
PubMedの資料に基づく | 喫煙は脂肪肝の発症や進行リスクを高めるというのは本当ですか?
喫煙は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)の発症・進行リスクを高める可能性が高いと示されています。重喫煙や受動喫煙でNAFLDの有病率や線維化進行が増え、肝細胞癌リスクや肝疾患の転帰悪化とも関連します。予防・進行抑制のため禁煙が強く推奨されます。
喫煙は脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD/NASH)の発症や進行リスクを高める可能性が高いと考えられています。特に「重喫煙(本数・年数が多い)」ではNAFLDの有病率上昇や線維化の進行と関連が報告され、受動喫煙でもリスク増加が示唆されています。 [1] また、喫煙は脂肪肝から肝硬変や肝細胞癌に進む流れを悪化させる要因のひとつとみなされており、肝疾患全体の転帰を悪くする可能性があります。 [2]
喫煙と脂肪肝:どんなエビデンスがあるか
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🧪 有病率の増加
中国・地域住民約8,500人の横断研究では、非喫煙者に比べて「元喫煙者」と「重喫煙者(1日40本以上)」でNAFLDの有病率が高く、重喫煙者のオッズ比は2.29でした。 [1] さらに、体格(BMI)と喫煙が相乗的に働き、肥満+喫煙ではNAFLDのリスクが大きく跳ね上がる所見が示されました。 [1] -
🧪 受動喫煙の影響
非喫煙女性でも、子ども時代と成人期の両方で受動喫煙にさらされた人は、NAFLDのリスクが約25%高いという関連が報告されています。 [1] -
🧪 病期進行(線維化)の悪化
米国多施設コホート(生検を伴うNASH/NAFLD 1,091例)では、「10 pack-years(1日1箱×10年相当)以上の喫煙歴」がある人は、進行線維化(F3–F4)と有意に関連(調整後OR 1.63)しました。 [3] 特に糖尿病のない人ではこの関連がより強く(OR 2.48)、喫煙がインスリン抵抗性を介してNAFLDの線維化を進める可能性が考えられています。 [3] -
🧪 肝疾患全体への影響
臨床データの総合から、喫煙は脂肪肝の発症・重症化、線維化の進行、肝細胞癌の発生リスク、進行肝疾患の転帰悪化に負の影響を与えると考えられています。 [2]
どうして喫煙で肝臓が悪くなるのか(考えられている仕組み)
- インスリン抵抗性の悪化:血糖・脂質代謝が崩れ、肝臓に脂肪がたまりやすくなります。 [3]
- 酸化ストレスと炎症:煙成分が肝細胞を傷つけ、炎症反応を促し、線維化(肝臓が硬くなる)を進めます。 [2]
- 発癌促進の関与:長期的には肝細胞癌のリスク上昇につながる可能性があります。 [2]
肝がん(肝細胞癌)との関係
- 脂肪肝(特にNASH)や肝硬変は肝細胞癌の土台になりやすく、喫煙は肝細胞癌の潜在的リスク因子として挙げられています。 [4] 脂肪肝の負担が増えると肝がんの発生も増える傾向が報告されており、生活習慣因子の是正が重要とされています。 [5]
喫煙はやめた方がよいのか
- 脂肪肝の予防・進行抑制の観点から、禁煙は強く推奨されます。 [2] とくに肥満や糖尿病、高脂血症などの代謝リスクを併せ持つ場合、喫煙との相乗効果でNAFLDが進みやすいため、禁煙の恩恵が大きいと考えられます。 [1]
他の生活対策と併せて取り組むと効果的
- 体重管理・運動:体重減少はNAFLDの改善にもっとも確実な対策で、運動と食事の見直しが基本です。 [6]
- 飲酒の抑制:アルコール性脂肪肝は禁酒で改善が可能であり、過度の飲酒は肝障害を進めます。 [7]
- 定期チェック:肥満や糖尿病がある場合は、症状がなくても定期的に肝機能や画像検査の確認が勧められます。 [8]
研究の限界と現実的なまとめ
- 研究のタイプ(横断研究や観察研究)が多く、「因果関係」を最終確定するには限界があるという点はあります。 [1] それでも、一致した傾向として、喫煙はNAFLDの有病率や線維化進行、肝疾患の転帰悪化と関連する報告が相次いでおり、臨床的には禁煙が推奨されます。 [3] [2]
参考データのハイライト
| 観点 | 主な所見 | 補足 |
|---|---|---|
| NAFLD有病率 | 重喫煙で有病率上昇(OR 2.29) | BMIと相乗効果あり [1] |
| 受動喫煙 | 非喫煙女性でNAFLDリスク約25%増 | 子ども時代+成人期の曝露 [1] |
| 線維化進行 | ≥10 pack-yearsで進行線維化と関連(OR 1.63) | 非糖尿病でOR 2.48と強い関連 [3] |
| 肝疾患全体 | 脂肪肝の重症化、線維化、肝がん、転帰悪化に負の影響 | 禁煙が広く推奨される状況 [2] |
今日からできること
- 🚭 禁煙を検討する:医療機関の禁煙外来、ニコチン代替療法、処方薬など方法はいくつもあります。禁煙は肝臓だけでなく全身の健康利益が大きいと期待できます。 [2]
- 🥗 体重管理と運動:中強度の有酸素と筋トレの組み合わせで、体脂肪・内臓脂肪を減らし肝脂肪を改善しましょう。 [6]
- 🍺 飲酒を控える:脂肪肝の型にかかわらず、多量飲酒は肝障害を悪化させます。 [7]
- 🩺 定期フォロー:肝機能検査や腹部エコーで、変化を早めに把握しましょう。 [8]
総合すると、喫煙は脂肪肝の発症や進行、さらには肝がんリスクにも不利に働く可能性が高く、禁煙は脂肪肝対策の重要な柱と考えられます。 [1] [3] [2]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghiActive smoking, passive smoking, and risk of nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD): a population-based study in China.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghiWhy you should stop smoking if you love your liver(easl.eu)
- 3.^abcdefSmoking and severity of hepatic fibrosis in nonalcoholic fatty liver disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^↑Hepatocellular Carcinoma - Symptoms, Causes, Treatment | NORD(rarediseases.org)
- 5.^↑Together for Better Liver Health: Mobilising Action for Fatty Liver Disease - An EASL event on the sidelines of WHA76(easl.eu)
- 6.^ab지방간(Fatty liver) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 7.^abFatty Liver Disease(medlineplus.gov)
- 8.^ab지방간 [Fatty liver] | 건강정보(health.severance.healthcare)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


