
WHOの資料に基づく | シプロフロキサシン服用中にナッツ(アーモンドやカシューナッツなど)を食べると、含まれるマグネシウムやカルシウムが原因で薬の吸収が低下するというのは本当ですか?
要点:
シプロフロキサシンはマグネシウムやカルシウムなどの金属とキレートを作り、吸収が低下します。制酸薬や鉄・亜鉛などのサプリとは2時間前または6時間後に時間をずらし、乳製品は単独同時摂取を避ければ食事の一部としては可。ナッツは通常量を食事の一部として摂る分には影響は小さいと考えられます。
結論
シプロフロキサシン(抗菌薬)の吸収は、マグネシウムやカルシウムなどの金属(多価陽イオン)と一緒になると低下しやすいことが知られています。 [1] [2] 一方で、乳製品や強化ジュースを薬と「単独で」同時にとるのは避けるべきですが、通常の食事(食事の一部として乳製品やカルシウム源を含む)と一緒に服用すること自体は一般的に許容されています。 [2] つまり、アーモンドやカシューナッツなどのナッツに含まれるカルシウム・マグネシウムは理論上は吸収を邪魔する可能性がありますが、ナッツを通常量、食事の一部として食べる程度なら、薬の吸収に大きな影響は出にくいと考えられます。 [3] [4]
なぜ金属が吸収を下げるのか
- フルオロキノロン系(シプロフロキサシンを含む)は、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などの金属と「キレート(複合体)」を作りやすく、腸からの吸収が落ちます。 [5] [3]
- この影響は、特に「マグネシウム/アルミニウムを多く含む制酸薬」「スクラルファート」「鉄剤」「亜鉛剤」などの“薬・サプリ”で強く現れます。 [4] [6]
- そのため、シプロフロキサシンはこれらの製品とは少なくとも服用2時間前または6時間後にずらすことが推奨されています。 [1] [7]
食事・乳製品・ナッツの扱い
- 乳製品(牛乳やヨーグルト)やカルシウム強化ジュースを薬と「単独で」同時に飲むと吸収が下がるため避けます。 [1] [8]
- ただし、通常の食事に含まれる乳製品と一緒に服用しても構いません(食事の一部としてであれば吸収低下は問題になりにくいという扱い)。 [2]
- ナッツは食物としてカルシウムやマグネシウムを含みますが、制酸薬や鉄剤ほどの高用量の金属を一度に供給するわけではありません。 [3] そのため、少量〜適量を食事の一部として摂る分には、臨床的に大きな吸収低下は起こりにくいと考えられます。 [4]
実践的な服用のコツ
- 薬は水で単独服用し、金属を多く含む「制酸薬・鉄剤・亜鉛剤・スクラルファート」などとは2時間前/6時間後に間隔を空けましょう。 [1] [7]
- 乳製品やカルシウム強化ジュースは薬と単独で同時に摂らないようにし、摂るなら食事の一部として。 [1] [2]
- ナッツ(アーモンド、カシューナッツなど)は、通常量であれば食事に含めても大きな問題になりにくいです。 [3] もし心配であれば、服用前後1〜2時間はナッツ・乳製品・強化ジュースを避けるという方法もあります。 [1]
影響が大きいもの/小さいものの目安
| 種類 | 代表例 | 吸収低下の懸念 | 間隔推奨 |
|---|---|---|---|
| 制酸薬 | Mg/Al含有制酸薬 | 非常に高い(顕著) [5] [4] | 2時間前または6時間後 [1] |
| 金属含有薬・サプリ | 鉄、亜鉛、カルシウム製剤、スクラルファート、ポリリン酸結合薬 | 高い [6] [4] | 2時間前または6時間後 [7] |
| 乳製品・強化ジュース(単独同時) | 牛乳、ヨーグルト、カルシウム強化ジュース | 低下するため避ける [1] [8] | 同時摂取回避(食事の一部なら可) [2] |
| 通常の食事 | 一般的な食事 | 大きな影響は少ない [3] | 併用可(ただし過度の金属含有品は避ける) [2] |
| ナッツ(食事の一部) | アーモンド、カシューナッツ等 | 理論上は影響あり得るが通常量なら小さい [3] [4] | 過度摂取は避け、気になる場合は前後1–2時間回避 [1] |
まとめ
- 強い相互作用の相手は、制酸薬や金属のサプリ・薬です。 これらとは服用時間をしっかりずらしましょう。 [1] [7]
- 乳製品やカルシウム強化ジュースは薬と単独で同時に飲まないのが基本ですが、食事と一緒なら服用可能です。 [1] [2]
- ナッツは食事の一部として適量なら、吸収低下は小さい可能性が高いです。 [3] 心配なら服用の前後に少し時間を空けるという工夫も有効です。 [1]
ご自身の服用タイミングや、併用しているサプリ・制酸薬の有無を教えていただければ、より具体的なアドバイスをご提案できます。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijkl(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefg(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefgFluoroquinolones: interaction profile during enteral absorption.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefAbsorption interactions with fluoroquinolones. 1995 update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abDrug-drug interactions with ciprofloxacin and other fluoroquinolones.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abDrug interactions with quinolone antibacterials.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdCIPROFLOXACIN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


