
PubMedの資料に基づく | 橋本病の人は魚(特に海水魚)を食べると病状が悪化するというのは本当ですか?
要点:
橋本病で海水魚を食べると必ず悪化するわけではなく、問題は魚そのものよりヨウ素の過剰摂取です。海藻や昆布だし、貝類・甲殻類、加工魚介でヨウ素が多くなりやすいため量と頻度の管理が重要です。適量の魚は栄養的利点があり、淡水魚や非魚介だしへの置換などでバランスを取り、検査値を見ながら調整しましょう。
橋本病の方が「海水魚を食べると病状が悪化する」という考えは、必ずしも一律に当てはまるわけではありません。一般的には、魚そのものが原因というより、ヨウ素(ヨード)を過剰にとることが一部の人で甲状腺の自己免疫や機能に悪影響を及ぼしうる点が重要です。海水魚や海藻、甲殻類、魚介のだしなどはヨウ素が多いことがあるため、摂取量が多くなると影響が出る可能性があります。 [1] [2] [3] [4]
ポイントの整理
- 直接の犯人は「魚」ではなく“ヨウ素の過剰”の可能性があります。海産物や海藻はヨウ素が豊富で、摂り過ぎると自己免疫性甲状腺炎(橋本病)や甲状腺機能異常のリスクが上がることが報告されています。 [1] [2] [3]
- 橋本病の背景には遺伝素因があり、過剰なヨウ素摂取が引き金(トリガー)の一つになりうると考えられています。 [5] [6]
- 一方で、適量の魚は良質なたんぱく質やDHA/EPAなどの栄養源で、過度に避ける必要は通常ありません。問題は「頻度・量・調理法(だし・加工)などによりヨウ素が過剰にならないか」です。 [1]
ヨウ素と橋本病の関係
- 橋本病(自己免疫性甲状腺炎)は、遺伝的素因に加え、過剰ヨウ素、妊娠・産後、薬剤、放射線などが発症・増悪のきっかけになりうるとされています。 [5] [6]
- 人口集団研究では、尿中ヨウ素が「十分以上」~「過剰」レベルの地域で、潜在性甲状腺機能低下症や甲状腺抗体陽性の頻度が高いという報告があります。 [3]
- ブラジルの都市部でも、栄養性ヨウ素過剰と自己免疫性甲状腺炎・甲状腺機能異常の増加が観察されています。 [4]
- 古典的レビューや動物実験でも、過剰ヨウ素が甲状腺自己免疫を誘発・増悪しうることが示唆されています。 [2] [7]
海水魚と海藻・魚介だしの違い
- 海産物の中でも、海藻(昆布・わかめ・のり・ケルプなど)と魚介だし(魚介エキス)はヨウ素が特に多くなりやすく、低ヨウ素食が必要な場面では避ける対象になります。 [8] [9] [10]
- 低ヨウ素が求められる食事指導では、海水魚・貝類・甲殻類・缶詰の魚・寿司などは制限対象として挙げられますが、目的は「魚を避ける」よりもヨウ素負荷を抑えることです。 [10] [9]
- 一方、淡水魚は相対的にヨウ素が少ないため、低ヨウ素が必要な場合に「代替」として勧められることがあります。 [9]
どのくらい意識すべきか(一般の食生活)
- 一般的な食生活では、成人の推奨摂取量(約150μg/日)を大幅に超える過剰にならない範囲であれば、多くの方は問題なく魚を楽しめます。 [11]
- ただし、海藻を日常的に多量に摂る、昆布だしを濃く常用する、魚介の缶詰や乾物・加工食品を頻回摂取するなどは、ヨウ素過剰につながりやすいので注意が必要です。 [8] [10]
- 橋本病の方では、過剰ヨウ素は甲状腺機能低下を招きやすいため、「大盛りの海藻サラダを毎日」「昆布茶・昆布だしを多用」などは控えめにするのが無難です。 [12] [6]
レボチロキシン内服中の注意(該当する方)
- 甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)を飲んでいる場合、食事と同時摂取で吸収が落ちることがありますので、空腹時(食前30~60分)に単独服用が一般的に勧められます。 [13]
- サプリや強化塩(ヨウ素添加塩)の多用も、ヨウ素過剰の一因となり得ます。 [8]
実践のコツ
- 海の幸を完全にやめる必要は通常ありませんが、海藻類(昆布・わかめ・のり)と魚介だし・海水魚や貝類・甲殻類の「頻度・量」を控えめにすると安心です。 [8] [10]
- お刺身や焼き魚を楽しむなら、量は中等量、週の回数はほどほどにし、海藻サラダや昆布だしと「重ね食い」にならない工夫がおすすめです。 [10]
- ヨウ素負荷を抑えたい時は、淡水魚(川魚)や鶏・大豆たんぱくへの置き換えも良い選択です。 [9]
- 「体調が変わる」「TSHや抗体が上がる」などがあれば、食事内容(特にヨウ素源)を振り返り、主治医と相談しましょう。 [3] [4]
目安になる食品の考え方
- ヨウ素が多くなりやすいもの:海藻(昆布・わかめ・のり・ケルプ)、魚介のだし、海水魚・貝類・甲殻類、缶詰の魚、寿司、魚介加工品。過剰にならない範囲で頻度・量をコントロールしましょう。 [8] [10]
- 比較的安心しやすいもの:淡水魚、白身の新鮮な魚を中等量、だしは野菜だし・鶏がらなどへ一部置換。 [9]
よくある質問への回答
- Q. 海水魚は一切NG?
A. 一切NGではありません。ただし、海藻・だし・加工魚介と重なるとヨウ素が積み上がるので、「重ね食い」を避け、適量・適度な頻度にしましょう。 [10] - Q. どのくらい気をつければいい?
A. 個人差がありますが、慢性的な多量摂取を避けることが大切です。体調や血液検査(TSH、FT4、TPO抗体など)の変化に合わせ、食習慣を微調整するのが現実的です。 [3] [4]
まとめ
- 橋本病において、病状悪化の主因は「魚」というより“ヨウ素の過剰摂取”である可能性が高いです。 [6] [3]
- 海水魚や海藻・だし・魚介加工品の量と頻度を控えめにし、淡水魚や他のたんぱく源とバランスをとることが現実的な対策です。 [9] [10]
- 定期的な血液検査の結果や症状を見ながら、食事を調整していきましょう。 [3] [4]
参考の目安表(ヨウ素負荷の観点)
| カテゴリ | 含まれやすい食品 | ヨウ素の観点 | 上手なとり方の例 |
|---|---|---|---|
| 高くなりやすい | 海藻(昆布・わかめ・のり・ケルプ)、魚介だし、海水魚・貝類・甲殻類、缶詰の魚、寿司、ヨウ素添加塩 | 過剰で自己免疫・機能異常のリスク上昇に関連 | 頻度・量を控えめに、海藻・だし・加工品の重ね食いを避ける [8] [10] [3] |
| 中程度 | 一般的な焼き魚・刺身(海水魚)を中等量 | 個人差あり、総量管理がポイント | 週数回まで・一食の量は中等量、だしは薄めにする [10] |
| 低めの代替 | 淡水魚、鶏・卵白・大豆たんぱく | 比較的安心 | 淡水魚や非魚介だしの活用でバランスをとる [9] |
海産物の栄養価は高く、完全除去ではなく“賢く量を管理”することが大切です。 [1] [10]
必要に応じて、最近のTSHやFT4の値、普段の海藻・だし・魚介の頻度を教えていただければ、より具体的に調整の目安をご一緒に考えられます。
関連する質問
出典
- 1.^abcdYodo en la dieta: MedlinePlus enciclopedia médica(medlineplus.gov)
- 2.^abcThe relationship between autoimmune thyroid disease and iodine intake: a review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghMore than adequate iodine intake may increase subclinical hypothyroidism and autoimmune thyroiditis: a cross-sectional study based on two Chinese communities with different iodine intake levels.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdeThyroid and the environment: exposure to excessive nutritional iodine increases the prevalence of thyroid disorders in Sao Paulo, Brazil.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abHashimoto's disease: MedlinePlus Genetics(medlineplus.gov)
- 6.^abcdEnvironmental factors and autoimmune thyroiditis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Autoimmune thyroid disease: immunological, pathological, and clinical aspects.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdefLow-Iodine Diet(mskcc.org)
- 9.^abcdefgLow-Iodine Diet(mskcc.org)
- 10.^abcdefghijkLow-Iodine Diet(mskcc.org)
- 11.^↑갑상선기능저하증 | 식사요법 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 12.^↑일상생활을 위협하는 갑상선기능저하증 [건강플러스] | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 13.^↑하시모토병(자가면역갑상선염) [Hashimoto disease] | 건강정보(health.severance.healthcare)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


