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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 卵を毎日食べると糖尿病の発症リスクが高まるというのは本当ですか?

要点:

毎日卵を食べることが直ちに糖尿病の原因とは言えませんが、観察研究では1日1個以上の卵摂取と2型糖尿病発症の関連が示唆されています。一方、エネルギー制限や栄養バランスが整った食事の中では、卵を含めても代謝指標が悪化しない報告があります。重要なのは卵の数より、食事全体の質・量や体重管理・運動といった生活習慣です。

卵を毎日食べることが直ちに糖尿病の原因になるとまでは言い切れませんが、観察研究の一部では「高頻度の卵摂取(例:1日1個相当)」と「2型糖尿病の発症リスク上昇」の関連が示されています。 [1] 一方で、体重管理や全体の食事パターンを整えた介入試験では、卵を含めても血糖や脂質が改善した例も報告されています。 [2] つまり、卵そのものよりも“食べ方(量・調理法・一緒に食べる食品)”や“生活習慣全体”の影響が大きいと考えられます。 [2]


研究で示されたこと

  • 観察研究(コホート)のメタ解析では、最も多く卵を食べる群(1日1個以上)で、最も少ない群(週1個未満)に比べ、2型糖尿病の発症がやや多いという結果が示されました。 [1] 心血管病全体のリスクは有意に増えていませんが、糖尿病の新規発症に関しては関連が見られたというのが要点です。 [1]

  • 大規模前向き研究では、週7個以上の卵摂取が、男女ともに2型糖尿病リスクの上昇と関連したと報告されています(用量反応的に増加)。 [3] ただし、こうした研究は“観察研究”であるため、卵以外の食事(ベーコン、ハム、精製炭水化物、甘味飲料など)や生活習慣の影響を完全には除ききれない点に注意が必要です。 [1]

  • 介入研究(食事をコントロールした試験)では、エネルギー制限と高たんぱくの食事の中で、1日2個の卵を組み込んでもHbA1cや血糖、トリグリセリド、血圧などが改善し、LDLコレステロールも増えませんでした。 [2] 中程度の炭水化物制限と減量に取り組んだ環境では、卵を3個/日含めても炎症マーカーがむしろ改善した報告もあります。 [4]


なぜ結果が分かれるのか

  • 交絡(こうらく)の影響:卵をよく食べる人が同時に、加工肉、飽和脂肪、精製炭水化物、カロリー過多など“他の要因”を取りやすい可能性があります。 [1] こうした要因は糖尿病リスクを上げるため、卵そのものの影響と混ざって見えることがあります。 [1]

  • 食事パターンの違い:地中海食や和食スタイルの中での卵と、朝食の加工肉・精製パンとセットの卵では、代謝への影響が異なる可能性があります。 [1]

  • 介入の有無:介入研究では、カロリー制限・たんぱく質比率・炭水化物量・体重変化などが管理され、全体としての代謝を改善する設計になっているため、卵の潜在的な不利益が相殺されやすい構図です。 [2] [4]


どのくらいなら安全と言えるのか

  • 一般的な心血管の観点では、健康な人の多くは週7個程度までの卵で心疾患リスクの増加はみられないとする解釈があります。 [5] ただし、糖尿病やその予備群では、コレステロール摂取を抑える食事目標(1日200mg程度)を提案されることがあり、卵黄の量には配慮が望まれます。 [6]

  • 観察研究の結果をふまえると、毎日1個(週7個)以上の習慣は、糖尿病発症リスクとの関連が示唆されています。 [1] 一方で、週に数個(例:3〜6個)で、かつ野菜・全粒穀物・豆・魚・良質の脂質を中心にし、加工肉や精製糖質を控える食事パターンなら、リスクは抑えられる可能性があります。 [1]


実践のポイント

  • 量と頻度:毎日1個より、週に3〜6個程度に調整する方法もあります(個人差あり)。 [1]

  • 調理法:バター・ベーコン・ソーセージと一緒にするより、オリーブオイル、野菜、全粒トーストや豆類と組み合わせるとバランスが良くなります。 [1]

  • 全体のコレステロール管理:卵黄はコレステロールが多いので、卵黄の数を控えつつ、卵白を活用するのも一案です(1日のコレステロール目標200mgを目安に医療者と調整)。 [6]

  • 体重・運動:体重管理、有酸素運動・レジスタンス運動は糖代謝の改善に強力です。卵の可否よりも、総カロリー・栄養バランス・身体活動が糖尿病予防に与える影響は大きいです。 [2]


すでに糖尿病や予備群の方へ

  • 糖尿病の方では、卵摂取が心血管リスクと関連した観察研究があり、食事のコレステロールや飽和脂肪の総量を控えめにする配慮が一般的にすすめられます。 [1] ただし、介入研究では体重管理の枠組みで卵を含めても代謝が改善した例があるため、主治医・管理栄養士と相談し、全体の食事パターンの中で安全域を決めるのが現実的です。 [2]

まとめ

  • 毎日の卵=必ず糖尿病になる、というわけではありません。 [2] しかし、高頻度(1日1個以上)の卵摂取は、観察研究で2型糖尿病発症との関連が示唆されています。 [1]
  • 一方、エネルギー制限や栄養バランスが整った食事の中での卵は、代謝指標を悪化させない(場合によっては改善する)報告もあります。 [2]
  • 鍵は“卵の数そのもの”より、“食事全体の質と量、体重管理、運動、卵の食べ方”です。 [1] [2]

卵と糖尿病リスク:エビデンス一覧

テーマ主な内容研究デザイン示唆
高頻度の卵摂取と2型糖尿病発症1日1個以上で発症と関連メタ解析(前向きコホート)関連あり(因果は未確定) [1]
週7個以上と糖尿病発症男女ともにリスク上昇大規模前向き研究用量反応的な関連 [3]
卵を含むエネルギー制限・高たんぱくHbA1cや血糖・脂質・血圧が改善、LDLは増えずランダム化介入試験体重管理下では不利益みられず [2]
卵3個/日+中等度炭水化物制限体組成改善、炎症マーカー低下(TNF-α等)ランダム化試験代謝・炎症に好影響の可能性 [4]
糖尿病の方の心血管リスク卵摂取と関連を示唆メタ解析(観察研究)糖尿病合併の心血管に注意 [1]
糖尿病向け食事のコレステロール目安1日200mg程度を提案される場合ありクリニカルガイダンス卵黄の頻度調整が有用 [6]

迷ったときの目安

  • 現在健康で体重・血糖とも安定している方は、週3〜6個、野菜や全粒穀物と組み合わせる使い方をまず試す。 [1]
  • 糖尿病または予備群の方は、卵黄の数を控えめにし(例:1回1個まで、週2〜3回から)、卵白を活用する、加工肉を避ける、総カロリーと炭水化物の質を見直す。 [6]
  • 状況に応じて、HbA1c、空腹時血糖、脂質(LDL-C、非HDL-C)を定期的に確認し、主治医や管理栄養士と“自分に合う上限”を調整しましょう。 [2]

😊無理なく続けられる形で、卵の頻度・組み合わせ・全体の食事バランスを一緒に最適化していきましょう。

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopqEgg consumption in relation to risk of cardiovascular disease and diabetes: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghijkEgg consumption as part of an energy-restricted high-protein diet improves blood lipid and blood glucose profiles in individuals with type 2 diabetes.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abEgg consumption and risk of type 2 diabetes in men and women.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcEffects of carbohydrate restriction and dietary cholesterol provided by eggs on clinical risk factors in metabolic syndrome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^Eggs: Are they good or bad for my cholesterol?(mayoclinic.org)
  6. 6.^abcdDiabetes diet: Create your healthy-eating plan(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。