Medical illustration for WHOの資料に基づく | セルトラリン服用中は牛肉や牛レバーなど高チラミン食品を避ける必要があるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月14日5分で読める

WHOの資料に基づく | セルトラリン服用中は牛肉や牛レバーなど高チラミン食品を避ける必要があるというのは本当ですか?

要点:

セルトラリン(SSRI)服用中は、牛肉や牛レバーなど高チラミン食品の厳格な制限は通常不要です。SSRIはMAOを阻害しないため、MAOIで問題となるチーズ効果は起こりにくい一方、MAOIとの切り替えでは14日間の空白期間と他のセロトニン作動薬との併用に注意が必要です。まれな肝障害にも留意し、異常があれば受診しましょう。

セルトラリン(SSRI)を服用している場合、一般的には牛肉や牛レバーなど「高チラミン食品」を特別に避ける必要はないと考えられます。SSRIはチラミンを分解する酵素(モノアミン酸化酵素:MAO)を阻害しないため、MAO阻害薬(MAOI)で問題になる「チーズ効果(急激な高血圧)」は通常起こりません。 [1] [2]


なぜ「高チラミン食品」との注意が話題になるのか

  • MAOIでは厳格な食事制限が必要
    MAOIは体内のチラミン分解を妨げるため、熟成チーズ、発酵食品、内臓肉、保存不良の肉類、酒類(特に未殺菌のビールや一部赤ワイン)などでチラミンが急増し、危険な血圧上昇(高血圧クリーゼ)を起こすことがあります。 [3] [4]

  • SSRI(セルトラリン)は仕組みが違う
    セルトラリンは「セロトニン再取り込み阻害薬」であり、MAOを阻害しません。つまり、チラミンによる血圧上昇リスクはMAOIとは性質が異なり、通常は食事制限の対象になりません。 [1] [2]


セルトラリンで本当に注意すべき点

  • MAOIとの併用・切り替え時期
    セルトラリンとMAOIを近接して併用すると、セロトニン症候群や高熱、極端な血圧変動、けいれんなど重篤な反応が起こり得ます。MAOI中止後14日間はセルトラリンを開始しない、またセルトラリン中止後14日間はMAOIを開始しないことが推奨されます。 [5] [6]

  • セロトニン症候群の注意
    トリプタン、トラマドール、リチウム、セントジョーンズワート、他のSSRI/SNRIなど「セロトニンを増やす薬」との併用で、落ち着きのなさ、発熱、発汗、下痢、反射亢進、意識変容などが起こる可能性があります。こうした併用は慎重に、症状が出たら速やかに受診が必要です。 [7] [8]

  • 肝機能へのまれな影響
    セルトラリンによる重篤な肝障害は非常に稀ですが報告があります。黄疸、著しいだるさ、濃い尿色、右上腹部痛などが出た場合は受診や中止が検討されます。定期的な厳格モニタリングが必須ではないものの、症状があれば早期対応が大切です。 [9] [10]


MAOIとSSRIの「食事制限」の違いを整理

以下は、薬の種類による食事対応の大まかな違いです。

  • MAOI(例:トラニルシプロミン、フェネルジン、セレギリン)
    高チラミン食品(熟成チーズ、発酵肉・魚、内臓肉、キムチ・納豆・味噌・醤油などの発酵調味料、一部酒類、保存不良の肉類、カビ・腐敗した食品、ソラマメの莢など)を避けるか厳しく制限します。食事管理が治療の安全に直結します。 [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18]

  • SSRI(例:セルトラリン)
    高チラミン食品の厳格な制限は通常不要です。ただし、MAOIとの併用や切り替え期間のルールは厳守します。他のセロトニン作動薬との併用には注意が必要です。 [5] [6] [7]


よくある誤解への答え

  • Q:牛レバーは高チラミンと聞いたが、セルトラリンでは避けるべき?
    一般的には避ける必要はありません。セルトラリンはチラミン代謝(MAO)に直接関与しないため、MAOIで見られるようなチラミン由来の高血圧クリーゼは通常想定されません。 [1] [2]

  • Q:パンやチーズ、発酵食品はセルトラリンで制限がいる?
    いいえ、通常の範囲では不要です。食中毒や腐敗食品は誰でも危険なので避ける、という一般的な衛生対策はもちろん有効ですが、SSRI固有のチラミン制限はありません。 [2]


もしMAOIへ切り替える予定がある場合

  • 14日間の「空白期間」を守る
    セルトラリンからMAOI、またはMAOIからセルトラリンへ切り替える際は少なくとも14日間のインターバルを空けるとされています。この期間管理は重篤な反応を防ぐ上で非常に重要です。 [5] [6]

  • MAOI開始後は食事制限が必要
    MAOI開始後は、高チラミン食品の回避が治療の安全性を高めます。症状があれば救急受診が必要になることもあります(激しい頭痛、動悸、胸痛、発汗、吐き気、視覚過敏など)。 [16] [4]


まとめ

  • セルトラリン服用中に「高チラミン食品」を避ける必要は、通常ありません。SSRIはチラミン代謝酵素(MAO)を阻害しないため、MAOIのような食事制限の対象ではないからです。 [1] [2]

  • ただし、MAOIとの併用・切り替え間隔(14日)は厳守し、他のセロトニン作動薬との併用には注意してください。 [5] [6] [7]

  • 肝障害などの稀な副作用にも念のため留意し、異常があれば早めに相談すると安心です。 [9] [10]

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出典

  1. 1.^abcdSertraline, 1S,4S-N-methyl-4-(3,4-dichlorophenyl)-1,2,3,4-tetrahydro-1-naphthylamine, a new uptake inhibitor with selectivity for serotonin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdeDietary restrictions and drug interactions with monoamine oxidase inhibitors: an update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  4. 4.^abAvoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcdSertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
  6. 6.^abcdSertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
  7. 7.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
  8. 8.^(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abSertraline hepatotoxicity: report of a case and review of the literature.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abLiver injury associated with antidepressants.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  11. 11.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  12. 12.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  13. 13.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  14. 14.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  15. 15.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  16. 16.^abAvoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  17. 17.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)
  18. 18.^Avoid the combination of high-tyramine foods and MAOIs(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。