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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 辛い食べ物の摂取は慢性腎臓病の発症や進行リスクを高めるというのは本当ですか?

要点:

唐辛子などの辛さそのものが慢性腎臓病(CKD)の発症・進行を直接高める確かなヒト研究は限定的です。むしろ辛い料理に同居しがちな高塩分が血圧を上げ腎負担を増やすため、減塩が重要です。スパイスや酸味を活用して塩分を抑え、食事全体の質を高めましょう。

辛い食べ物そのもの(唐辛子やカプサイシン)が慢性腎臓病(CKD)の発症や進行リスクを直接高めるという確かな人間研究の証拠は、現時点では限られています。一方で、辛い料理にありがちな“高塩分(ナトリウム過多)”は血圧を上げ、腎臓への負担を増やし、CKDの発症・進行に関与しうるため、塩分の取り過ぎがリスク要因になりやすい点には注意が必要です。 [1] [2] つまり、辛さそのものより「辛くて塩辛い」食べ方が問題になりやすい、という理解が妥当です。 [1] [2]


何がリスクになるのか

  • 高ナトリウム(塩分)摂取

    • 塩分は体内に水分を引き込み血液量を増やし、血圧を上げます。高血圧は腎臓の血管に負担をかけ、腎機能悪化のリスクを高めます。 [3] [4]
    • CKDの食事指導では、加工品・外食・汁物・漬物・加工肉などの「食塩が多い食品」を減らすことが強く勧められます。 [1] [2]
    • 国内の腎臓病向け指導でも、塩分は控えめにし、だし・酢・香辛料(唐辛子・こしょう・からしなど)で「減塩でも満足できる味付け」にする工夫が推奨されています。 [5] [6] これは、辛味や酸味・香りを上手く使うことで、塩分を減らしやすいという意味です。 [5] [6]
  • 食事パターン全体

    • 観察研究では、野菜果物中心の食事パターンはCKDの死亡リスク低下に関連し、一方で揚げ物や加工食品・砂糖飲料が多いパターンは死亡リスク増加に関連しました(CKDの人を対象)。 [7] このように、個々の香辛料よりも「食事全体の質」が腎予後に影響しやすいことが示唆されます。 [8] [9]

辛さ(カプサイシン)そのものの影響は?

  • ヒトで「食べるカプサイシンが腎機能を悪化させる」という決定的な臨床データは不足しています。むしろ基礎〜動物研究では、カプサイシンがTRPV1という受容体を介し、血管内皮機能の改善や血圧上昇の抑制に関わる可能性が報告されています。 [10] さらに動物では、高塩食下でカプサイシンが尿中ナトリウム排泄を促し、血圧上昇を抑える作用が示唆されています。 [11] ただし、これらはヒトの長期腎機能アウトカムを直接示すものではないため、人における保護効果を断定することはできません。 [10] [11]

  • 一部のヒト研究(膀胱への局所投与)では、カプサイシン刺激で利尿が増える生理反応が観察されていますが、これは特殊条件での結果であり、日常の食事での腎機能への影響を示すものではありません。 [12]


実生活でのポイント

結論として、辛い味そのものはCKDリスクを必ずしも高めませんが、辛い料理=塩辛い料理になりやすい「食環境」「調理法」がリスクを上げます。 [1] [2] 以下の工夫で、辛さを楽しみつつ腎臓にやさしい食事に近づけられます。

  • 減塩のコツ

    • 辛味・酸味・香りを活かす
      • 唐辛子・こしょう・山椒・酢・レモン・にんにく・しょうが・ハーブで風味を補い、塩や醤油・味噌・コチュジャンなどの量を減らす。 [5] [6]
    • 汁物・ソースは少なく
      • ラーメンや鍋のスープは残す、タレは別添えで量を調整。加工肉や漬物の頻度を下げる。 [1] [2]
    • 外食は「具を中心に」食べて塩分を抑える、同じメニューでも薄味の店や小サイズを選ぶ。 [1] [2]
  • 食事全体の質を上げる

    • 野菜・果物・未精製穀物・豆・魚を増やし、揚げ物・加工食品・砂糖飲料を控えめに。 [7] [9]
    • CKDがある場合は、カリウムやたんぱく質量の調整が必要なこともあるので、医療者の個別指導に従うのがおすすめです。 [2]

よくある誤解への答え

  • 「激辛は腎臓に毒?」
    現時点で、辛味(カプサイシン)そのものが腎機能を直接悪化させるという臨床的根拠は乏しいです。 [10] ただし、辛い=塩辛い・味が濃いになりやすいと、血圧上昇や腎負担につながるため、塩分カットの工夫が肝心です。 [3] [1]

  • 「辛いものをやめれば腎臓は守れる?」
    大切なのは「辛さの有無」より、総ナトリウム量の削減と食事パターンの改善です。 [1] [2] 減塩を助ける“スパイス活用”はむしろ推奨されることがあります。 [5] [6]


まとめ

  • 直接の因果として「辛いもの=CKD悪化」とは言い切れません。しかし、辛い料理に同居しがちな高塩分が腎臓リスクにつながるため、“塩分管理”が最重要です。 [1] [2]
  • スパイスや酸味で風味を立て、塩分を抑える食べ方は腎臓にやさしい減塩の具体策として有用です。 [5] [6]
  • 食事全体の質(野菜果物を増やし、加工・揚げ物・砂糖飲料を控える)が、腎予後と関連する可能性が示唆されています。 [7] [9]

もし普段よく食べる「辛いメニュー」の具体例があれば、塩分量を抑えるカスタマイズ方法を一緒に考えましょう。

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefghiChronic kidney disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghiEating right for chronic kidney disease(mayoclinic.org)
  3. 3.^abTame your salt habit(mayoclinic.org)
  4. 4.^Sodium: How to tame your salt habit(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcde만성 콩팥병(만성 신장병)의 식사요법 Chronic renal disease | 건강정보(health.severance.healthcare)
  6. 6.^abcde사구체신염식 | 식사요법 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  7. 7.^abcDietary patterns and risk of death and progression to ESRD in individuals with CKD: a cohort study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Dietary patterns, calories, and kidney disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcA better diet quality is associated with a reduced likelihood of CKD in older adults.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcActivation of TRPV1 by dietary capsaicin improves endothelium-dependent vasorelaxation and prevents hypertension.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abTransient receptor potential vanilloid 1 activation by dietary capsaicin promotes urinary sodium excretion by inhibiting epithelial sodium channel α subunit-mediated sodium reabsorption.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  12. 12.^Vesical-renal reflex: diuresis and natriuresis activated by intravesical capsaicin.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。