
PubMedの資料に基づく | 慢性腎臓病では、パンに含まれるリン酸塩やナトリウムの添加物が多いため、パンは控えたほうが良いというのは本当ですか?
要点:
慢性腎臓病でもパンを一律に避ける必要はありませんが、加工パンに多いリン酸塩(添加リン)やナトリウム添加物は控えるのが望ましいです。原材料表示で“phos”表記やナトリウム量を確認し、シンプルな材料・減塩のパンを少量取り入れ、量と頻度を調整しましょう。
慢性腎臓病の方は、パンそのものを一律に避ける必要まではありませんが、加工パンや市販のベーカリー製品に含まれがちな「リン酸塩(リン添加物)」と「ナトリウム(食塩・重曹など)」の添加物には注意したほうがよいというのは概ね正しいです。 [1] [2] パンは種類や原材料で差が大きく、選び方と食べ方を工夫すれば取り入れやすい主食になりえます。 [3] [4]
なぜ添加物が問題になるのか
- 🧪 リン添加物は体内での吸収率が非常に高く、腎機能が落ちた状態では血中リン(血清リン)が上がりやすく、血管石灰化や心血管イベントのリスク増加に関与すると報告されています。 [5] [6] 同じリンでも、食材の中に自然に含まれる有機リンより、添加物由来の無機リンは吸収が良く影響が大きいことが問題です。 [5]
- 🧂 ナトリウム(塩)は体内に溜まりやすく、むくみや血圧上昇、心血管負担を高めるため、CKDでは1日のナトリウム制限が推奨されます。 [7] CKDの治療方針でも、加工食品や添加物由来のナトリウムを避けることが食事療法の基本とされています。 [1] [8]
パンで気をつけたい添加物表示のポイント
- 🔎 原材料欄で「phos」と付く語(例:リン酸塩、リン酸、リン酸二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなど)がある場合、添加リンが使われています。 [2] このような表示があれば、CKDでは避ける・頻度を減らす選択が無難です。 [2]
- 🧂 ナトリウム源としては、食塩、重曹(炭酸水素ナトリウム)、ベーキングパウダー(リン酸塩系が多い)などが含まれることがあります。 無塩タイプや減塩表示、または原材料がシンプル(小麦粉・水・酵母・砂糖・油脂少量・塩少量)なパンの方がナトリウム負荷を抑えやすいです。 [8] [1]
パンは「全部NG」ではない
- 総合的なCKD食事指導では、カリウムを控えたい場合に白パン・食パン・バゲットなどは比較的取り入れやすい主食として挙げられることがあります。 [4] ただし、これはリンやナトリウムの添加が少ない場合に限ると理解してください。 [1]
- また、CKDの食事療法では「添加リンを避ける」「ナトリウムを減らす」ことが強く勧められるため、パンを選ぶ際もこの原則をパンの成分表示で確認することが大切です。 [1] [8] 加工食品全般に使われるリン酸塩やナトリウム添加物が“隠れ摂取”となりやすい点も注意点です。 [9]
おすすめの選び方と実践のコツ
- ✅ 原材料がシンプルなものを選ぶ
「小麦粉、酵母、砂糖、塩、油脂」程度で、リン酸塩系のベーキングパウダーや改良剤(エマルシファイア)などが入っていないものを選びましょう。 [2] [1] - ✅ 原材料欄で「phos」が含まれていないことを確認
例:calcium phosphate、disodium phosphate、phosphoric acid、sodium acid pyrophosphate などは避けるサインです。 [2] - ✅ ナトリウム量を確認し、1食あたりの塩分をコントロール
CKDでは1日ナトリウム2,000mg(食塩5g相当)程度への制限が一般的に推奨されるため、パン1食分でのナトリウム量を把握し、具材やスープとの合算で過剰にならないようにしましょう。 [7] [8] - ✅ 食べる量と頻度を調整
パンを主食にする頻度を下げる、1回量を減らす、他の主食(白ごはん、うどん等)と組み合わせるのも方法です。 [8] - ✅ 具や合わせる食品でリン・塩を上乗せしない
ハム、ベーコン、プロセスチーズ、レトルトソースなどはリン・ナトリウム添加が多いことがあり、具材は減塩の鶏むね肉、卵、ツナ水煮を洗う、野菜は茹でこぼすなど工夫を。 [1] [2] - ✅ 管理栄養士に相談
CKDの病期、血清リン・カリウム・ナトリウム、体格や他疾患で適切な量や種類が変わるため、専門家と一緒に個別調整できると安心です。 [1]
目安となる考え方
- 可能であれば、「phos」表記のないシンプルな食パン・バゲット・ロールなどを少量選び、1日の塩分・リン負荷の範囲内で取り入れるのが現実的です。 [2] [1]
- 一方で、菓子パン、総菜パン、ふくらし粉(リン酸塩系)や加工助剤が多いパン、長期保存パンは、リン酸塩やナトリウムが増えやすいため頻度を下げると良さそうです。 [2] [8]
- CKDの栄養療法の柱として、「添加リンを避ける」「ナトリウム制限」「適正たんぱく量」が挙げられますので、パン選びもこの方針に沿って判断しましょう。 [1] [8] [7]
まとめ
- パンは一律で禁止ではありませんが、添加リン(“phos”表示)とナトリウムが多いパンは控える価値が高いです。 [2] [1]
- 無添加・減塩・シンプル原材料のパンを選び、量と頻度を調整することで、CKDの食事療法に合った取り入れ方が可能です。 [1] [8]
- 添加物由来のリンとナトリウムは“隠れ摂取”になりやすく、CKD管理の妨げになりうるため、成分表示の確認がとても大切です。 [9] [5]
参考のポイント(要点)
- 追加リンは吸収率が高く、CKDでは血管や心血管系への悪影響が懸念されます。 [5]
- CKDの食事療法では、添加リンを避ける・ナトリウムを減らすことが推奨されます。 [1] [8]
- 原材料欄の「phos」表記はリン添加物の目印です。 [2]
- ナトリウムはむくみや高血圧を助長するため、1日約2,000mgナトリウム(食塩5g)が目安となることがあります。 [7]
この内容でご不安が少しでも軽くなれば嬉しいです。
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklmChronic kidney disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefghijLow-phosphorus diet: Helpful for kidney disease?(mayoclinic.org)
- 3.^↑Eating right for chronic kidney disease(mayoclinic.org)
- 4.^abLiving with Chronic Kidney Disease(cdc.gov)
- 5.^abcdPhosphate additives in food--a health risk.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Phosphate homeostasis in CKD: report of a scientific symposium sponsored by the National Kidney Foundation.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcd만성 신장병 [Chronic renal disease] | 건강정보(health.severance.healthcare)
- 8.^abcdefghiDiet - chronic kidney disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 9.^abSodium- and phosphorus-based food additives: persistent but surmountable hurdles in the management of nutrition in chronic kidney disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


