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2026年2月18日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 辛い食べ物を食べると橋本病(橋本甲状腺炎)が悪化するって本当ですか?

要点:

辛い食べ物が橋本病(橋本甲状腺炎)を直接悪化させる確かな根拠はありません。食事で重要なのはヨウ素の過剰摂取を避け、レボチロキシンは空腹時に単独で服用し、鉄・カルシウム・大豆などは4時間あけることです。胃腸や睡眠に影響がある場合は辛さや量・タイミングを調整しましょう。

辛い食べ物そのものが橋本病(橋本甲状腺炎)を直接悪化させるという科学的根拠は、現時点では確認されていません。一般的には、唐辛子成分(カプサイシン)やスパイスが甲状腺の自己免疫反応や甲状腺機能を悪化させるといった明確なデータはなく、橋本病の主要な食事上の注意点は「ヨウ素の過剰摂取」と「レボチロキシン(甲状腺ホルモン薬)の吸収を妨げる食品・サプリの同時摂取」を避けることです。 [1] [2]


橋本病と食事の基本ポイント

  • ヨウ素のとり過ぎは注意
    橋本病やほかの自己免疫性甲状腺疾患では、体質によってヨウ素過剰が症状や炎症に影響することがあります。海藻類(昆布・わかめ・のり等)やヨウ素を多く含むサプリの過剰摂取は控えめにするのが無難です。 [1]
    一般に、日常のバランスのよい食事で必要なヨウ素量(成人の推奨量)を大幅に超える必要はありません。 [3]

  • 甲状腺ホルモン薬の飲み方
    レボチロキシン(チラーヂンなど)を内服中なら、食事・一部の食品やサプリが吸収を妨げるため、空腹時(食前30~60分)に単独で内服し、鉄剤・カルシウム・大豆製品・高食物繊維などは少なくとも4時間あけるのが一般的です。 [2] [4]
    同時摂取により吸収が不安定になると、甲状腺機能のコントロールが乱れる可能性があります。 [2] [4]

  • 辛い物の位置づけ
    唐辛子の辛味成分カプサイシンには、実験・基礎研究で抗炎症や消化機能への有益な作用が示された報告もありますが、甲状腺の自己免疫を悪化させるというヒトでの確立した報告はありません。
    一方で、胃腸が弱い方では辛い物で胃痛・逆流が増え、睡眠質が落ちるなど、間接的に体調不良を招く可能性はあります。体調が揺らぐと「だるさ・冷え」など甲状腺機能低下と紛らわしい症状が強まることがあるため、自分の体調に合わせて摂取量を調整しましょう。


科学的にわかっている「悪化要因」

  • ヨウ素の過剰摂取
    自己免疫性甲状腺炎では、遺伝的素因のある人でヨウ素の過剰摂取が炎症を誘発・増悪させる可能性が最もよく知られています。昆布だしの多用や海藻サプリの常用、造影剤・うがい薬などヨウ素含有製品の多用は慎重にしましょう。 [1] [5] [6]

  • 薬剤・サプリ・食品との相互作用(レボチロキシン服用時)
    大豆製品・高食物繊維・鉄やカルシウムのサプリ、コレステロール薬の一部、制酸薬の一部などはレボチロキシンの吸収に影響します。服用は空腹時、干渉しうるものは4時間以上あけるのが推奨されます。 [2] [4]

  • 喫煙・感染症・放射線被曝・一部薬剤など環境因子
    橋本病の発症・経過には感染、放射線、薬剤、喫煙など複数の環境因子も関与しうると考えられています。食事要因ではヨウ素が最も確立しています。 [7] [1]


辛い食べ物はどの程度ならOK?

  • 量とタイミングを工夫

    • 甲状腺ホルモン薬を内服しているなら、薬は朝の空腹時に単独で、辛い食事は服用から4時間以上あけると安心です。 [2] [4]
    • 胃腸症状や睡眠への影響がある場合は、頻度や辛さのレベルを下げる、就寝3~4時間前は避けるなどの工夫を。
  • 個人差を尊重
    辛い物で体調が崩れる人もいれば、問題なく楽しめる人もいます。「自分のからだの反応」を基準に、無理のない範囲で取り入れてください。


よくある誤解への回答

  • 「辛い物は甲状腺を刺激して炎症を悪化させる?」
    → 現時点で、辛い物が橋本病の炎症を直接悪化させるという医学的根拠は不十分です。一方で、ヨウ素過剰は注意が必要です。 [1] [5]

  • 「海藻は健康に良いからたくさん食べても大丈夫?」
    → 海藻は栄養価が高い一方でヨウ素含有量が非常に多いものがあります。継続的な大量摂取は避け、日常食では摂り過ぎないようにしましょう。 [3]

  • 「豆乳や納豆はダメ?」(ホルモン薬内服中)
    → 大豆製品は薬の吸収を下げる可能性があります。薬と同時は避け、数時間あければ日常的な摂取は可能です。 [2] [4]


実践のチェックリスト ✅

  • 甲状腺ホルモン薬を飲んでいる場合は、毎朝空腹時に単独で。鉄・カルシウム・大豆・高繊維は4時間後に。 [2] [4]
  • 海藻・昆布だし・ヨウ素サプリの摂り過ぎに注意。日常的な大量摂取は控える。 [1] [3]
  • 辛い物は体調と相談して適量に。胃腸症状や睡眠の質が落ちるなら頻度や量を調整。
  • 不調が続く場合は、TSH・FT4などの定期チェックで薬の量やコントロールを確認。

まとめ

  • 辛い食べ物が橋本病を直接悪化させるエビデンスは乏しく、基本的には「個人の耐性に合わせて適量ならOK」と考えられます。
  • 食事で重要なのは、ヨウ素のとり過ぎに注意し、甲状腺ホルモン薬の吸収を妨げる食品・サプリとの時間を十分あけることです。 [1] [2] [4]
  • 日々の体調や検査値を見ながら、無理なく続けられる食習慣を目指しましょう。

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出典

  1. 1.^abcdefgHypothyroidism(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcdefghHashimoto's disease-Hashimoto's disease - Diagnosis & treatment - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  3. 3.^abc갑상선기능저하증 | 식사요법 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  4. 4.^abcdefgHashimoto's disease-Hashimoto's disease - Diagnosis & treatment - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  5. 5.^abHyperthyroidism: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  6. 6.^Hyperthyroidism(medlineplus.gov)
  7. 7.^Hashimoto's disease: MedlinePlus Genetics(medlineplus.gov)

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