
WHOの資料に基づく | セルトラリンは服用中にグレープフルーツなどの果物と一緒に摂ると相互作用や副作用が増えるって本当ですか?
セルトラリンはグレープフルーツ(ジュース含む)が腸管CYP3A4を阻害することで血中濃度(Cmax・AUC)が上昇し、副作用が増える可能性があります。影響は製品・量・個人差で大きく変わるため、服用中はグレープフルーツの定期摂取を避け、セビルオレンジやポメロなど一部の柑橘にも注意が必要です。
セルトラリンとグレープフルーツの組み合わせには注意が必要です。セルトラリンは主に肝臓の酵素(主にCYP2B6/2C19/2D6/3A4など)で代謝されますが、グレープフルーツにはこれらのうち特にCYP3A4の働きを強く弱める成分(フラノクマリン類など)が含まれており、その結果、体内でのセルトラリン濃度が上がる可能性があります。 [1] セルトラリン単回投与の小規模ヒト試験では、グレープフルーツジュースを何日か連続で飲んだ後にセルトラリンを服用すると、血中の最高濃度(Cmax)と体内曝露量(AUC)が有意に増加しました。 [2] こうした増加は個人差が大きく、ジュースの種類や量、腸管の酵素活性の差で影響が変わるため、臨床的影響の程度は人によって異なります。 [1]
なぜ影響が出るのか
- グレープフルーツ製品は腸管のCYP3A4を不可逆的に阻害し、薬の「初回通過代謝」を減らします。その結果、同じ用量でも薬の吸収が増えて血中濃度が上がりやすくなります。 [1]
- セルトラリンについては、健康成人での試験でCmaxとAUCがほぼ2倍前後に上がったという報告があり、薬の効き方や副作用の出方が強まる可能性があります。 [2]
どんな副作用が増えうるか
グレープフルーツでセルトラリン濃度が上がると、一般的に見られる副作用(吐き気、下痢、頭痛、ふらつき、眠気、不眠など)が出やすくなる可能性があります。これは血中濃度上昇により薬理作用が強まると説明できます。 [2] また、グレープフルーツはほかの多くの薬でも相互作用を起こしうることが知られており、影響の大きさは製品の成分や量、個人差で変動します。 [1]
「果物すべて」が問題なのか
- 問題が特に指摘されているのはグレープフルーツ(ホワイト/ピンク問わず)とグレープフルーツジュースです。一部の柑橘類(セビルオレンジ[マーマレード用のビターオレンジ]、ポメロ、タンジェロなど)でも似た阻害成分が含まれる場合があり、注意が必要です。 [1]
- 一方で、オレンジ(ネーブル等のスイートオレンジ)やレモン、みかんなどは一般にCYP3A4阻害が問題になることは多くありませんが、製品や加工法による差がありうるため、不確実性は残ります。 [1]
どれくらいの量で影響するのか
- グレープフルーツジュースは量・濃度・品種により阻害の強さが変わります。少量でも毎日継続すると阻害は蓄積しやすく、影響が強まることがあります。 [1]
- セルトラリンの試験では、250 mLを1日3回、5日間飲み続けた後にセルトラリンを服用して影響が確認されましたが、単発摂取でも程度は軽くとも影響が出る可能性は考えられます。 [2]
実臨床での重要度
- 小規模研究で薬物動態の変化は示されていますが、どの程度の副作用増加が実際に起きるかは個人差が大きく、臨床的意義は人により変わります。 [2] [1]
- 一般的な安全策として、セルトラリン服用中はグレープフルーツやグレープフルーツジュースの定期的な摂取を避けることが勧められます。 [1]
実践ガイド(おすすめの対応)🍊
- 避けるのが無難:セルトラリンを飲んでいる間は、グレープフルーツやそのジュースの習慣的な摂取は控えるのがおすすめです。 [1]
- 代替案:柑橘類を楽しみたい場合は、一般的なオレンジやみかん、レモンに切り替える方法があります(ただし、特殊な苦味の強い品種や加工品は念のため量を控えめに)。 [1]
- 既に一緒に摂っていた場合:めまい、眠気、吐き気、動悸、不安増強など症状が強まる感じがあれば、医師や薬剤師に相談してください。 [2]
- 他の薬との併用:グレープフルーツは他の薬(カルシウム拮抗薬、免疫抑制薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピンなど)でも相互作用が知られています。複数薬を飲んでいる場合は特に注意してください。 [1]
よくある質問
少しだけなら大丈夫?
- 一度少量を飲む程度で重い副作用が必ず出るわけではありませんが、どの程度でどれだけ上がるかは予測しにくいのが問題です。安全性を重視するなら定期的な摂取は避けるのが無難です。 [1]
いつまで影響が続く?
- 腸管CYP3A4の回復には1–3日程度かかることが多く、グレープフルーツをやめてもすぐに元の代謝には戻らない場合があります。従って、毎日続けるほど影響は重なりやすいと考えられます。 [1]
他の果物やサプリは?
- セビルオレンジやポメロなど一部の柑橘で類似の相互作用が報告されています。グレープフルーツ種子エキスなどのサプリも成分が一定でないため注意が必要です。 [1]
参考データ(要点)
- 健康成人での試験:グレープフルーツジュース併用でセルトラリンのCmaxが約17.6→29.3 ng/mL、AUCが約402→820 h·ng/mLに増加。有意差あり。 [2]
- メカニズム:腸管CYP3A4阻害+輸送体影響により、経口薬のバイオアベイラビリティ上昇。製品差・個体差が大きく予測困難。 [1]
表:セルトラリンとグレープフルーツのポイントまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相互作用の有無 | あり(主に腸管CYP3A4阻害による血中濃度上昇の可能性) [1] |
| 臨床研究 | 健常人でCmax・AUCが有意に上昇(約2倍前後) [2] |
| 影響のばらつき | 製品・量・個体差で大きく変動、予測困難 [1] |
| 想定される副作用 | 吐き気、頭痛、眠気、不眠、ふらつきなどが出やすくなる可能性 [2] |
| 推奨対応 | グレープフルーツ(ジュース含む)の定期摂取は避けるのが無難 [1] |
| 代替 | オレンジ(スイート系)やレモン、みかんなどに切り替え検討 [1] |
まとめ
- セルトラリンとグレープフルーツ(特にジュース)の併用は、血中濃度を上げて副作用リスクを高める可能性があり、避けるのが一般的に安全です。 [2] [1]
- 影響の程度は人と製品によって違うため、「少しなら大丈夫」とは言い切れません。日常的な摂取は控えることをおすすめします。 [1]
- もし既に併用していて体調の変化があれば、医師や薬剤師に相談してください。 [2] [1]
今、グレープフルーツやそのジュースをどのくらいの頻度と量で摂っているか教えていただけますか?
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出典
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


