
PubMedの資料に基づく | 慢性腎臓病では、赤身肉より鶏肉のほうが腎機能の悪化リスクが低いというのは本当ですか?
慢性腎臓病では、赤身肉より非加工の鶏肉や魚、植物性たんぱく質を選ぶほうが、酸負荷・リン負荷や心血管リスクの面で有利で、進行や合併症リスクを下げ得ます。特にベーコンやハムなどの加工肉は避け、総たんぱく質量を適正化しつつ、減塩・野菜果物を含む食パターンに整えることが重要です。病期や検査値に応じて医療者と個別に調整してください。
赤身肉よりも鶏肉(特に加工していない鶏肉)を選ぶ方が、慢性腎臓病(CKD)の進行や合併症リスクを低くできる可能性があります。これは、たんぱく質の「量」だけでなく「種類」と「加工の有無」によって腎臓への酸負荷・リン負荷・心血管リスクが異なるためと考えられています。特に加工赤身肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)は避け、鶏肉や魚などの脂肪の少ない動物性たんぱく質、あるいは植物性たんぱく質の比率を高めることが一般的に勧められます。 [1] [2] [3] [4] [5]
背景のポイント
- たんぱく質の過剰は腎糸球体の過剰ろ過(ハイパーフィルトレーション)を引き起こし、長期的には腎機能悪化を早める可能性があります。動物モデルとヒト研究の集積で、たんぱく質制限が進行抑制に寄与する可能性が示されています。 [6] [7]
- たんぱく質の「種類」も重要で、酸負荷の高い動物性たんぱく質(特に赤身肉)より、酸負荷の低い植物性・魚・鶏などの選択が腎保護的に働く可能性が示唆されています。 [5] [8]
- 加工肉はリン添加物(「phos」で表示される添加リン)を多く含むことがあり、血中リンの上昇や血管・骨への悪影響を通じてCKDで不利になります。したがって、同じ「肉」でも加工品の回避が推奨されます。 [2]
食パターンとアウトカムのエビデンス
- 大規模コホートでは、フライドフード・内臓・加糖飲料・加工肉などが多い“Southern”型の食パターンが、CKDのある人で死亡リスクの上昇と関連し、果物・野菜が豊富なプラントベース型パターンは死亡リスクの低下と関連しました。これは「肉の種類」単独というよりも、加工肉や脂質・糖の多い食パターンが不利であることを示します。 [3]
- 別の前向き研究では、赤身肉・加工肉・飽和脂肪・甘味が多い“Western”型パターンが、微量アルブミン尿と腎機能の急速低下リスクの上昇と関連し、DASH型(野菜・果物・全粒穀物・低脂肪乳製品多め)は腎機能低下リスクの低下と関連しました。 [4]
鶏肉と赤身肉の違いの実務的な意味
- リンと添加物:加工された赤身肉は添加リンやナトリウムが多く、CKDでは不利です。加工鶏肉(チキンナゲット等)も同様に注意が必要で、“加工していない”鶏むね・もも(皮なし)などの方が望ましいです。 [2]
- 酸負荷:赤身肉は酸負荷が相対的に高く、腎臓に対する酸負荷の観点で、鶏や魚、植物性たんぱく質の方が有利と考えられています。 [5]
- 脂肪・心血管リスク:CKDでは心血管病が主要死因の一つです。脂肪の少ない鶏肉(皮なし)や魚の選択は、心血管面でも相対的に有利です。 [3] [4]
- まとめると、「非加工の鶏肉や魚」>「非加工の赤身肉」>「加工肉(赤身・鶏ともに)」の順で推奨度が高いと考えると実践しやすいです。 [2] [3] [4]
たんぱく質摂取量の考え方(ステージ別の目安)
- 透析前のCKDでは、体重・病期・筋量に応じて“やや控えめ”のたんぱく質が勧められることがあります(個別調整が必要)。一方、透析を開始した場合は“たんぱく質量を増やす”必要が出てきます。 [9] [10]
- 韓国の腎臓病向け栄養指導でも、CKDステージ3以降はたんぱく質を調整し、1食につき肉・魚・卵・豆腐などを1品だけ選ぶといったポーション管理が紹介されています。 [11]
- ポイントは「量と質の両立」です。必要量は主治医や管理栄養士の指示で個別決定し、その範囲内で加工肉を避け、鶏・魚・植物性たんぱく質を増やすことが現実的です。 [9] [1] [11]
低リン・低酸負荷を意識した実践のコツ
- 加工肉を避ける:ベーコン、ハム、ソーセージ、チキンナゲットなどはできるだけ控えましょう。原材料表示の「phos」系添加物はリン添加物の目安です。 [2]
- 非加工の鶏・魚を優先:皮なし鶏むね・もも、白身魚、青魚をローテーションで。焼く・蒸す・茹でるなどの調理で塩分・脂肪を抑えましょう。 [1]
- 植物性たんぱく質を上手に追加:豆腐・納豆などはカリウムやリンの管理が必要な場合があるため、主治医・栄養士の指示に合わせて量を調整しますが、全体の酸負荷を下げる助けになります。 [5]
- 果物・野菜を“適切に”:酸負荷低下に有利ですが、高カリウム血症のある方は種類と量に注意が必要です(個別指導が前提)。 [5] [1]
- 塩分を減らす:腎機能悪化や高血圧の進行を抑えるために、減塩は基本です。 [1]
比較表:赤身肉と鶏肉(CKDの観点)
| 項目 | 非加工赤身肉 | 非加工鶏肉(皮なし) | 加工肉(赤身・鶏) |
|---|---|---|---|
| 腎酸負荷の傾向 | やや高め(酸負荷が相対的に高い) [5] | 相対的に低め(部位・調理で更に低減) [5] | 添加物により不利(酸負荷・塩分) [2] |
| リン負荷・添加リン | 自然リン主体、可用性は中程度 [2] | 自然リン主体、可用性は中程度 [2] | 添加リンで“吸収されやすいリン”が増えがち [2] |
| 心血管リスクへの影響 | 脂質組成により不利になりうる [3] [4] | 脂肪が少なく相対的に有利 [3] [4] | 高塩分・加工で不利 [3] [2] |
| 実務上の推奨 | 量と頻度を控えめに、非加工で | 優先的に選びやすい | できるだけ避ける |
よくある質問への補足
-
Q:赤身肉は完全にやめるべき?
A:一律ではありません。透析前のCKDでは総たんぱく質量の範囲内で“頻度と量を控えめに”、非加工を選ぶ方針が現実的です。鶏や魚、植物性たんぱく質の比率を高めると良いでしょう。 [9] [1] [5] -
Q:透析中ならどうする?
A:透析ではむしろたんぱく質需要が増えるため、魚・鶏・卵など高品質たんぱく質を十分にという指導が一般的です(ただし塩分・リン管理は継続)。 [9] [10] -
Q:個別調整は必要?
A:はい。腎機能の段階、カリウム・リンの値、体重・筋量、合併症で最適解が変わります。主治医・管理栄養士と相談し、血液検査に合わせて調整してください。 [1] [9]
まとめ
- 「鶏肉が赤身肉より腎機能悪化リスクを下げる可能性」は、加工肉の回避・酸負荷やリン負荷・心血管リスクの観点から、妥当性がある見解です。 [2] [3] [4] [5]
- ただし、鍵は“総たんぱく質の適正化”と“加工肉の回避”、そして“食事全体のパターン(野菜・果物を適切に、減塩)”です。鶏や魚、植物性たんぱく質の比率を高める一方、赤身肉は非加工を少量・低頻度で取り入れる形が現実的です。 [1] [9] [5]
- 透析の有無や血液データで必要量は変わるため、必ず個別に調整しましょう。 [9] [10]
次の一歩(提案)
- 1週間の食事記録をつけ、加工肉の頻度をゼロ〜最小化し、非加工の鶏・魚を主たんぱく源としてみましょう。 [2] [1]
- 血液検査(カリウム・リン・アルブミン等)に合わせて、野菜・果物や植物性たんぱくの量を栄養士と微調整してください。 [5] [1]
この方針で進めてみたいのですが、現在の腎機能の段階(eGFR)や透析の有無、そして日頃よく食べる肉の種類や頻度はどのくらいですか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijEating right for chronic kidney disease(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefghijklLow-phosphorus diet: Helpful for kidney disease?(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefghDietary patterns and risk of death and progression to ESRD in individuals with CKD: a cohort study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefgAssociation of dietary patterns with albuminuria and kidney function decline in older white women: a subgroup analysis from the Nurses' Health Study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdefghijkDietary management of chronic kidney disease: protein restriction and beyond.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Dietary protein restriction and preservation of kidney function in chronic kidney disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Effect of diet on progression of chronic renal disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Protein intake in renal and hepatic disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^abcdefgDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 10.^abcDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 11.^ab만성 콩팥병(만성 신장병)의 식사요법 Chronic renal disease | 건강정보(health.severance.healthcare)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


