
PubMedの資料に基づく | 鶏肉を頻繁に食べると心疾患のリスクが高まるというのは本当ですか?
鶏肉を頻繁に食べること自体が心疾患リスクを直接高める明確な証拠は乏しく、赤身肉を皮なし鶏肉や魚、豆・ナッツに置き換えるとリスク低下が示唆されています。ただし、皮つきや揚げ調理で飽和脂肪が増えると不利になりうるため、脂肪の少ない部位を油控えめに調理し、魚や植物性たんぱくとバランス良く組み合わせるのが推奨です。
鶏肉そのものをよく食べることが、心疾患(冠動脈疾患など)のリスクを直接高めるという明確なエビデンスは現時点では限られています。むしろ、赤身肉や加工肉を鶏肉や魚、豆・ナッツなどに置き換えると、心疾患リスクが下がる可能性が示されています。 [1] 一方で、鶏肉の「皮」や高脂肪の調理法(揚げ物など)は飽和脂肪の摂取を増やし、血中LDLコレステロール(悪玉)を上げうるため、食べ方によってはリスクに影響しうる点には注意が必要です。 [2] [3]
エビデンスの要点
-
鶏肉は赤身肉と比べて相対的に有利かもしれません
大規模前向きコホートでは、赤身肉の多い食事は冠動脈疾患のリスク上昇と関連し、逆に鶏肉・魚・ナッツの摂取はリスク低下と関連しました。赤身肉1食を鶏肉1食に置き換えると、推定で約19%リスクが低い関連が示されています(多変量調整後)。 [1] -
飽和脂肪とコレステロールの関係
一般に飽和脂肪の摂りすぎは総コレステロールとLDLを上げ、心血管リスク因子に悪影響を与えます。家禽の皮つきや脂身、バターやクリームなどは飽和脂肪が多く、摂取を控えることが推奨されています。 [2] [3] その一方で、飽和脂肪と心疾患アウトカムの関連は研究によりばらつきがあり、置き換える栄養素(不飽和脂肪か精製炭水化物か)によって健康影響が異なります。 [4] [5] -
公式の生活習慣ガイドでは
心臓にやさしい食事として、皮を除いた鶏肉や魚、低脂肪乳製品、植物性たんぱく(豆・ナッツ)などが選択肢として挙げられ、飽和脂肪の多い食材や調理は控えるよう勧められています。 [6] 鶏肉でも皮や揚げ調理は避け、脂肪の少ない部位をおすすめします。 [2]
結論と実践ポイント
-
結論: 鶏肉の「適切な選び方と調理法」を前提にすれば、鶏肉を頻繁に食べることが心疾患リスクを上げるとは言い切れません。むしろ、赤身肉の代わりに皮なし鶏肉を選ぶことは、心血管リスク低減につながる可能性があります。 [1] ただし、皮つき・揚げ物・高脂肪ソースは飽和脂肪を増やしうるため控えめにしましょう。 [2] [3]
-
おすすめの食べ方:
-
魚も取り入れる: 週に2回程度、特にサーモンなど脂ののった魚(オメガ3脂肪酸が豊富)を組み合わせると、心血管保護の利点が期待できます。 [7] [8] 鶏肉偏重より、鶏・魚・植物性たんぱくをバランスよく回すのがコツです。 [6]
鶏肉と他のたんぱく源の比較
| 食材カテゴリー | 心血管リスクとの関連(要約) | 実践のコツ |
|---|---|---|
| 赤身肉(牛・豚) | 多いと冠動脈疾患リスク上昇と関連。 [1] | 回数や量を控え、加工肉は特に頻度を下げる。 |
| 鶏肉(家禽) | 赤身肉の代替として用いるとリスク低下の関連。 [1] | 皮なしを選ぶ、揚げ物や高脂肪ソースを控える。 [2] [3] |
| 魚 | 週2回で心血管保護が期待(特にオメガ3豊富な魚)。 [7] [8] | 焼き・蒸し中心、塩分過多の加工品は控えめに。 |
| 植物性たんぱく(豆・ナッツ) | 赤身肉の代替でリスク低下の関連。 [1] | 無塩ナッツ、小豆・大豆製品を日々の食事に。 |
よくある疑問に答えます
Q1. 鶏肉は毎日食べても大丈夫?
毎日のように鶏肉を食べる場合でも、皮なし・油控えめ調理・量を適正(1食100–120g目安)にすれば、心血管リスクを上げるとは限りません。 [2] ただし、魚や豆、ナッツ、低脂肪乳製品など他のたんぱく源と「入れ替えながら」バランスよく食べる方が望ましいです。 [6] [7]
Q2. フライドチキンはどうですか?
フライドチキンは飽和脂肪や総脂肪、塩分が増えやすく、血中脂質や血圧に不利に働きえます。頻度は控えめにし、焼き・蒸し・茹でなどを中心にしましょう。 [2]
Q3. どのくらい脂肪を気にすべき?
一般的には、飽和脂肪は総エネルギーの5–6%(目標)~10%未満が推奨の目安です。 [2] [3] 例えば1日2000kcalなら飽和脂肪由来は約110kcal(約12g)程度に抑えるイメージです。 [3]
食生活の全体像が大切
心疾患リスクは、食事全体(脂質の質、ナトリウム、食物繊維、果物・野菜の摂取)、運動、喫煙、体重管理、血圧・血糖・脂質のコントロールの積み重ねで決まります。鶏肉単体ではなく、食生活のバランスと生活習慣全体を整えることが一番の近道です。 [9] また、コレステロール検査(脂質検査)は定期的に行い、自分のリスクに合わせて頻度を相談すると安心です(一般に成人は4–6年ごとが目安)。 [10]
さいごに
- 鶏肉=リスク上昇というシンプルな図式は支持されていません。皮なし・油控えめで、赤身肉の代替として活用すると、心疾患リスクに有利な可能性が示されています。 [1]
- ただし、皮つきや揚げ物は飽和脂肪が増えるため頻度を抑えましょう。 [2] [3]
- 魚や植物性たんぱくとローテーションし、野菜・全粒穀物を組み合わせる食事が心臓に優しい選択です。 [6] [7] [8]
もし普段の食べ方(部位・調理法・量)を教えていただければ、より具体的な工夫点をご提案できます。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgMajor dietary protein sources and risk of coronary heart disease in women.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghijkDietary fat: Know which to choose(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefgSaturated fat: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 4.^↑Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^↑Reappraisal of SFA and cardiovascular risk.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdeHeart-healthy diet: 8 steps to prevent heart disease(mayoclinic.org)
- 7.^abcdHow eating fish helps your heart(mayoclinic.org)
- 8.^abcOmega-3 in fish: How eating fish helps your heart(mayoclinic.org)
- 9.^↑Preventing Heart Disease(cdc.gov)
- 10.^↑Testing for Cholesterol(cdc.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


