Medical illustration for 米国CDCの資料に基づく | シプロフロキサシンは経口避妊薬(ピル)の避妊効果を低下させるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月13日5分で読める

米国CDCの資料に基づく | シプロフロキサシンは経口避妊薬(ピル)の避妊効果を低下させるというのは本当ですか?

要点:

一般的にはシプロフロキサシン(フルオロキノロン系)を併用しても、経口避妊薬(ピル)の避妊効果は低下しません。臨床試験と米国の公的ガイドラインでも追加避妊は通常不要とされています。例外はリファンピン系で、嘔吐・下痢時は吸収低下に注意し一時的な追加避妊を検討します。

シプロフロキサシンと経口避妊薬(ピル)の相互作用:避妊効果は低下するの?

結論から言うと、一般的にはシプロフロキサシン(フルオロキノロン系抗菌薬)は、併用しても経口避妊薬(ピル)の避妊効果を低下させないと考えられています。 これは臨床試験や公的ガイダンスで一貫して示されている見解です。 [1] [2]


根拠となる臨床研究

  • 無作為化クロスオーバー試験:健常女性10人が、エチニルエストラジオール+黄体ホルモン(レボノルゲストレル等)の低用量配合ピルを使用中に、シプロフロキサシン500 mgを1日2回、7日間併用した研究では、LH・FSH・エストラジオールの抑制状態(排卵抑制の指標)に影響は認められませんでした。 また破綻出血(ブレイクスルー出血)も増えませんでした。 [1]

  • 疫学的検討(ケース・クロスオーバー):抗生物質全般の併用とピル失敗(予期せぬ妊娠)の関連を検討した大規模解析では、抗生物質の併用全体で妊娠リスクの有意な上昇は示されませんでした。 ただし検出力の制限から、わずかなリスク上昇までは完全には否定しきれない可能性がある、と慎重な但し書きが添えられています。 [3]


公的ガイダンスの見解

  • 米国の避妊適応ガイドラインでは、広域抗菌薬の多くは、配合経口避妊薬(COC)の避妊効果に影響しないと整理されています。つまり、通常の抗菌薬併用で追加避妊は不要という立場です。 [2]

  • 同系統のフルオロキノロン(例:モキシフロキサシン)に関するヒト試験でも、7日間の併用でホルモン抑制や薬物動態に干渉しないことが示されています。これはクラス全体としてピルへの影響が乏しいことを示唆します。 [4] [5]


例外:リファンピン系は別扱い

  • リファンピン(リファンピシン)系抗結核薬は肝臓の酵素(CYP誘導)を強く活性化し、ピルのホルモン濃度を低下させて避妊効果を確実に落とします。 この場合は確実に追加避妊が必要です。 [6]

よくある誤解とその背景

  • 「抗生物質はピルを弱める」という一般論は、古い報告や特定薬剤(リファンピン系)に基づく一般化が背景にあります。 [6]
  • 以前は、腸内細菌への影響によりエチニルエストラジオールの腸肝循環が弱まる可能性が指摘されましたが、ヒトでの臨床的意義は乏しいことが現代のデータでは示されています。 [6]

併用の実務的ポイント

  • シプロフロキサシン併用中も、通常はピルの避妊効果は保たれます。 処方どおりに服用を続けてください。 [1] [2]
  • ただし、強い嘔吐や下痢が続くと、ピルの吸収が低下して避妊効果が下がる可能性があります。体調不良が24〜48時間以上続く場合は、一時的にコンドームなどの追加避妊を併用するのがおすすめです。これは薬物相互作用ではなく、吸収不良による例外的状況です。 (この点は一般的臨床の注意事項であり、出典に特異的記載のない総合的助言です)

まとめ

  • シプロフロキサシンは、通常、ピルの避妊効果を低下させないというのが臨床研究と公的ガイダンスの一致した結論です。 [1] [2]
  • 避妊効果に明確な影響を与える抗菌薬は、リファンピン系が代表的です。これらはピルの効果を落とすため、必ず追加避妊が必要です。 [6]
  • 吸収に影響しうる嘔吐・下痢がある場合は、一時的な追加避妊を検討してください。
  • 心配なときは、服用中のピル名と抗菌薬名、症状の有無(嘔吐・下痢など)を医療者に伝えると安心です。

参考データのハイライト

  • シプロフロキサシン500 mg BID×7日併用試験:排卵指標に影響なし、破綻出血増加なし。 [1]
  • 広域抗菌薬とピル:大半で避妊効果への影響なしというガイダンス。 [2]
  • フルオロキノロン系(モキシフロキサシン)併用試験:ホルモン抑制・薬物動態に干渉せず。 [4] [5]
  • リファンピン系:避妊効果を低下させるため追加避妊が必須。 [6]

よくある質問(FAQ)

  • ピルの種類(低用量エストロゲン+黄体ホルモン)でも大丈夫?
    → 低用量配合(エチニルエストラジオール0.02〜0.04 mg)でも、シプロフロキサシン併用で問題は示されていません。 [1]

  • 同じ系統の抗菌薬なら安心?
    → フルオロキノロン系は総じてピルへの影響が少ないデータがありますが、リファンピン系は別です。薬剤名を確認しましょう。 [4] [5] [6]


重要ポイント(簡易チェック)

  • シプロフロキサシン+ピル=原則OK(追加避妊は通常不要)。 [1] [2]
  • リファンピン系+ピル=NG(必ず追加避妊)。 [6]
  • 嘔吐・下痢が続く=吸収低下の可能性あり(一時的に追加避妊)。

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出典

  1. 1.^abcdefgThe effect of ciprofloxacin on oral contraceptive steroid treatments.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefAppendices for U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use, 2016(cdc.gov)
  3. 3.^Antibiotics and oral contraceptive failure - a case-crossover study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcThese highlights do not include all the information needed to use MOXIFLOXACIN TABLETS safely and effectively. See full prescribing information for MOXIFLOXACIN TABLETS. MOXIFLOXACIN tablets, for oral use Initial U.S. Approval: 1999(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcAVELOX- moxifloxacin hydrochloride tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefgAntibiotic and oral contraceptive drug interactions: Is there a need for concern?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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