
PubMedの資料に基づく | 過敏性腸症候群の人は玄米より白米のほうが症状を起こしにくいというのは本当ですか?
要点:
IBSの人は、玄米より白米のほうが症状を起こしにくい場合が多いです。白米は食物繊維とFODMAPが少なく消化にやさしい一方、玄米の不溶性繊維は膨満やガスを誘発しやすく、症状が強い時期は白米中心が勧められます。体調が安定してから、少量の玄米を段階的に再導入して合うかを見極めるのが安全です。
白米は玄米よりも消化がやさしく、過敏性腸症候群(IBS)の人で症状が出にくい場合が多いと考えられます。これは、玄米の外皮(ぬか)に多い不溶性食物繊維がガスや腹部不快感を誘発しやすい一方、白米は繊維が少なくFODMAPもほとんど含まないため、腸に負担がかかりにくいからです。実際、IBSの食事療法では、症状が不安定な時期に白米などの低繊維・低FODMAPの炭水化物を選ぶことがよく推奨されています。 [1] [2]
なぜ白米の方が合いやすいのか
- 繊維量の違い: 玄米は外皮に由来する不溶性食物繊維が多く、腸内で水を吸ってかさを増やし、敏感な腸では張りやガス、痛みを誘発することがあります。対して白米は精白によりこの繊維が大幅に減り、物理的刺激が少なくなります。不溶性繊維はIBS症状を悪化させる可能性があるという指摘があり、特に下痢や腹部膨満が目立つタイプでは注意が必要です。 [3]
- FODMAPの観点: FODMAP(発酵性の小分子炭水化物)を抑える食事はIBS症状の軽減に有効で、世界的に第一選択の一つとされています。白米はFODMAPが極めて低く、低FODMAP食に適合しやすい一方、玄米はFODMAP自体は低いものの、繊維の影響で膨満やガスを誘発する人がいます。 [4] [2]
- 消化・吸収のしやすさ: アジアの機能性消化管障害の研究では、米は小腸で完全に吸収されやすく、腸内ガスが少ない炭水化物源として良好に耐容されるとまとめられています。 [5]
公式ガイダンス・臨床での扱い
- 低繊維が必要な局面では白米を推奨: がぜん症状が強い時期や、医療機関で低残渣・低繊維が勧められる場面では、白米や白い小麦製品など「精製穀物」を優先し、玄米・雑穀・オート麦などの全粒穀物は一時的に控える例が多いです。 [1] [6]
- 低FODMAP食の基礎として白米: 低FODMAP食では、白米は安全域の炭水化物として採用されやすく、除去期(4–6週間)に用いた上で、症状が安定してから段階的に他の穀類や繊維を戻す方法が一般的です。 [4] [7]
エビデンスの整理
- 低FODMAP食はランダム化試験でIBSの痛み・膨満・排ガスなどを有意に改善しました。炭水化物の選択として、FODMAPが低い白米が合致します。 [4]
- 食物繊維の役割は一様でなく、不溶性繊維は症状を悪化させ得る一方、便秘が主な人では可溶性繊維が助けになる場合があります。玄米は主に不溶性主体のため、下痢型や膨満が強い人では合わないことがあります。 [3]
- なお、穀類の中でも小麦由来のグルテンは一部のIBS(特に下痢優位)で症状悪化と関連する報告があり、小麦ではなく米を主食にすることが有利とされる状況があります。 [2] [8]
玄米を食べたい場合のコツ
症状が落ち着いている時期に、以下のような「再導入(リチャレンジ)」を試す方法があります。
- 量を少なく、頻度を減らす(例: 白米:玄米=2:1のブレンドから開始)。
- よく浸水して柔らかく炊く、発芽玄米を使うなど、物理的刺激を減らす工夫をする。
- 1–2週間の症状記録(痛み、張り、ガス、便形状)をつけ、増悪があれば白米に戻す。
この「段階的再導入」は低FODMAP食の標準的手順で、除去期→再導入期→個別化維持期という流れが推奨されます。 [7] [4]
タイプ別の目安
- 下痢優位・膨満が強い人: 白米中心を基本にし、玄米は少量から慎重に。低FODMAPを軸にすると安定しやすいです。 [4] [2]
- 便秘優位の人: 可溶性繊維(例: オート麦のβグルカン、サイリウムなど)が有用な場合があり、玄米も「少量」なら合うことがありますが、不溶性繊維は増やしすぎないように様子見が大切です。 [3]
- 混合型の人: 体調の波に合わせて、症状が強い日は白米、落ち着いている日は少量の玄米や雑穀を試す、といった可変的な設計が現実的です。 [3] [4]
白米と玄米の比較表
| 項目 | 白米 | 玄米 |
|---|---|---|
| 食物繊維 | 低い(不溶性・可溶性ともに少)→刺激が少ない傾向 | 高い(主に不溶性)→膨満・ガスを誘発しやすい人がいる [3] |
| FODMAP | 非常に低い→低FODMAP食に適合 [4] | 低FODMAPだが、繊維由来の物理的刺激で症状が出る場合あり |
| 消化・吸収 | 速く完全吸収されやすい→ガスが少ない [5] | 吸収は良いが、外皮の繊維が腸管刺激になり得る |
| 症状が強い時の適合度 | 高い(標準的に推奨されやすい) [1] | 低い(寛解期に少量再導入が無難) |
まとめ
- 多くのIBSの人では、白米の方が玄米より症状が出にくい可能性が高いです。これは、白米が繊維とFODMAPの両面で腸の負担が少ないためです。 [4] [3] [1]
- ただし個人差は大きく、特に便秘優位では可溶性繊維が役立つ場合もあります。体調が安定してから少量の玄米を試し、症状記録で合うかどうかを見極める方法がおすすめです。 [3] [7]
😊無理なく続けられる主食選びが大切です。まずは白米で症状のベースを安定させ、体調に合わせて玄米を少量ずつ試す この順番が多くの人にとって安全策になります。 [4] [1]
関連する質問
出典
- 1.^abcdeLow-Fiber Diet(mskcc.org)
- 2.^abcdIrritable bowel syndrome - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefgThe role of diet in symptoms of irritable bowel syndrome in adults: a narrative review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefghiA diet low in FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abAre rice and spicy diet good for functional gastrointestinal disorders?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Low-Fiber Diet(mskcc.org)
- 7.^abcLow FODMAP Diet(stanfordhealthcare.org)
- 8.^↑A controlled trial of gluten-free diet in patients with irritable bowel syndrome-diarrhea: effects on bowel frequency and intestinal function.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


