Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | 牛乳を毎日飲むと脂肪肝のリスクが高まるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 牛乳を毎日飲むと脂肪肝のリスクが高まるというのは本当ですか?

要点:

牛乳を毎日飲むこと自体が脂肪肝リスクを高める明確な証拠は限定的です。重要なのは総カロリー過多や糖質・脂質の質の管理です。全脂肪乳の大量摂取は避け、低脂肪乳を適量にし、地中海食など食事全体の改善を優先しましょう。

毎日牛乳を飲むこと自体が直ちに脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)のリスクを高めるという明確な証拠は、現時点では限られています。脂肪肝の主な要因は「総カロリー過多」「肥満・内臓脂肪」「2型糖尿病や高トリグリセリド血症」などであり、特定の食品単独よりも食事全体の質とエネルギーバランスがより重要です。 [1] [2]


脂肪肝の主要リスクと食事の位置づけ

  • 主要リスク:肥満、2型糖尿病・前糖尿病、血中脂質異常、加齢、民族的背景などが知られています。これらの背景があると脂肪肝は増えやすくなります。 [1] [2]
  • 食事全体の影響:脂肪肝は、短期間でも「カロリー過多」で肝内脂肪が増え、「カロリー制限」で減ることが示されています。つまり、量(エネルギー過多)が直接的に肝脂肪に作用します。 [3] [4]
  • “西洋型”食パターン:加工肉・精製穀類・砂糖の多い飲食などを特徴とするパターンは、脂肪肝と関連します。一方、地中海食パターンは肝脂肪の改善に役立つ可能性があります。 [5] [6]

牛乳・乳製品と脂肪肝:何がわかっている?

  • エビデンスの全体像:乳製品そのもの(特に牛乳)摂取とNAFLDリスクを直接結びつける大規模な前向き研究やメタ解析は乏しく、結論は限定的です。現時点では「牛乳=脂肪肝を増やす」という因果を裏づける強いデータは不足しています。
  • 乳脂肪の観点:観察研究では、乳脂肪のバイオマーカー(奇数鎖脂肪酸15:0・17:0やtrans-16:1n-7)が高いほど、肝脂肪や血糖の指標がむしろ良好な関連を示した報告もあり、一概に乳脂肪が不利とは言えません(交絡・逆因果の可能性あり)。 [7]
  • 飽和脂肪の一般的知見:飽和脂肪酸の多い食事は血中LDLコレステロールを上げやすく、心血管リスクに影響します。全脂肪の乳製品の摂り過ぎは総カロリー・飽和脂肪過多につながりやすいため、適量が望ましいです。 [8] [9]

脂肪肝と「砂糖・脂質・カロリー」の関係

  • カロリー過多が最重要:短期間の過剰摂取で肝脂肪は増加、カロリー制限で減少します。牛乳も含め、飲み物・間食での“知らないうちのカロリー”に注意が必要です。 [3] [4]
  • 糖質の質:果糖(フルクトース)や単純糖質の過剰摂取は肝脂肪・インスリン抵抗性と関連しやすいと報告されています。加糖飲料や菓子類の見直しは優先度が高いです。 [3] [4]
  • 脂質の質:飽和脂肪・トランス脂肪は不利、n-3(オメガ3)や一価不飽和脂肪は有利の可能性。バターや加工菓子より、魚・ナッツ・オリーブ油などへ置換が勧められます。 [3]

牛乳の実用的な飲み方ガイド

  • 適量の目安:1日1杯(200 ml前後)程度なら、バランスのとれた食事の中で問題にならないことが多いです。特に全体のカロリーや飽和脂肪のトータルが過剰でないことが大切です。
  • 脂肪分の選択:コレステロールや飽和脂肪の観点では、低脂肪(1–2%)や無脂肪乳がより無難です。全脂肪乳ばかりだと飽和脂肪の取り過ぎになりやすい点に注意しましょう。 [8] [9]
  • 飲むタイミング:おやつとして牛乳を取り入れるなら、加糖スイーツやジュースの代替にして総カロリーと砂糖量を抑えるのがコツです。同じカロリーでもタンパク質の満腹感は高めやすいです。
  • 乳糖不耐・体質に配慮:お腹が張る・下痢が出る場合は、無乳糖乳やヨーグルト、硬質チーズなどに置き換えると続けやすいです。

脂肪肝予防・改善の食事戦略(牛乳を含めた全体最適)

  • エネルギーバランス:体重・腹囲の管理が肝脂肪に直結します。地中海食寄り(野菜・果物・豆類・全粒穀物・魚・良質の油)のパターンは有望です。 [6]
  • 糖質の質と量:加糖飲料・菓子・精製穀類の過剰を減らし、食物繊維の多い炭水化物へ置換しましょう。果糖の多い飲み物を控えることは特に有効です。 [3] [4]
  • 脂質の質改善:飽和脂肪(バター、生クリームたっぷりの菓子、脂身)の比率を下げ、魚由来のn-3やオリーブ油を増やすのがおすすめです。 [3]
  • タンパク質源の多様化:魚、豆類、低脂肪乳製品などを組み合わせ、赤身肉や加工肉の頻度を抑えると、総カロリーや飽和脂肪の管理に役立ちます。 [5]

乳製品は肝疾患食の“禁止食品”ではない

一般的な肝疾患向けの食事例では、牛乳や乳製品はむしろたんぱく源として適量を含めることが示されることがあります(個々の病状での調整は必要)。特定の食品を広く禁じるのではなく、全体のバランス・量の管理が重視されます。 [10] [11] [12]


まとめ

  • 「牛乳を毎日飲む=脂肪肝が増える」とは言い切れません。 現時点の人データでは、脂肪肝の発症・悪化に最も関わるのは「総カロリー過多」「肥満・内臓脂肪」「糖質の質(特に果糖・単純糖質)」「脂質の質」であり、牛乳単独の影響は限定的と考えられます。 [3] [4]
  • ただし、全脂肪乳の大量摂取は飽和脂肪とカロリー過多につながる可能性があり、低脂肪乳にする・量を適量にする・他の食事で飽和脂肪と砂糖を抑えるといった調整が現実的です。 [8] [9]
  • 脂肪肝対策としては、体重・腹囲の管理、加糖飲料の削減、地中海食パターンの実践、適度な運動が、牛乳の可否より重要度が高いポイントです。 [5] [6]

よくある疑問Q&A

  • Q. 砂糖入りのカフェラテはどうですか?
    A. 加糖シロップで果糖・砂糖が増えやすく、カロリーもかさみます。 砂糖の量を減らす・無糖を選ぶ・サイズを小さくするのが良いです。 [3] [4]

  • Q. ヨーグルトはOK?
    A. プレーン(無糖)を選べばタンパク質源として有用です。加糖タイプは砂糖量に注意し、果物やナッツを少量添えるとバランスが良いです。 [3] [4]

  • Q. 1日どのくらいなら安心?
    A. 食事全体のカロリーと飽和脂肪の上限内で、200 ml程度の低脂肪乳1杯は多くの人で許容範囲と考えられます。心血管リスクの高い人は、低脂肪・無脂肪をまず検討しましょう。 [8] [9]


参考の比較表

項目全脂肪乳(3.5%)低脂肪乳(1–2%)無脂肪乳
カロリー/200 mlの目安高め中程度低め
飽和脂肪の量多い中程度ごく少ない
満腹感やや高い中程度低め
脂肪肝対策での使い分け量を控えめに多くの人で無難カロリー・飽和脂肪管理に最適

ポイント:飽和脂肪と総カロリーの管理が核であり、低脂肪・無脂肪乳はその助けになります。 [8] [9]


実践チェックリスト(今日からできること)

  • 🥛 牛乳は低脂肪/無脂肪を基本に、1日200 ml前後を目安にする
  • 🧋 牛乳由来よりも、加糖飲料・スイーツの砂糖とカロリーを優先的に削減する [3] [4]
  • 🥗 野菜・豆・魚・全粒穀物・良質の油を増やし、地中海食寄りの構成にする [6]
  • 🏃‍♀️ 週合計150分以上の有酸素活動+レジスタンス運動を組み合わせ、体重・腹囲を徐々に減らす
  • 🩺 糖尿病や脂質異常があれば、医療者と連携して総合管理する [1] [2]

必要であれば、現在の飲食パターンと体重・腹囲・血液検査(脂質、肝機能、血糖)から、牛乳の適量と種類(低脂肪/無脂肪等)を個別に設計することもできます。

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcFatty Liver Disease(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcNonalcoholic fatty liver disease - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdefghijImplications of diet on nonalcoholic fatty liver disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefghNutritional modulation of nonalcoholic fatty liver disease and insulin resistance: human data.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcThe Western dietary pattern is prospectively associated with nonalcoholic fatty liver disease in adolescence.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdDietary patterns and fatty liver disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Dairy fat intake is associated with glucose tolerance, hepatic and systemic insulin sensitivity, and liver fat but not β-cell function in humans.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdeLearn the facts about fat(mayoclinic.org)
  9. 9.^abcdeGrasa saturada: MedlinePlus enciclopedia médica(medlineplus.gov)
  10. 10.^Diet - liver disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  11. 11.^Diet - liver disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  12. 12.^Diet - liver disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)

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