Medical illustration for PubMedの資料に基づく | ナッツを定期的に食べると、2型糖尿病の発症リスクが下がるというのは本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | ナッツを定期的に食べると、2型糖尿病の発症リスクが下がるというのは本当ですか?

要点:

現時点の研究では、ナッツを定期的に食べても2型糖尿病の発症を明確に低下させるとは言い切れません。一方で、心血管疾患リスクの低下や食後血糖の急上昇の緩和、糖尿病患者でのHbA1c・空腹時血糖の小幅改善などのメリットが示されています。精製炭水化物の置き換えとして、無塩ナッツを1日20〜30g程度取り入れる方法が実践的です。

ナッツをよく食べることが2型糖尿病の発症そのものをはっきり下げるとまでは言い切れない一方で、心血管疾患リスクの低下や食後血糖の急上昇を和らげるなどの健康上のメリットが示されており、糖尿病予防を目指す食事の一部として取り入れる価値は十分にあります。 [1] [2]

エビデンスの要点

  • 2型糖尿病の発症リスクとの関連

    • 複数の前向きコホート研究をまとめた解析では、ナッツ摂取と2型糖尿病発症の関連は「有意ではない」または体格(BMI)で調整すると効果が弱まる、という結果が報告されています。極端に多い群と少ない群の比較では有意差なし、1日1食分の増加あたりのリスク低下もBMI調整で消失しています。 [1]
    • 一方、別の総合解析では、観察研究のデータに基づき、ナッツ摂取が糖尿病発症と逆相関を示す可能性が示唆されていますが、研究間のばらつきや交絡の影響を受けうることが指摘されています。 [3]
    • さらに、前向き研究を統合した別のメタ解析では、高頻度のナッツ摂取と糖尿病リスクに明確な関連は認めないという結論もあります。 [4] [5]
  • 血糖コントロール(すでに糖尿病がある人)

    • ランダム化比較試験をまとめた解析では、1日あたり中位56g程度の木の実(アーモンド、クルミ、ピスタチオなど)を用いた食事が、HbA1cをわずかに低下(約0.07%)、空腹時血糖も小幅低下させると報告されています。効果は小さいものの、方向性としては有益です。 [2]
    • ただし、長期の優れた質の試験が不足しており、どの程度の期間・量で持続的な効果が出るかは今後の検証が必要とされています。 [2]
  • 心血管疾患・死亡リスク

    • ナッツ摂取は、虚血性心疾患や全心血管疾患、全死亡の低下と一貫して関連することが報告されています。これは糖尿病の予防・管理においても重要な付随利益です。 [1]

なぜ「発症リスク低下」と言い切れないのか

  • 観察研究では、ナッツをよく食べる人は同時に体重管理や運動、他の食事選択も良好な傾向があり、交絡因子(とくにBMI)が影響します。BMIで調整すると糖尿病発症との関連が弱まるのはその一例です。 [1]
  • 研究間の対象集団、評価方法、ナッツの種類・量、追跡期間に差があり、結果の一貫性に限界があります。 [3] [4]

実践的な使い方のポイント

  • 置き換えがカギ
    • ナッツは脂質が多めですが、精製炭水化物(白いパン、菓子、スナックなど)をナッツに置き換えると、食後血糖の急上昇を抑えやすくなります。これは急性試験でも示される生理的効果です。 [6]
  • 目安量と頻度
    • 1回20〜30g(手のひら1杯弱)を目安に、週に数回〜毎日少量を継続する方法が取り入れやすいです。心血管の予防効果は比較的安定して報告されており、食事全体の質改善に役立ちます。 [1]
  • 種類の選び方
    • アーモンド、クルミ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツなどの無塩・無糖タイプがおすすめです(蜂蜜がけや砂糖添加、塩分多めは控えめに)。木の実全般の試験が多く、特定の一種類だけが特別優れていると断定はしづらいです。 [2]
  • 体重管理との両立
    • カロリーは高めなので、間食の置き換えや料理のトッピングとして使い、食べ過ぎない工夫が大切です。BMIの上昇は糖尿病リスクに直結するため、総エネルギーのバランスに注意しましょう。 [1]

まとめ

  • 現時点の総合的な研究では、ナッツの定期的摂取が2型糖尿病の発症を明確に下げるとまでは言い切れません。 [1] [4]
  • それでも、心血管保護効果や食後血糖の緩和、糖尿病のある人でのHbA1c・空腹時血糖のわずかな改善など、取り入れるメリットは期待できます。 [1] [2] [6]
  • 糖尿病予防・管理の基本は、体重管理、バランスの良い食事、身体活動の継続です。ナッツはその中で、精製炭水化物の置き換えとして賢く使うとよい選択になりえます。 [1] [2]

よくある質問への簡潔回答

  • どのくらい食べればいい?→1日20〜30gを目安に、間食を置き換える形がおすすめです。 [2]
  • どのナッツが良い?→アーモンド、クルミ、ピスタチオなど、無塩・無糖のミックスでOKです。特定の一種類だけが突出しているという確証は限定的です。 [2]
  • 太らない?→総量が増えれば体重は増えます。他のおやつをナッツに置き換え、量を計って食べましょう。 [1]

🍎小さな一歩として、今日の甘いおやつをひとつ減らして無塩ミックスナッツひと握りに変えてみるのはどうでしょう。 [2] [6] [1]

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出典

  1. 1.^abcdefghijkNut consumption and risk of type 2 diabetes, cardiovascular disease, and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghiEffect of tree nuts on glycemic control in diabetes: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled dietary trials.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abConsumption of nuts and legumes and risk of incident ischemic heart disease, stroke, and diabetes: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcMeta-analysis of prospective studies on the effects of nut consumption on hypertension and type 2 diabetes mellitus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^Nut consumption and risk of type 2 diabetes, cardiovascular disease, and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcPossible benefit of nuts in type 2 diabetes.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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