
PubMedの資料に基づく | 果物を毎日食べると心臓病の予防になるというのは本当ですか?
要点:
果物を毎日食べることは、心血管疾患の発症や死亡リスクの低下と関連しており、特に果物・野菜あわせて1日約5サービング(約400g)が目安です。エビデンスの多くは観察研究で因果関係はまだ限定的なため、砂糖無添加で丸ごと食べるなどの工夫をしつつ、減塩や運動など総合的な生活改善と併用するのが現実的です。
果物を毎日食べることは、心臓病(心血管疾患)リスクの低下と関連していることが多くの研究で示されており、予防に「役立つ可能性が高い」と考えられます。 [1] 果物と野菜の摂取量が多い人ほど心血管疾患の発症や死亡のリスクが低いという前向きコホート研究のメタ解析が複数あり、特に1日5サービング(約400g)前後までは摂取量が増えるほどリスクが下がる傾向が報告されています。 [2] ただし、これは主に観察研究による関連であり、介入試験(ランダム化試験)で因果関係を確定した証拠はまだ限定的という点もあわせて理解しておくとよいです。 [3]
何がどれくらい効果的?
- 大規模メタ解析では、果物と野菜の摂取が最も少ない群に比べ、最も多い群では心血管疾患のリスクが約16〜17%低いという結果が示されています。 [1] また、総死亡(あらゆる原因による死亡)や心血管死亡に関しても、1日あたりのサービング数が増えるごとにわずかずつ低下する傾向が示され、特に1日約5サービング付近で効果が頭打ちになる「しきい値」が示唆されています。 [2]
- 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)に限っても、果物・野菜の摂取量が多い人はリスクが低い傾向が確認されています。 [4]
どのくらい食べればいい?
- 国際的な推奨としては、果物と野菜を合わせて1日少なくとも約400g(=5サービング)を目安にすることが勧められています。 [5] 日常的な食事では、野菜3〜4サービング+果物1〜2サービング程度の組み合わせでも達しやすく、実生活に取り入れやすい目標です。 [6]
- 観察研究の解析では、合計で約800g/日まで摂取量が増えるほど心血管リスクが低いという用量反応関係も報告されていますが、実践面ではまず400g(5サービング)を安定して続けることが現実的です。 [1]
なぜ果物が心臓に良いと言われるのか
- 果物は食物繊維、カリウム、ポリフェノールなどを多く含み、血圧の改善、小血管機能の改善、炎症や酸化ストレスの軽減などを通じて、心血管リスクを下げうると考えられています。 [3] こうした生理作用は、心臓病の主要な危険因子(高血圧や血管機能低下)に間接的に働きかける点で合理的です。 [7]
果物の選び方と食べ方のコツ
- 砂糖添加の少ない形で摂ることが大切です。例えば、缶詰は「シロップ漬け」ではなく「果汁100%や水漬け」を選ぶと余分な糖分やカロリーを抑えられます。 [8]
- ジュースよりも「丸ごと食べる」方が食物繊維がしっかり摂れ、満足感も得やすいです。 [9] 日常では、キッチンに果物ボウルを置く、サラダに果物を加えるなど、手に取りやすい工夫が続けやすさにつながります。 [10]
注意点と限界
- 果物・野菜摂取と心疾患リスク低下の多くは観察研究の結果で、他の生活習慣(運動、体重管理、減塩、全粒穀物や魚の摂取など)と組み合わさって効果が現れている可能性があります。 [3] そのため、果物だけを増やせば十分というより、全体の食事パターン改善の一部として捉えるのが現実的です。 [7]
- ランダム化介入試験は数が限られており、血圧低下や微小血管機能の改善など中間指標の向上は示される一方で、ハードエンドポイント(発症・死亡)までの因果関係はまだ確定的ではありません。 [3]
- 糖尿病や高トリグリセリド血症がある方は、果物の種類や量、食べるタイミングに配慮が必要な場合があります(高糖度の果物を一度に大量に摂るのは避ける、食事に分散するなど)。この場合でも、砂糖添加の菓子類より、食物繊維が含まれる生の果物を適量にする方が望ましいと考えられます。 [9]
目安早見表
| 目的 | 実践の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 心血管リスク低下に向けた基本目標 | 果物+野菜で1日5サービング(約400g) | まずは毎日達成しやすい量から継続するのがコツです。 [5] [6] |
| さらなるリスク低下の余地 | 合計摂取が多いほどリスクが下がる傾向(〜800g/日で最も低い) | 実生活では5サービングを土台に増やせる範囲で。 [1] [2] |
| 選び方 | 生・冷凍、砂糖無添加、果汁や水漬けの缶詰 | シロップ漬けや砂糖添加品は控えめに。 [8] |
| 食べ方の工夫 | 丸ごと食べる、間食で置き換え、サラダに加える | 果物ボウルを見える場所に置くと続けやすいです。 [10] [9] |
まとめ
- 果物を含む果物・野菜の十分な摂取は、心臓病の発症や死亡リスクの低下と関連しており、1日5サービング(約400g)を目安にすることが妥当です。 [1] [2]
- ただし多くが観察研究のエビデンスであるため、果物だけに頼るのではなく、減塩、バランスの良い食事、運動、禁煙など総合的な生活改善と組み合わせることが現実的です。 [3] [7]
- 実践では、砂糖無添加の形で、できるだけ「丸ごと」食べること、台所に常備して手に取りやすくすることなど、続けやすい工夫がポイントです。 [10] [8] [9]
どの果物をよく食べているか、また1日のだいたいの量はどれくらいになっていますか?
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出典
- 1.^abcdeFruit and vegetable consumption and risk of cardiovascular disease: A meta-analysis of prospective cohort studies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdFruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeFruit and vegetable intake and risk of cardiovascular disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^↑Consumption of fruit and vegetable and risk of coronary heart disease: a meta-analysis of prospective cohort studies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abSuboptimal Intake of Fruits and Vegetables in Nine Selected Countries of the World Health Organization European Region(cdc.gov)
- 6.^abHeart disease and diet: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 7.^abcDietary fruits and vegetables and cardiovascular diseases risk.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcHeart-healthy diet: 8 steps to prevent heart disease(mayoclinic.org)
- 9.^abcdFood guide plate: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 10.^abcHeart-healthy diet: 8 steps to prevent heart disease(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


