン、5-HT3拮抗薬などは注意、MAOIは禁忌です。 [6] [5] |
| アルコールはOK? | 服用中は避けるのが安全です。 [8] |
赤身肉を召し上がる頻度や量、現在併用しているお薬について教えていただけますか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 2.^abcdefgTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 3.^↑Significance of the biopharmaceutical properties of tramadol sustained-release formulations for chrono-pharmacologically optimized treatment of pain from various sources.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^ab[Interactions between nutrition and drugs].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdSerotonin syndrome: is it a reason to avoid the use of tramadol with antidepressants?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^abSerotonin syndrome-Serotonin syndrome - Symptoms & causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 8.^abcTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 9.^↑Ondansetron HCL Tablets(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^↑Tramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


