
米国FDAの資料に基づく | シプロフロキサシン服用時に牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂ると吸収や効果に影響がありますか、また摂取する場合は服薬との間隔をどのくらい空けるべきですか?
シプロフロキサシンは牛乳・ヨーグルトなどの乳製品やカルシウム強化飲料と同時摂取するとキレート形成により吸収が低下し、効果が弱まる可能性があります。原則は同時摂取を避け、乳製品は服薬の前後2時間ほど空けるのが目安(Ca/Fe/Zn含有製品や制酸薬・スクラルファートは2時間前または6時間後)。通常の食事に少量含まれる程度なら服用は可能です。
シプロフロキサシンと乳製品の相互作用:吸収低下と服用タイミングのポイント
シプロフロキサシン(フルオロキノロン系抗菌薬)は、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品やカルシウム強化ジュースと同時に摂ると、腸管でのキレート形成(薬剤とカルシウムなどの金属が結合する現象)により吸収が低下し、血中濃度が下がって効果が弱まる可能性があります。 [1] このため、乳製品を「単独で」薬と一緒に飲む・食べることは避けるのが一般的な推奨です。 [2]
一方で、通常の食事の一部として乳製品が含まれる場合は服用自体は可能とされており、「乳製品だけ」を薬と一緒に摂るのが問題という整理になります。 [1] 同じ注意は各製品情報でも示されており、乳製品やカルシウム強化ジュースとの同時摂取は避けるよう記載されています。 [3]
具体的な影響(どの程度下がる?)
- 健常成人での試験では、500 mgのシプロフロキサシンを水、牛乳、ヨーグルトとともに投与した比較で、牛乳・ヨーグルト同時摂取で初期から10時間にわたり血中濃度が有意に低下しました。 [4] 例えば、投与30分で牛乳は約70%、ヨーグルトは約92%濃度が低下しました。 [4]
- 最大血中濃度(Cmax)は、牛乳で約36%、ヨーグルトで約47%低下しました。 [4]
- 吸収量の指標(AUC、24時間尿中排泄)も約30〜36%低下しています。 [4]
これらの低下は、感染症の原因菌が「中等度の感受性」のケースでは治療失敗につながる可能性が指摘されています。 [4] つまり、乳製品と同時摂取は実臨床で意味のある吸収低下になり得ます。 [4]
推奨される服薬間隔
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・カルシウム強化ジュース)を単独で薬と一緒に摂るのは避けるのが基本です。 [2] [5]
- 乳製品以外にも、カルシウム・鉄・亜鉛を含む製品や制酸薬(マグネシウム・アルミニウム)、スクラルファート、強緩衝性薬は吸収低下を起こすため、これらはシプロフロキサシンの少なくとも「2時間前」または「6時間後」に分けて摂るのが推奨されています。 [6] [7]
- 乳製品については公式情報では「同時摂取を避ける」記載が中心ですが、実務上は服薬の前後で2時間程度あけると安全域が高まります(上記の金属カチオン製品と同様の機序のため、同等の間隔が有用と考えられます)。 [6] 同時摂取の回避により、有効濃度を保ちやすくなるためです。 [8]
食事と一緒に飲めるケース
- 公式情報では、乳製品を含む「食事の一部」としてなら服薬可能とされています。 [1] つまり、薬と「牛乳だけ」「ヨーグルトだけ」を同時に摂るのは避け、通常の食事に乳製品が少量含まれる程度なら服用は許容されます。 [2]
- ただし、治療の確実性を高めたい場合や重症感染、目標濃度が重要な場面では、食事と切り離して水で服用し、乳製品は前後に間隔をとる方法がより確実です。 [4]
同時摂取を避けるべきその他のもの
- 制酸薬(Mg/Al)、スクラルファート、カルシウム・鉄・亜鉛含有サプリや多種ミネラル配合の整腸薬・結合剤などは、少なくとも「2時間前」または「6時間後」に分けてください。 [6] [7]
- これらはシプロフロキサシンとキレート形成して吸収を阻害します。 [8]
実践のコツ(安全に効果を保つために)
- 💡 ベストプラクティス: シプロフロキサシンはコップ1杯の水で服用し、乳製品は前後2時間空けるのが安心です。 [6]
- 🍽️ 食事と一緒に: どうしても食事と一緒に飲みたい場合は、乳製品を「少量」含む一般的な食事なら可ですが、牛乳やヨーグルトを主とする食事と同時は避けるのがよいです。 [1] [2]
- 🧪 サプリ注意: カルシウム・鉄・亜鉛などのサプリは服薬の2時間前または6時間後にずらしましょう。 [6] [7]
吸収低下の理由(簡単に)
- シプロフロキサシンは、カルシウムなどの金属イオンと結合(キレート)して、腸で吸収されにくい複合体になります。 [8]
- カルシウムは特にシプロフロキサシンの吸収を下げることが示されており、尿中排泄量の低下(=体内への取り込み低下)も確認されています。 [9]
まとめ
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・カルシウム強化ジュース)とシプロフロキサシンの同時摂取は吸収を下げ、効果を弱める可能性があります。 [2] [4]
- 乳製品は薬の前後2時間程度あけると安心です(金属イオン製品の推奨間隔に準じる運用)。 [6]
- 通常の食事の一部として乳製品が少量含まれる程度なら服用可能ですが、治療効果を確実にしたい場面では水で服用し、乳製品は時間をずらすのがおすすめです。 [1] [2]
参考データのハイライト(要点)
- 乳製品同時摂取でCmaxが36〜47%低下、AUCが30〜36%低下。 [4]
- 金属イオン(Ca・Fe・Zn)、制酸薬(Mg/Al)、スクラルファートは2時間前または6時間後に分ける。 [6] [7]
- 乳製品は「単独で」薬と一緒に摂るのを避けるが、食事の一部なら可。 [1] [5]
服用タイミング早見表
| 項目 | 同時摂取可否 | 推奨間隔 |
|---|---|---|
| 牛乳・ヨーグルト(単独で) | 避ける | 前後約2時間を目安に間隔を空けるのが安全 |
| 乳製品を含む一般的な食事 | 服用可 | 可能であれば水で服用、乳製品量が多い食事は避ける |
| カルシウム強化ジュース | 避ける | 前「2時間」または後「6時間」 |
| 制酸薬(Mg/Al)、スクラルファート | 避ける | 前「2時間」または後「6時間」 |
| 鉄・亜鉛・カルシウムサプリ | 避ける | 前「2時間」または後「6時間」 |
上記の可否・間隔は、吸収低下を防ぎ血中濃度を保つための実務的な目安です。 [6] [2] [7]
ご自身の食事パターンに合わせた服用スケジュールの調整が必要でしたら、今の服用時間帯と食事内容を教えていただければより具体的に提案します。
関連する質問
出典
- 1.^abcdef(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefgCIPROFLOXACIN- ciprofloxacin hydrochloride tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^↑CIPROFLOXACIN- ciprofloxacin hydrochloride tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefghiInterference of dairy products with the absorption of ciprofloxacin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abCIPROFLOXACIN- ciprofloxacin hydrochloride tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdefghCIPRO- ciprofloxacin hydrochloride tablet, film coated CIPRO- ciprofloxacin kit(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^abcde(dailymed.nlm.nih.gov)
- 8.^abcDrug-drug interactions with ciprofloxacin and other fluoroquinolones.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^↑Comparative study of the influence of Ca2+ on absorption parameters of ciprofloxacin and ofloxacin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


