Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | 糖尿病の人は全粒粉パンなら白いパンよりも血糖値が上がりにくいって本当ですか? - Persly Health Information
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2026年2月17日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 糖尿病の人は全粒粉パンなら白いパンよりも血糖値が上がりにくいって本当ですか?

要点:

糖尿病の方では、全粒粉パンは白パンより血糖が上がりにくい傾向がありますが、必ず低くなるとは限りません。製法や種類、食べ合わせ、食べる量で血糖反応は大きく変わるため、ラベル確認(全粒粉・食物繊維3g以上)やたんぱく質・野菜との併用、自己測定で自分に合う商品と量を見つけましょう。

糖尿病の方では、全粒粉パンが白いパンよりも血糖値を上げにくい場合がありますが、「必ず低くなる」とは言い切れません。食物繊維が多い全粒粉は血糖上昇をゆるやかにしやすい一方、製法や種類、食べ合わせ、食べる量で血糖反応は大きく変わります。 [1] [2] そのため、一般的には全粒粉などの未精製の穀物を半分以上取り入れることが推奨されますが、同じ「茶色いパン」でも効果が同等とは限りません。 [1] [3]


全粒粉パンが有利と言われる理由

  • 食物繊維が多い:全粒粉には外皮や胚芽が残り、食物繊維が豊富で吸収がゆるやかになりやすいとされています。 [1] [2]
  • 血糖値の急上昇を抑えやすい:食物繊維は炭水化物の吸収速度を遅らせ、食後高血糖のピークを緩やかにしやすいと説明されています。 [1] [3]
  • 食事全体の質向上:野菜や豆類、ナッツなどの高食物繊維食品と組み合わせると、さらに血糖の安定に役立ちます。 [4] [5]

ただし「全粒粉=常に低血糖反応」ではない理由

  • パンの種類や製法で差:研究では、糖尿病の方が「白、小麦全粒、全粒系の一般的な茶色パン」を比較しても、血糖とインスリンの反応がほぼ同程度だったという結果もあります。 [6]
  • 同じ全粒でも違いがある:一部の研究では、押し出し加工(エクストルード)された全粒製品は、焼いたパンより血糖反応が高かった報告もあります。製法で反応が変わります。 [7]
  • 穀物の種類の影響:ライ麦の粗粒全粒パンのように、粒形が保たれた高繊維パンは白パンより血糖反応が低いとされた研究もある一方、別の健常者研究では差が見られない結果もあります。 [8] [9]

実生活で役立つ選び方のポイント

  • 原材料表示をチェック:最初の原材料が「全粒粉(Whole wheat/Whole grain)」で、1枚あたり食物繊維が3g以上を目安にすると、繊維による血糖安定が期待しやすいです。 [10]
  • 低GIに寄せる工夫:同じパンでも、ライ麦(特にプンパーニッケル)などは血糖ピークが低い傾向の報告があります。選べるなら、こうしたパンにすると良い場合があります。 [6]
  • 組み合わせが大事:パンだけで食べるより、たんぱく質(卵、鶏ささみ、ヨーグルト)や脂質(ナッツ、アボカド)や野菜と一緒に摂ると、血糖の上がり方がゆるやかになりやすいです。 [2] [4]
  • 量(炭水化物量)を意識:どんなパンでも量が増えるほど血糖は上がりやすいため、1食あたりの炭水化物量(例:15~45gなど個人目標)を意識しましょう。 [11] [2]

比較の目安(一般論)

下の表は一般的な傾向の整理です。実際の数値は商品やレシピで変わるため、あくまで方向性として参考にしてください。

項目白パン全粒粉パン
食物繊維低いことが多い [1]高いことが多い [1]
血糖の上がり方速く上がりやすい [12]ゆるやかになりやすいが例外あり [1] [6]
製法の影響影響あり(柔らかく精製が進むと上がりやすい)影響大(加工法で反応が変わる) [7]
推奨のされ方減らす方向 [3] [2]積極的に取り入れる方向(全穀物を半分以上) [1]

よくある疑問への答え

Q1. GI値はどう見れば良い?

GI(グリセミック指数)は血糖上昇の速さの目安で、白パンは高GIに分類されやすい傾向があります。中~低GIの食品を選ぶ、または高GIを低GI食と組み合わせると血糖の急上昇を抑えられます。 [12] [13] ただし、GIが同程度でも食物繊維量やたんぱく質との組み合わせで反応は変わるため、GIだけに頼りすぎないことも大切です。 [2]

Q2. 全粒粉パンに切り替える価値はある?

ありますが、「種類・製法・量・食べ合わせ」で最終的な効果が決まります。 よい全粒粉パンを適量、たんぱく質や野菜と合わせると、血糖の安定に役立つ可能性が高まります。 [1] [2] 一方で、一般に流通する“茶色いパン”の中には白パンと血糖反応がほぼ同じものもあるため、ラベル確認と実際の自己測定が重要です。 [6]

Q3. 自己モニタリングは必要?

とても有効です。同じ全粒粉パンでも人によって上がり方が違うため、血糖自己測定やCGMで食後1~2時間の血糖をチェックし、合う商品と量を見つけるのがおすすめです。これは食事療法の「個別化」に直結します。 [2] [3]


実践ステップ(今日からできる工夫)

  1. ラベル確認:最初の原材料が「全粒粉」、1枚あたり食物繊維3g以上を目安に。 [10]
  2. 組み合わせ:卵・ギリシャヨーグルト・ツナ・チーズ、サラダや温野菜、ナッツやアボカドをプラス。血糖の上がり方がゆるやかに。 [2] [4]
  3. 量の最適化:まずは1枚(約15~20g炭水化物)から開始し、食後血糖の反応を見て調整。 [11]
  4. より良い選択肢:選べるならライ麦系(例:プンパーニッケル)など、血糖ピークが低めのパンも候補に。 [6]
  5. 全体最適:パンだけでなく、主食の半分を全粒穀物へ、全体として食物繊維摂取を増やすことをめざしましょう。 [1] [5]

まとめ

  • 全粒粉パンは白いパンよりも血糖が上がりにくいことが多いですが、加工法や商品により差があり、必ず低いとは限りません。 [1] [6]
  • 食事全体として、全粒穀物と食物繊維を増やし、精製度の高い炭水化物を減らすことが血糖の安定に役立ちます。 [3] [2]
  • 最後は、実際の自己測定で“自分に合うパンと量”を見つけることが一番確実です。 [2]

必要であれば、市販パンの商品名や成分表示の読み解き方、食後血糖の目安範囲に合わせた量の提案もお手伝いします。

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出典

  1. 1.^abcdefghijkDiabetes type 2 - meal planning: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcdefghijkDiabetes Meal Planning(cdc.gov)
  3. 3.^abcdeDiabetes management: How lifestyle, daily routine affect blood sugar(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcDiabetes diet: Create your healthy-eating plan(mayoclinic.org)
  5. 5.^abFiber: The Carb That Helps You Manage Diabetes(cdc.gov)
  6. 6.^abcdefGlycemic, insulinemic, and appetite responses of patients with type 2 diabetes to commonly consumed breads.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abHormonal and metabolic responses to breakfast meals in niddm: comparison of white and whole-grain wheat bread and corresponding extruded products.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Glycaemic responses to different types of bread in insulin-dependent diabetic subjects (IDDM): studies at constant insulinaemia.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^Effect of commercial rye whole-meal bread on postprandial blood glucose and gastric emptying in healthy subjects.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abTipos de carbohidratos | American Diabetes Association(diabetes.org)
  11. 11.^abDiabetic Diet(medlineplus.gov)
  12. 12.^abGlycemic index and diabetes: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  13. 13.^Glycemic index and diabetes: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。