
WHOの資料に基づく | セルトラリンを服用中に飲酒しても安全ですか?
セルトラリン服用中の飲酒は、原則として控えるのが安全です。アルコールで中枢神経の抑制が強まり、治療効果の妨げや消化管出血などの副作用リスクが上がる可能性があります。どうしても飲む場合は最小限の量・頻度にとどめ、NSAIDsや抗凝固薬の併用、胃潰瘍・肝疾患がある場合は禁酒を検討してください。
セルトラリン服用中の飲酒は、一般的には控えることが勧められます。少量であっても眠気や判断力の低下が強まる可能性や、治療効果の妨げ、出血など一部の副作用リスクが高まる可能性があるためです。 [1] [2]
推奨されない理由
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中枢神経への影響が重なり得る
セルトラリン(SSRI)は脳に作用する薬で、アルコールの鎮静作用と合わさると注意力や反応速度の低下が目立つことがあります。 [1]
高用量のアルコールや個人差によっては、転倒・事故などのリスクが上がる可能性があります。 [1] -
治療効果への影響
アルコールは気分の波を悪化させたり睡眠を乱したりするため、うつや不安の治療効果を妨げることがあります。 [3]
アルコール依存を併発している場合は、セルトラリン単独では飲酒量を十分に減らせないことがあり、禁酒支援薬(例:ナルトレキソン)併用が効果的だった報告があります。 [4] -
出血リスクの上昇
SSRIは血小板のセロトニン取り込みを抑えることで止血機能を弱め、上部消化管出血(胃・十二指腸出血など)のオッズをおよそ2倍にするとされています。 [2]
このリスクはアルコール(特に多量飲酒)やNSAIDs(痛み止め)、抗凝固薬の併用でさらに高まる可能性があります。 [2]
どの程度なら大丈夫?
- 研究の中には、高齢健常者での短期試験で中等量のアルコール(体重1kgあたり0.5g)を加えても、セルトラリン200mgまでで客観的な認知・運動機能の悪化が増えなかったとする結果もあります。 [1]
ただし、これは限られた条件・少人数での結果であり、日常生活の飲酒パターンや基礎疾患、他の薬との併用など現実の状況にはそのまま当てはまりません。 [1]
実臨床では「できれば禁酒、どうしても飲むなら最小限(例:ビール1杯程度)に留め、頻度を減らす」ことが一般的に勧められます。 [2]
併存症・服薬状況による注意点
- 胃潰瘍・胃炎、肝疾患、出血傾向がある場合は、少量の飲酒でも出血リスクが上がる可能性があるため、原則として禁酒が望ましいと考えられます。 [2]
- NSAIDs(イブプロフェン等)、アスピリン、ワルファリンなどと併用中の場合は、出血リスクの増加に特に注意が必要です。 [2]
- アルコール依存の既往がある場合、セルトラリン単独で飲酒をコントロールする効果は限定的で、禁酒支援薬(ナルトレキソン)併用で断酒率が上がった報告があります。 [4]
もし飲むなら(実践的なコツ)
- 量を最小限に:標準ドリンク1杯相当までを目安にし、連日飲まないようにしましょう。 [2]
- 飲むタイミング:就寝前の過度な飲酒は睡眠質を悪化させ、翌日の不調につながるため避けると安心です。 [1]
- 併用薬を確認:痛み止め(NSAIDs)や抗血小板/抗凝固薬、胃に負担となる薬を飲む日はアルコールを避けましょう。 [2]
- 体調観察:ふらつき、過度の眠気、黒色便(タール便)、吐血、異常なあざ・鼻血が増えるなどがあれば速やかに受診してください。 [2]
よくある質問
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「少量なら毎日でも良い?」
少量でも毎日の飲酒は、睡眠や気分の質を落とすことがあり、治療の妨げになり得ます。 [3]
可能なら「飲まない日」を設定し、週の飲酒回数を減らす方が安全です。 [2] -
「まったく飲めないの?」
個人差はありますが、脳機能・出血の観点からは控える方が安全域が広いと考えられます。 [1] [2]
特に治療開始直後や用量調整中は、薬の効き方や副作用が安定しにくいため飲酒は避けましょう。 [1]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijThe effects of sertraline on psychomotor performance in elderly volunteers.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghijklmSerotonin reuptake inhibitor antidepressants and abnormal bleeding: a review for clinicians and a reconsideration of mechanisms.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abPost-treatment outcomes in a double-blind, randomized trial of sertraline for alcohol dependence.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcA double-blind, placebo-controlled trial combining sertraline and naltrexone for treating co-occurring depression and alcohol dependence.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


