乳がんの人はきのこを食べても安全?効果と注意点
要点:
乳がんときのこ:安全性と効果のまとめ
結論として、一般的な食事としての「きのこ(しいたけ・まいたけ・えのき等)」は、乳がんの方でも多くの場合安全に摂取できます。きのこは低カロリーで食物繊維が豊富な「非でんぷん質の野菜」に含まれ、健康的な食事の一部として推奨されることが多いです。 [1] [2] ただし、濃縮エキスやサプリメント(例:霊芝、カワラタケ由来製品など)は薬との相互作用や安全性の不確実性があり、治療中は控えるか主治医に必ず相談することが望まれます。 [3] [4] [5]
きのこは「健康的な食事」の一部
- きのこは野菜の中でも低カロリーで、食物繊維・ビタミンD前駆体(エルゴステロール)などを含みます。日常の食事で取り入れる非でんぷん質の野菜として適しています。 [1]
- 乳がんの方に勧められる食事の基本は、様々な色の野菜・果物・全粒穀物・豆類を中心とした多様でバランスの良い食事です。きのこもその一部として取り入れやすい食材です。 [2]
ポイント: 食事の範囲内のきのこ摂取は、栄養バランスや満足感の向上に役立ちやすいです。 [1] [2]
期待される可能性のある効果(研究の示唆)
現時点のヒトに対する明確な「治療効果」の結論はありませんが、きのこ由来成分には、細胞・動物レベルで以下のような示唆があります。
- カワラタケ由来PSK(多糖体)は、NK細胞(自然免疫)活性を高め、抗HER2抗体療法(トラスツズマブ)との併用で抗腫瘍効果を高める可能性が示されました(前臨床・免疫学研究)。 [PM21]
- チャーガ(イノノトス・オブリクウス)由来トリテルペノイドは、乳がん細胞の増殖抑制や一部薬剤との相乗作用を示しました(細胞研究)。 [PM20]
- メシマコブ(Phellinus linteus)抽出物は、5-FUとの併用で乳がん細胞増殖を相乗的に抑制しつつオートファジー関連の細胞死を誘導した報告があります(細胞研究)。 [PM18]
- カワラタケ(Coriolus versicolor)と骨関連薬(ゾレドロン酸)の併用で骨転移モデルに影響を与えた動物研究があります。 [PM19]
重要: これらは主に「試験管内(in vitro)や動物モデル」の段階で、ヒトでの標準治療を置き換える根拠にはなりません。治療中にサプリとして用いる場合は、相互作用や安全性の確認が必要です。 [3] [4]
安全性と注意点
1) 食事としてのきのこ
- 調理して通常量を食べる分には、免疫抑制療法中でも一般的に安全と考えられます(ただし食中毒対策が重要)。 [5]
- 生食は避け、十分に加熱し、保存状態に注意しましょう(免疫が下がっている時期は特に)。 [5]
2) サプリメント・濃縮エキス
- きのこ由来のサプリやエキス(PSK、AHCC、霊芝など)は、抗がん剤や放射線治療と相互作用する可能性があり、効果や副作用に影響することがあります。 [3] [4]
- 抗酸化作用の強いサプリは、化学療法や放射線療法の効果を弱める懸念があるため、治療中は避けることが賢明とされています。 [4]
- サプリの服用は、種類・用量・タイミングを含めて必ず主治医やがん栄養の専門家に相談してください。 [3] [5]
ポイント: 「食事としてのきのこ」は多くの場合安全ですが、「サプリとしてのきのこ」は治療との兼ね合いで慎重さが必要です。 [3] [4] [5]
乳がん治療中の食事の基本
- 様々な野菜・果物・豆類・全粒穀物を中心に、バランスよく食べましょう。きのこも非でんぷん質野菜として毎日の野菜量に組み込めます。 [1] [2]
- サプリ全般は、治療と併用すると薬効や副作用に影響し得るため、自己判断での開始は避けて相談を。 [3] [5]
- 食品衛生を徹底し、十分に火を通す、適切に保存する、免疫低下期は外食・生ものを控えるなどの対策をとりましょう。 [5]
よくある疑問への回答
きのこはエストロゲン様作用がある?
- 大豆イソフラボンのような「植物性エストロゲン」は研究が進んでいますが、一般的な食用きのこについて、乳がんのホルモン受容体に対する明確で一貫したヒト臨床エビデンスは限られています。食事量のきのこがホルモン療法に悪影響を与えるという確立したデータは不足しています。慎重にみても、通常食の範囲では問題にならないことが多いです。 [6]
ビタミンDはどうする?
- 食事だけでは不足しやすく、骨の健康のためにビタミンD補充が勧められることがありますが、用量は個別に調整が必要です。きのこはビタミンD前駆体を含みますが、サプリの使用は担当医に相談しましょう。 [7]
実践ガイド:安全に取り入れるコツ
- きのこは「副菜1品」に相当する量(例:加熱後で100g前後)を、炒め物・煮物・スープなどで取り入れるとバランスがとりやすいです。 [1]
- 抗がん治療中は、サプリや濃縮エキスの新規開始は控え、どうしても使用したい場合は医療者と相談し、開始・中止のタイミングを調整しましょう。 [3] [4]
- 食品衛生を徹底(十分加熱、冷蔵保存、消費期限遵守)し、免疫が下がっている時期は外食や生ものを避けましょう。 [5]
まとめ
- 一般的な食事としてのきのこは、乳がんの方でも多くの場合安全に摂取できます。非でんぷん質野菜として、健康的な食事の一部に含められます。 [1] [2]
- 一方で、きのこ由来のサプリや濃縮エキスは、治療薬との相互作用や抗酸化作用による影響が懸念されるため、治療中は慎重に、必ず主治医に相談したうえで判断してください。 [3] [4] [5]
- 研究では有望な示唆もありますが、ヒトでの明確な効果はまだ限定的で、標準治療を置き換えるものではありません。 [PM21] [PM20] [PM18] [PM19]
参考のポイント比較
| 項目 | 食事としてのきのこ | きのこサプリ・濃縮エキス |
|---|---|---|
| 安全性 | 多くの場合安全、衛生管理が重要 [5] | 相互作用の不確実性、治療中は回避/要相談 [3] [4] |
| 期待効果 | 食物繊維・低カロリーで健康的食事に貢献 [1] [2] | 免疫調整や相乗作用の示唆(前臨床中心) [PM21] [PM20] [PM18] [PM19] |
| 推奨度 | バランス食の一部として推奨 [2] | 個別判断、医療者と要相談 [3] [4] |
| 注意点 | 生食回避・加熱・保存管理 [5] | 抗酸化強い製品は化学療法・放射線療法で避ける [4] |
行動のヒント
- 今日の食事に、炒めたきのこやきのこスープなどを一品加えてみましょう(非でんぷん質野菜のカウントにできて便利です)。 [1] [2]
- もし、霊芝・カワラタケ・AHCCなどのサプリを検討している場合は、現在の治療内容(抗がん剤名、放射線の有無、ホルモン療法の種類)をメモして、主治医またはがん栄養専門家に相談してください。 [3] [4] [5]
注意
本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な治療・サプリ使用は、必ず担当医と相談のうえでご判断ください。 [3] [4] [5]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghNutrition and Breast Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 2.^abcdefghРацион и рак молочной железы: принятие решений о здоровом питании(mskcc.org)
- 3.^abcdefghijklHierbas, productos botánicos y otros productos: Preguntas frecuentes(mskcc.org)
- 4.^abcdefghijklHerbs, Botanicals & Other Products: FAQs(mskcc.org)
- 5.^abcdefghijklmSeguridad de los alimentos durante su tratamiento contra el cáncer(mskcc.org)
- 6.^↑영남대학교(yumc.ac.kr)
- 7.^↑التغذية وسرطان الثدي: اتخاذ قرارات التغذية الصحية(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。