
米国NIHの資料に基づく | 赤身肉の摂取は心臓病のリスクを高めるって本当ですか?
要点:
赤身肉が必ずしも強く心臓病リスクを高めるとは限りませんが、量・部位・調理法で影響が変わります。特に加工肉は心血管や糖尿病リスクの上昇と一貫して関連するため、日常的な摂取は減らしましょう。飽和脂肪と塩分を抑え、魚や豆・ナッツなどのたんぱく源へ置き換えるとリスク低下が期待できます。
赤身肉そのものが必ずしも強く心臓病リスクを高めるとは言い切れませんが、量や種類、食べ方によってはリスクが上がる可能性があります。特に加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハムなど)は一貫して心血管リスク上昇と関連し、赤身肉でも多量摂取や飽和脂肪が多い部位・調理法では注意が必要と考えられます。 [1] [2]
何がわかっているか
- 加工肉はリスク上昇が明確
大規模前向き研究をまとめた解析では、加工肉を50g/日増やすと冠動脈疾患(心筋梗塞など)のリスクが約42%高くなる関連が示されています。 [1] 同様に、糖尿病のリスクも有意に上がりました。 [1] - 非加工の赤身肉は一貫性が弱いが「安全」とは言い切れない
非加工の赤身肉(牛・豚・羊など)については、冠動脈疾患との関連は明確でない、または弱いという結果もありますが、糖尿病リスクはやや上昇するという報告があります。 [1] 追加レビューでも、非加工より加工肉の方がリスクが大きいものの、どちらも心代謝面で有利とはいえないとまとめられています。 [2]
どうしてリスクが上がるのか(考えられるメカニズム)
- 飽和脂肪とコレステロール:赤身肉の部位や調理法によっては飽和脂肪が多く、LDL(悪玉)コレステロールを押し上げ、動脈硬化を進める要因になります。一般的な食事指針では飽和脂肪を総エネルギーの10%未満、心血管病予防では5〜6%程度に抑えることが推奨されています。 [3]
- ナトリウムと保存料(加工肉):加工肉は非加工肉よりナトリウム含有量が大幅に高く、血圧上昇を通じて心疾患リスクを押し上げる可能性があります。 [2]
- ヘム鉄・糖化・酸化ストレス:赤身肉に多いヘム鉄や高温調理で生じる生成物が、インスリン抵抗性や炎症を促し、糖尿病や動脈硬化に関わる可能性が示唆されています。 [2]
どのくらい減らすと良いのか
- 「適度に減らす」ことでも恩恵
食習慣全体を見直して、加工肉・赤身肉を中等度に減らし、他の健康的な食品に置き換えると、総死亡・心血管死亡・がん死亡・2型糖尿病のリスクがそれぞれ有意に低下するという解析結果があります。心血管死亡は約14%低下というデータもあります(食事パターン全体の改善の一部として)。 [4] - 脂肪の質を改善
飽和脂肪を減らし、オリーブ油などの不飽和脂肪へ置き換えることが推奨されます。 [3] 日々の飽和脂肪の上限(例:2000kcalなら約13g)を意識すると管理しやすいです。 [5] [6]
実践のポイント(置き換えと選び方)
- 頻度と量のコントロール
- ヘルシーなたんぱく源へ置き換え
- 総合的な食事パターン
野菜、果物、全粒穀物、良質な油(オリーブ、菜種など)を増やし、甘い飲み物や精製炭水化物、トランス脂肪、加工肉を減らす食事は脂質異常の管理や心疾患予防に有用です。 [10]
早見表:赤身肉と心疾患リスクの要点
| 項目 | リスクとの関連 | 実践のコツ |
|---|---|---|
| 加工肉(ソーセージ、ベーコン等) | 心疾患・糖尿病リスクが一貫して上昇 | できるだけ控える、頻度を「たまに」へ。 [1] [2] |
| 非加工の赤身肉(牛・豚・羊) | 冠動脈疾患との関連は弱い/不一致、糖尿病はやや上昇の報告 | 部位は赤身で少量、調理は油控えめ。 [1] [2] |
| 飽和脂肪 | LDL上昇を通じて動脈硬化を促進 | エネルギーの5–10%未満に抑える、植物油へ置換。 [3] |
| ナトリウム(加工肉) | 血圧上昇→心血管リスク | 加工肉・塩分を減らす、減塩調理。 [2] |
| 置き換え食品 | 魚・豆類・ナッツ・低脂肪乳製品 | 週数回の魚、豆料理、ナッツを適量に。 [7] [8] [9] |
こんな工夫がおすすめ
- 週に1〜2回は「ミートレス」:豆カレー、豆腐ステーキ、レンズ豆サラダなどで満足感を。植物性たんぱくは脂質構成が良好で、食物繊維がコレステロール管理に寄与します。 [7] [11] [12]
- 肉を使う日は「量を半分+野菜追加」:炒め物や煮物で肉を半量にしてキノコ・豆・野菜でかさ増し。 [13]
- 調理の工夫:揚げ物より焼く・蒸す・茹でる、皮や目立つ脂を除く、塩は少なめに。 [13] [3]
まとめ
- 加工肉ははっきりリスク増、赤身肉は「ほどほど・部位と調理次第」で影響が変わるというのが現時点の全体像です。 [1] [2]
- 食事全体で飽和脂肪と塩分を抑え、魚や豆類・ナッツなどの心臓に優しいたんぱく源に置き換えると、長期的な心血管リスク低下が期待できます。 [4] [3] [7]
🙂 無理のない範囲で「加工肉を減らす」「赤身は少量・脂の少ない部位」「魚・豆を増やす」の3点から始めるのがおすすめです。 [1] [2] [7]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghiRed and processed meat consumption and risk of incident coronary heart disease, stroke, and diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghijUnprocessed red and processed meats and risk of coronary artery disease and type 2 diabetes--an updated review of the evidence.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefDietary fat: Know which to choose(mayoclinic.org)
- 4.^abDoes reduction in red meat consumption improve health?(mayoclinic.org)
- 5.^↑How to Lower Cholesterol with Diet(medlineplus.gov)
- 6.^↑How to Lower Cholesterol with Diet(medlineplus.gov)
- 7.^abcdefHeart-healthy diet: 8 steps to prevent heart disease(mayoclinic.org)
- 8.^abc8 steps to a heart-healthy diet(mayoclinic.org)
- 9.^abcHeart-healthy diet: 8 steps to prevent heart disease(mayoclinic.org)
- 10.^↑Lipid-Lowering Therapy Guidelines(ekjm.org)
- 11.^↑It's time to try meatless meals(mayoclinic.org)
- 12.^↑Meatless meals: The benefits of eating less meat(mayoclinic.org)
- 13.^abHeart disease and diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


