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2026年2月18日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 過敏性腸症候群の人は果物の摂取で症状が悪化しやすいというのは本当ですか?

要点:

IBSの方は、果物に含まれるフルクトースやポリオール(FODMAP)で発酵や浸透圧作用が起こり、腹痛・膨満・下痢などの症状が悪化することがあります。ただし全ての果物が問題ではなく、低FODMAPの果物を選び、量や食べ方を工夫すれば多くの場合はコントロール可能です。少量から1種類ずつ試し、記録をつけて自分の許容範囲を見つけることが有効です。

過敏性腸症候群(IBS)の方では、果物が症状を悪化させることが「あります」。特に一部の果物に多い糖質(FODMAPと呼ばれる発酵しやすく吸収されにくい炭水化物)が関わり、下痢、腹痛、ガス、腹部膨満感などが出やすくなることがあります。ただし、すべての果物が悪いわけではなく、種類や量、食べ方でコントロールできる場合が多いです。 [1] [2] 具体的には果物に多いフルクトース(果糖)やポリオール(ソルビトールなど)は、小腸で吸収されにくいと大腸で発酵してガスと水分を増やし、過敏な腸では症状が出やすくなります。 [3] [4]

なぜ果物で症状が出るのか

  • FODMAPの影響:果物にはフルクトース(果糖)やポリオール(例:ソルビトール)が多いものがあり、これらは小腸で吸収されにくいと大腸で発酵・浸透圧作用を起こし、ガスや水分増加により腹痛・膨満・下痢を招きやすくなります。 [3] IBSの方は腸が敏感なため、同じ量でも症状を感じやすい傾向があります。 [4]
  • 果糖+ソルビトールの相乗効果:研究では、フルクトースとソルビトールを一緒に摂るとIBSの方で症状が強まることが示され、用量が多いほど腹部症状が増えたという報告があります。 [5] このため、特に「果糖が多い+ポリオールも含む」果物や加工品に注意が必要です。 [5]

低FODMAPの観点:避けたい果物・とりやすい果物

果物全般は摂り過ぎると果糖負荷が上がるため、量の管理が大切です。 [2] その上で、種類により影響が異なります。 [1]

  • 症状を起こしやすい(高FODMAPが多い)果物の例
    りんご、洋なし、マンゴー、さくらんぼ、桃、ネクタリン、プルーン、スイカ、ドライフルーツ全般、果汁飲料、アボカド(ポリオールが多い)などは、人によって症状を誘発しやすい場合があります。 [2] [1]
  • 比較的とりやすい(低FODMAPとされる)果物の例(適量)
    キウイ、いちご、ラズベリー、ブルーベリー、カンタロープ(マスクメロン)、グレープフルーツ、レモン、ライム、パパイヤ、パッションフルーツ、パイナップル(少量)などは、適量なら許容しやすいことが多いです。 [6] [7]

エビデンス:食事がIBS症状に与える影響

  • 低FODMAPアプローチの有用性:吸収されにくい短鎖炭水化物(フルクトース、フルクタン、ポリオールなど)を減らす食事は、IBSの症状軽減に役立つという研究が多数あります。 [3] 実臨床でも、食事変更で腹部膨満や痛みが改善する方がいます。 [4]
  • 果糖制限の効果:果糖を減らした食事(フルクトースリデュースド)は、腹痛や膨満感のスコア改善に結びついたと報告されています。 [8] 一方、呼気試験(フルクトース呼気テスト)の結果と症状改善が必ずしも一致しないこともあり、最終的には「実際に食べてみての症状」で判断するのが現実的です。 [8]
  • 用量依存性の症状誘発:フルクトースとソルビトールを同時に多めに摂ると、IBSの方で症状が強く出やすいことが示されています。 [5]

実践ポイント:悪化を避けつつ果物を楽しむコツ

  • 量を決める:一度に多量を食べない(例:小さめの一皿、片手に乗る量を目安)。果物は「少量・頻回」が無難です。 [2]
  • 種類を選ぶ:上の低FODMAP寄りの果物を中心に、1回1種類で試すと反応が分かりやすいです。 [6]
  • 食べ合わせ:空腹時の大量摂取や、ポリオールの多い人工甘味料・果汁飲料と一緒に摂るのは避けると安心です。果汁100%ジュースでも「濃縮した果糖負荷」になりやすいです。 [2]
  • 記録をつける:1~2週間、食べた果物の種類・量と症状のタイミングを記録し、自分の許容範囲を見つけると再現性のある管理がしやすくなります。 [9]
  • 段階的導入:症状が不安定な時は一時的に低FODMAPを徹底→落ち着いたら少量ずつ再導入して許容範囲を拡げる、という手順が有効です。 [3]
  • 加工品に注意:ドライフルーツ、果汁飲料、シロップ漬けなどは糖質が濃縮されやすく、症状を誘発しやすいです。 [2]

よくある疑問へのヒント

  • 「果物は全部ダメ?」
    いいえ。種類と量の工夫で食べられるものは多くあります。 低FODMAP寄りの果物を少量から試してみてください。 [6] [7]
  • 「バナナはどう?」
    バナナは熟度でFODMAP量が変わります。やや青め(未熟寄り)は比較的許容されやすい一方、完熟は果糖負荷が上がり症状に影響する場合があります。(一般的な低FODMAP実践での知見)
  • 「アボカドはヘルシー?」
    脂質源としては良い食品ですが、ポリオールが多く量によって症状を誘発する場合があります(特に1/2個以上などの多量)。 [1]
  • 「果物の代わりに野菜は?」
    低FODMAPの野菜(例:きゅうり、トマト、ほうれん草、にんじん、ズッキーニ、レタスなど)を上手に組み合わせると、食物繊維やビタミンを補いながら症状悪化を避けやすいです。 [6]

まとめ

  • IBSの方は、果物に含まれるフルクトースやポリオールにより症状が悪化することがありますが、すべての果物が問題になるわけではありません。 [3] [1]
  • 低FODMAPの考え方と「種類・量・食べ方」の工夫で、多くの場合は果物と上手に付き合えます。 [4] [6]
  • 果糖+ソルビトールの組み合わせや大量摂取は症状を誘発しやすいため避け、少量からの試行と食事記録で自分の許容域を見つけましょう。 [5] [9]

参考:果物の選び方(目安)

分類比較的とりやすい(適量)注意が必要(症状が出やすいことあり)
キウイ、いちご、ブルーベリー、ラズベリー、カンタロープ、グレープフルーツ、レモン、ライム、パパイヤ、パッションフルーツ、パイナップル(少量)りんご、洋なし、マンゴー、桃、ネクタリン、さくらんぼ、プルーン、スイカ、アボカド(量に注意)、ドライフルーツ、果汁飲料
ポイント1回量を控えめに、1種類ずつ試す果糖・ポリオールが多く、量や組み合わせで悪化しやすい

上記の「比較的とりやすい」「注意が必要」の例示は、低FODMAPの一般的な実践目安に基づきます。 [6] [7] [2] 最適解は個人差が大きいため、症状と照らし合わせた微調整が大切です。 [4]

もし今すでに「この果物を食べるといつも張る/下す」など心当たりがあれば、種類と量、食べたタイミングを教えていただけると、より具体的な調整案をご提案できます。

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出典

  1. 1.^abcdeLow FODMAP diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcdefgLow FODMAP diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  3. 3.^abcde[Current issues on irritable bowel syndrome: diet and irritable bowel syndrome].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdeThe role of diet in symptoms of irritable bowel syndrome in adults: a narrative review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdSymptom provocation in irritable bowel syndrome. Effects of differing doses of fructose-sorbitol.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefLow FODMAP diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  7. 7.^abcLow FODMAP diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  8. 8.^abEffect of fructose-reduced diet in patients with irritable bowel syndrome, and its correlation to a standard fructose breath test.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abDiet and the irritable bowel syndrome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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