Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 過敏性腸症候群の人は魚に含まれるオメガ3脂肪酸を摂取すると症状が改善するというのは本当ですか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月18日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 過敏性腸症候群の人は魚に含まれるオメガ3脂肪酸を摂取すると症状が改善するというのは本当ですか?

要点:

現時点で、魚由来のオメガ3脂肪酸が過敏性腸症候群(IBS)の症状を明確に改善する十分な臨床的根拠はありません。効果が示唆される報告もありますが一貫性は乏しく、下痢や胃部不快感などの副作用に注意が必要です。IBS対策は食事・生活調整、プロバイオティクス、薬物療法などを優先し、試す場合は魚から少量を様子を見ながら取り入れるのが無難です。

オメガ3脂肪酸(魚油)が過敏性腸症候群(IBS)の症状をはっきり改善するという根拠は、現在のところ十分ではありません。一部では役立つ可能性が示唆されることもありますが、IBSに対する標準治療として推奨できるだけの一貫した臨床データは乏しいと考えられます。


ポイント要約

  • 🐟 オメガ3は抗炎症作用で知られますが、IBSへの明確な効果は確立していません。 炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎やクローン病)では大規模な系統的レビューで有効性が不十分とされていますが、IBSはIBDと異なる疾患であるため、IBDの知見をそのまま当てはめることはできません。 [1] [2]
  • 🧠 IBSの治療は多面的(食事・ストレス対策・薬物療法など)で、食物繊維の調整やプロバイオティクス、抗けいれん薬などの選択肢の方が臨床的に用いられることが多いです。 [3] [4]
  • ⚠️ オメガ3のサプリは、胃もたれや下痢などの副作用が増える可能性が報告されています。 [1]

IBSとオメガ3をめぐるエビデンスの現状

抗炎症=IBS改善ではない

  • オメガ3(EPA/DHA)は抗炎症作用で知られますが、炎症が病態の中心であるIBDにおいても、寛解維持などの明確な利益は一貫して示されていません。 特に潰瘍性大腸炎では有効性がはっきりせず、クローン病でも大規模試験では効果が確認できませんでした。 [2] [1]
  • IBSは機能性消化管障害で、腸の運動や感受性、脳腸相関、腸内細菌、ストレスなど複数因子が関与し、明確な炎症疾患ではありません。したがって、抗炎症のオメガ3で症状が直接改善するとは限りません。 [5]

有効性の一貫性が乏しい

  • IBD領域の系統的レビューでは、オメガ3で寛解維持率が改善しない、もしくは結果が不均一という結論が繰り返し示されています。 [2] [1]
  • IBSを対象にした質の高い無作為化試験やメタ解析は限られており、現時点では「IBSの第一選択」と言い切れる根拠が不足しています。

副作用と注意点

  • 魚油由来のオメガ3は、下痢や上部消化管症状(げっぷ、胃部不快感など)が増えるというデータがあります。IBS(特に下痢型)の方では症状悪化につながる可能性もあるため慎重さが必要です。 [1]

IBSでまず検討される実用的アプローチ

食事・生活の見直し

  • 脂っこい食事やインスタント食品、小麦粉製品などを控えると楽になることがあります。 [3]
  • 食物繊維(特に可溶性)の取り方を調整すると、便通リズムが整いやすくなります。 [3]
  • 個々のトリガー(カフェイン、アルコール、辛味、柑橘類など)を記録して避ける食品を見つけるのも有用です。 [3]

サプリ・食品の位置づけ

  • プロバイオティクスは、腸の過敏性や運動機能の改善に役立つことがあり、IBSで試されることが多い選択肢です。 [4]
  • オメガ3は一般的な心血管リスク低減の文脈で検討されることはありますが、IBS症状改善を主目的とする推奨度は高くありません。 [1] [2]

薬物療法(必要に応じて)

  • 抗けいれん薬(鎮痙薬)は腹痛・けいれん緩和に広く使われます。 [3]
  • 整腸薬(プロバイオティクス)や下痢止め・緩下薬を症状に合わせて使い分けます。 [3] [4]
  • 心因性要因が強い場合、抗うつ薬が痛みの感受性や不安の緩和に役立つこともあります。 [4]

もしオメガ3を試すなら(安全に試すコツ)

  • 目的を「IBS治療」ではなく、総合的な健康や食事バランスの一部と位置づけるのが現実的です。
  • まずはサプリではなく、魚(例:サバ、サーモン、イワシなどの脂の多い魚)を週1〜2回から取り入れる方法がおすすめです。これは消化器への負担が比較的少なく、全体の栄養バランスにも寄与します。
  • 下痢が出やすい方や胃もたれが気になる方は、少量から開始し、症状日誌をつけて合う・合わないを確認しましょう。
  • 抗凝固薬・抗血小板薬を内服中、出血傾向がある、魚アレルギーがある場合は医師に相談のうえ検討してください。
  • サプリを使う場合は、胃腸症状(下痢、腹部不快感)が増えないかを注意深く観察し、悪化するなら中止します。 [1]

まとめ

  • 「オメガ3でIBS症状が改善する」とは言い切れません。 抗炎症作用はあるものの、IBSに対する一貫した臨床効果は確認されていません。 [2] [1]
  • まずは食事・生活調整、プロバイオティクス、必要に応じた薬物療法など、実証度の高い方法を優先するのが一般的です。 [3] [4]
  • オメガ3を取り入れるなら、食事から少量ずつ、症状を観察しながら行うのが無難です。副作用(下痢や胃部症状)が出る場合は見直しましょう。 [1]

参考になる標準的アプローチ一覧

  • 食事:脂っこい食事・加工食品を控え、可溶性食物繊維を調整、個別トリガーの回避。 [3]
  • 補助:プロバイオティクスの試用、ストレス対策や睡眠の最適化。 [4]
  • 薬:鎮痙薬、必要時の下痢止め・緩下薬、心因性要因に対する薬。 [3] [4]

症状タイプ(便秘型・下痢型・混合型)や体質により合う対策は変わるため、自分の型に合わせて組み合わせることが大切です。 [5]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefghiMaintenance of remission in inflammatory bowel disease using omega-3 fatty acids (fish oil): a systematic review and meta-analyses.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdeOmega-3 fatty acids and inflammatory bowel diseases - a systematic review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefghi자극성 장 증후군(Irritable bowel syndrome) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  4. 4.^abcdefg자극성 장 증후군(Irritable bowel syndrome) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  5. 5.^ab영남대학교병원(yumc.ac.kr)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。