
PubMedの資料に基づく | 過敏性腸症候群(IBS)の人は緑茶を飲むと症状が悪化するというのは本当ですか?
要点:
IBSでは、緑茶のカフェインが腸を刺激し、下痢や腹痛などの症状を悪化させる人がいますが、全員ではありません。カフェインの制限や、食事・症状の記録と段階的再導入で自分の許容量を見極め、量・濃さ・時間帯を調整すると安全に試せます。
IBSで緑茶が症状を悪化させる可能性は「人によってはあり得ます」
多くの人に当てはまる決まりはなく、反応には個人差があります。緑茶に含まれるカフェインは腸の動きを刺激し、下痢や腹痛、差し込む痛みを誘発しやすいことがあるため、IBSでは量や飲み方に注意したほうがよい場合があります。 [1] [2] ただし、全員に悪化が起こるわけではなく、一部の人でカフェインやお茶が明確な引き金になる一方、問題なく飲める人もいます。 [3] [4]
なぜ緑茶で症状が悪化することがあるのか
- ☕ カフェインの作用
カフェインは腸管の運動(蠕動)を促し、敏感な人では便がゆるくなったり腹痛が出たりします。IBSではカフェインを減らす・避けることがしばしば勧められます。 [2] [5] また、コーヒーや紅茶と同様に、緑茶にもカフェインが含まれており、症状悪化の要因になり得ます。 [1] [6] - 🍵 お茶のポリフェノール(カテキン等)
茶のポリフェノールは胃腸の粘液(ムチン)と結びつき、粘液の性質を変える可能性が示されています。この作用は理論上、腸内環境やバリア機能に影響を与えるため、人によっては不快感につながることがあります。 [7] 一方で、適量では抗炎症的に働く可能性も示唆されており、量によって作用が変わることがあります。 [8] [9] - 🔄 個人差と用量依存
茶の摂取とIBSの関連を示す疫学研究では、お茶をよく飲む人にIBSが多い関連が報告されたものの、因果関係は確立されていません。 [10] さらに、高用量の緑茶抽出物やEGCG(主成分)では胃腸症状や肝酵素上昇が報告される一方、低用量では別の作用を示すことがあり、用量依存の性質が示唆されています。 [11] [9]
公式機関が勧める実践ポイント
- カフェインの制限を検討
IBSの生活・食事管理では、カフェインの摂取を減らすことが一般的に推奨されます。 [2] [5] カフェインを含む飲料(コーヒー、紅茶、エナジードリンク、緑茶など)は腸の刺激になり得るため注意が必要とされています。 [1] [6] - トリガーの個別同定
IBSでは一律の「禁止食品」はなく、個人ごとに症状を悪化させる食品は異なります。 そのため、食事・症状・排便の記録をつけ、緑茶(あるいは他のカフェイン飲料)との関連を自分の体で確認する方法が勧められます。 [1] [4] - 少量・薄める・時間帯の工夫
緑茶を完全にやめたくない場合は、薄める、少量にする、空腹時を避ける、就寝前は控えるといった工夫で症状が落ち着くことがあります。特に下痢優位型のIBSでは、朝一番や食後すぐのカフェインは避けると楽になることがあります。 [2] [4]
実用的な飲み方ガイド
- ✅ 試し方
1~2週間、カフェイン飲料(緑茶を含む)を完全にやめる→症状が改善するかを確認→問題なければ微量から段階的に再導入して、耐えられる量や濃さを見つけます。これは食品ごとの反応を見極める基本的な方法として推奨されるアプローチです。 [12] - 🔁 量と濃度
1日1杯の薄い緑茶など、低カフェイン・低タンニンから始めると過敏な反応を起こしにくいことがあります。症状が出れば、その量は自分にとっての「閾値」を超えているサインです。 [2] [5] - 🕒 タイミング
空腹時は避け、食後に少量を試すと、胃腸刺激が弱まることがあります。就寝前は睡眠を妨げたり腸を刺激したりするため控えると安心です。 [2] - 🔄 代替案
低カフェイン緑茶・デカフェの緑茶、ハーブティー(カフェインなし)などに置き換える方法もあります。ただし、ミント系は人によって胃食道逆流症が悪化することがあるため、逆流症状が強い方は別のハーブを選ぶと無難です。 [5]
よくある質問への短答
- 緑茶はIBSに「絶対NG」?
いいえ、絶対ではありません。 ただし、カフェイン刺激で症状が悪化する人が一定数おり、注意して試す価値はあります。 [1] [2] - どのくらいから注意が必要?
コーヒーほどではないものの、緑茶にもカフェインは含まれます。 個人差が大きいため、自分の許容量(量・濃さ・時間帯)を見つけることが大切です。 [1] [5] - カテキンは体に良いと聞くけど?
抗炎症的な側面も示唆されていますが、用量が過剰だと胃腸症状や別の副作用が出る可能性もあります。 バランスが大切です。 [8] [9] [11]
まとめ
- 「IBSの人が緑茶で症状悪化」は、カフェイン刺激が合わない人では起こり得ますが、全員ではありません。 [1] [2]
- 安全に試すには、短期間のカフェイン除去→段階再導入で自分の許容量を把握し、量・濃さ・時間帯を調整しましょう。 [12] [4]
- 不安定な時期(下痢・腹痛が強い時)は、いったんカフェインを避けるのが無難です。 [2] [5]
必要であれば、食事記録のつけ方や、再導入のステップのテンプレートを一緒に作成します。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgIrritable bowel syndrome: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 2.^abcdefghiDietary Changes for Irritable Bowel Syndrome(nyulangone.org)
- 3.^↑IBS Myths & Facts Quiz: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 4.^abcdTreatments(stanfordhealthcare.org)
- 5.^abcdefThe role of lifestyle-related treatments for IBS(mayoclinic.org)
- 6.^abDietary Changes for Irritable Bowel Syndrome(nyulangone.org)
- 7.^↑Tea derived galloylated polyphenols cross-link purified gastrointestinal mucins.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abDietary polyphenols can modulate the intestinal inflammatory response.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^abcDose-dependent functionality and toxicity of green tea polyphenols in experimental rodents.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 10.^↑Association between Diet and Lifestyle Habits and Irritable Bowel Syndrome: A Case-Control Study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 11.^abGreen Tea(mskcc.org)
- 12.^abThe role of diet in symptoms of irritable bowel syndrome in adults: a narrative review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


