
PubMedの資料に基づく | ナッツを食べると心臓病のリスクが下がるって本当ですか?
ナッツの定期的な摂取は、観察研究で冠動脈疾患や心血管死亡の低リスクと関連し、介入試験でもLDLコレステロールや総コレステロールの有意な低下が示されています。週4〜6回、1回約28gの無塩ナッツをお菓子や加工スナックの代わりに取り入れるのが目安です。食べ過ぎやアレルギーには注意しましょう。
ナッツの摂取は、心臓病(とくに冠動脈疾患・心筋梗塞)リスクの低下と関連する可能性が高いと考えられています。観察研究では、ナッツを週に複数回食べる人ほど冠動脈疾患の発症や死亡が少ない傾向が一貫して報告されています。 [1] また、ランダム化比較を含む食事介入試験の統合解析では、ナッツの摂取がLDLコレステロール(悪玉)や総コレステロールを有意に下げる効果が示されています。 [2]
期待できる効果のポイント
- LDLコレステロール低下:1日平均約67gのナッツ摂取で、LDLコレステロールが約7.4%低下しました。 [2]
- 中性脂肪の改善(対象により):もともと中性脂肪が高い人(150mg/dL以上)では、約10%の低下がみられました。 [2]
- 冠動脈疾患リスクの低下:ナッツ摂取頻度が高い人は、致死性・非致死性の冠動脈イベントが少ない傾向です。 [1] 1日1サービング増えるごとに冠動脈疾患のリスクが下がるというメタ解析結果もあります。 [3]
- 心血管死亡・全死亡の低下傾向:男性医師を対象とした前向き研究で、ナッツ摂取が多い群ほど全死亡・心血管死亡が少ない関連が示されました。 [4]
こうした効果は、ナッツに豊富な不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミンE、マグネシウム、アルギニンなどが、動脈の機能や炎症、血中脂質に良い影響を与えるためと考えられています。 [5] 一部のナッツに含まれる植物ステロールもコレステロール低下に寄与します。 [6]
どのくらい・どんな食べ方がよいか
- 目安量:成人では、週に4〜6回、無塩のナッツを1回あたり約28g(片手ひとつかみ)を食事に取り入れるのが一つの目安です。 [7] [8]
- 置き換えがカギ:お菓子や加工スナック、飽和脂肪の多い食品の代わりにナッツを選ぶと、総カロリーの過剰を防ぎつつ脂質の質を改善できます。 [9]
- 注意点:ナッツはカロリーが高いため食べ過ぎには注意し、無塩・砂糖不使用を基本にしましょう。 [9] アレルギーのある方は厳格に避けてください。
どのナッツが良いの?
結論としては、アーモンド、くるみ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ピーナッツ(豆類ですが同様の傾向)など、種類に関わらず血中脂質の改善効果は概ね似ていると報告されています。 [2] なお、くるみはオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)を比較的多く含むため、脂質の質改善に役立ちます。 [10]
研究エビデンスの要点
観察研究(人を長期間追う研究)
- ナッツ摂取と冠動脈疾患・糖尿病の発症が少ない関連が、複数の大規模コホートで確認されています。 [1] とくに致死性の冠動脈疾患では、週に4回(28g相当)増えるごとに相対リスクが約24%低下という推計が示されています。 [1]
- 全死亡・心血管死亡の低リスクとの関連も報告されています(用量反応あり)。 [4]
※観察研究は因果関係を断定できませんが、結果の一貫性と用量反応関係が見られる点は重要です。 [4] [1]
介入試験(食事を変えて比較)
- 25試験の統合解析で、ナッツ摂取はLDLコレステロール・総コレステロールの有意低下、高トリグリセリド例では中性脂肪低下を示しました。 [2]
- 効果は摂取量に応じて増大し、ベースラインのLDLが高い人やBMIが低めの人、西洋型食に近い人でより大きい傾向がありました。 [2]
実践のコツ(例)
- おやつ:無塩ミックスナッツ28gをチョコ・クッキーの代わりに。 [7]
- 朝食:オートミールやヨーグルトに砕いたアーモンドやくるみをトッピング。 [7]
- サラダ:ピスタチオやピーカンを加えてドレッシング量を減らす。 [7]
- 外食時:ナッツ入りサラダやナッツベースのサイドを選ぶと、脂肪の質が整います。 [9]
よくある疑問
-
ナッツは太らない?
量を守れば体重増加につながりにくいという報告が多く、満腹感や未吸収脂肪分、置き換え効果が背景にあります。 [11] ただし食べ過ぎればカロリー過多になるので、1日28g前後を目安にしましょう。 [7] -
どのナッツが一番?
コレステロール改善という観点では、種類間の差は大きくありません。 [2] 風味や消化のしやすさ、価格で選び、続けやすさを重視すると良いです。 [2] -
ナッツオイルでもOK?
オイルは食物繊維が含まれないため、基本はホールのナッツ(そのままのナッツ)がおすすめです。 [10]
まとめ
- ナッツを適量・継続的に摂ることは、LDLコレステロール低下などの血中脂質改善を通じて、心臓病リスクの低下に結びつく可能性があります。 [2] [1] [3]
- 週4〜6回・1回28g程度、無塩・砂糖不使用のナッツを、加工スナックや飽和脂肪の多い食品の代替として取り入れる方法が現実的で効果的です。 [7] [9]
- ただし、アレルギーや個々の健康状態により適切量は変わりうるため、持病や服薬がある方は医療者と相談しながら進めると安心です。
どのくらいの頻度と量なら、あなたの普段の食事スタイルに無理なく取り入れられそうですか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefConsumption of nuts and legumes and risk of incident ischemic heart disease, stroke, and diabetes: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghiNut consumption and blood lipid levels: a pooled analysis of 25 intervention trials.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abNut consumption in relation to cardiovascular disease risk and type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of prospective studies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcNut consumption and risk of mortality in the Physicians' Health Study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^↑How do nuts help your heart health?(mayoclinic.org)
- 6.^↑How do nuts help your heart health?(mayoclinic.org)
- 7.^abcdefHow do nuts help your heart health?(mayoclinic.org)
- 8.^↑Nuts and your heart: Eating nuts for heart health(mayoclinic.org)
- 9.^abcdNuts and your heart: Eating nuts for heart health(mayoclinic.org)
- 10.^abNuts and your heart: Eating nuts for heart health(mayoclinic.org)
- 11.^↑Nut consumption, lipids, and risk of a coronary event.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


