乳がんの人は緑茶を飲んでも大丈夫?安全性と効果
要点:
乳がんと緑茶:安全性と効果の総合ガイド
乳がんの方が緑茶を飲むことは、一般的には適量であれば安全と考えられます。化学療法・放射線治療の期間は1日2杯(約16オンス)までに控える目安が示されており、過剰摂取は避けると安心です。 [1] 同様の飲用上限は複数言語版の患者向け資料でも一貫して提示されています。 [2] [3]
緑茶のメリットと可能性
- 緑茶の主要成分カテキン(EGCGなど)には、代謝や血中脂質の改善などの良い作用が示唆されています。一部の臨床試験では、閉経後女性で脂質プロフィール改善の可能性が報告されています。 [PM19]
- 乳がん再発リスクに関して、緑茶が再発リスクを減らしたという報告がある一方で、閉経後の一部の女性ではリスクが上がる可能性も示唆され、結論はまだ一致していません。 将来的な研究が必要とされています。 [4]
ホルモン療法との関係(タモキシフェンなど)
- 研究の総説では、緑茶カテキンがタモキシフェンやラロキシフェンと併用で相乗的に抗腫瘍効果を示す可能性がある一方、アロマターゼ阻害薬やフルベストラントとの相互作用の証拠は見つかっていません。 ただし、これは主に前臨床・基礎研究に基づき、臨床での確証は今後の検証が必要です。 [PM7]
- タモキシフェンの血中濃度がEGCG併用で上がる可能性が指摘された報告もありますが、乳がん患者の臨床試験では明確な相互作用は観察されていません。 したがって、過度な摂取やサプリメント高用量は避け、担当医に相談しながら適量を守るのが安全です。 [5] [6]
抗がん剤・他薬との相互作用の注意点
- 緑茶抽出物はCYP3A4などの薬物代謝酵素やUGTを阻害・調節しうるため、これらで代謝される薬の血中濃度や副作用に影響する可能性があります。特にサプリメント形態での高用量は注意が必要です。 [7]
- 一部の薬では具体的なデータがあります。イリノテカンでは胆汁排泄輸送を抑えて半減期を延長し毒性が増える可能性が示されています。 [8]
- ボルテゾミブ(多発性骨髄腫で使用)ではEGCGなどポリフェノールが治療効果を弱める可能性があります。乳がん治療での使用薬ではない方も、併用薬にボルテゾミブ系がないか確認しましょう。 [5]
- 経口分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)では、動物データでエルロチニブやラパチニブのバイオアベイラビリティ低下が報告されています。治療中は緑茶の多量摂取や抽出物サプリを避けるほうが安全です。 [PM29]
- 併用ハーブと抗がん薬の現実世界データでも、一部ケースで有害事象が増える可能性が示されており、情報共有と慎重な併用判断が推奨されます。 [PM30]
放射線治療・化学療法中の飲み方の目安
- 治療中は1日2杯程度までに控える(約16オンス)という目安が提示されています。ジュースは1杯まで、ビタミン添加飲料は控えめにという同じ枠組みの飲用ガイドと合わせて考えるとわかりやすいです。 [1] [3]
- ホルモン療法中も同様に「適量で控えめ」に飲むスタンスがすすめられます。 [9]
サプリメントと濃縮抽出物は慎重に
- 緑茶そのもの(飲料)は適量であれば概ね安全ですが、濃縮抽出物サプリは薬物代謝や輸送体への影響が大きくなりやすく、相互作用リスクが上がるため避けるか主治医に必ず相談しましょう。 [7]
- 一部の輸送体(OATP1A2など)阻害により薬の吸収低下を起こす可能性も示されています。 [10]
具体的な実践アドバイス
- 量を守る:治療中は1日2杯までを目安に、濃い淹れ方や大型ボトルでの多量摂取は控えめに。 [1] [3]
- 薬との間隔:経口薬の前後1〜2時間は緑茶や抽出物の摂取を避けると、相互作用リスクを下げられる可能性があります(一般的な予防的配慮)。
- サプリは確認:緑茶抽出物(EGCG高含有)や「ダイエット用」濃縮製品の使用前は、薬剤師・主治医に相談。 [7]
- 個別性を重視:服用中の薬(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、CDK4/6阻害薬、分子標的薬など)により注意点が異なるため、自分の治療レジメンに合わせた確認が安心です。 [9]
まとめ
- 適量の緑茶(1日2杯程度)は多くの乳がんの方にとって概ね安全と考えられます。 [1] [3]
- 再発リスクや治療効果への影響は、前向きな可能性の報告もある一方で、閉経後の一部で不利な可能性や薬物相互作用の余地もあり、結論はまだ一律ではありません。 [4]
- 抽出物サプリや高用量は薬との相互作用が増えるため避けるか慎重に。 治療中は担当医・薬剤師に相談しながら、「飲料として適量・タイミングに配慮」のスタンスが安全です。 [8] [5] [7] [PM29]
よくある質問
-
緑茶はカフェインが気になりますが大丈夫ですか?
一般的な1杯の緑茶のカフェインはコーヒーより少なめです。不眠や動悸が出る場合は夕方以降を控える・薄めに淹れるなどで調整しましょう。 -
デカフェ緑茶なら安心ですか?
カフェインは減りますが、カテキンやEGCGは残るため、薬との相互作用リスクはゼロにはなりません。 サプリや濃縮抽出物よりは飲料の適量摂取が無難です。 [7] -
どのくらいの濃さで淹れればよいですか?
通常の家庭用ティーバッグ1包を湯150〜200mLで1〜2分抽出する程度なら過度な濃度にはなりにくく、1日2杯までが目安です。 [1] [3]
補足:研究の方向性
- 乳がんにおける緑茶の抗腫瘍作用やホルモン療法との相乗効果は前臨床で示唆されますが、臨床での明確な推奨を固めるには追加研究が必要です。 [PM7] [4]
- 薬物動態の相互作用(代謝酵素・輸送体)は、個々の薬剤ごとに検証が進んでおり、治療薬の種類に応じた注意が重要です。 [8] [7] [PM29]
この内容でご不安が和らいでいたら嬉しいです。ご自身の治療内容(薬の名前)を教えていただければ、緑茶の摂り方をより具体的にアドバイスできます。
関連する質問
出典
- 1.^abcdeNutrition and Breast Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 2.^↑التغذية وسرطان الثدي: اتخاذ قرارات التغذية الصحية(mskcc.org)
- 3.^abcdeРацион и рак молочной железы: принятие решений о здоровом питании(mskcc.org)
- 4.^abcGreen Tea(mskcc.org)
- 5.^abcGreen Tea(mskcc.org)
- 6.^↑Green Tea(mskcc.org)
- 7.^abcdefGreen Tea(mskcc.org)
- 8.^abcGreen Tea(mskcc.org)
- 9.^abNutrition and Breast Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 10.^↑Green Tea(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。