乳がんの人の運動は安全?注意点と実践ガイド
乳がんの人に運動は安全か
多くの場合、乳がんと診断された方にとって運動は安全で、疲労軽減や体力・気分の改善、体重管理などの面で役立ちます。開始や再開の際は、低強度から段階的に増やすことが基本です。 [1] 運動は「痛みを伴わない」ことが原則で、違和感があれば休むようにしてください。 [2]
運動の主なメリット
- がん治療中の疲労(だるさ)を軽くし、エネルギーを高める助けになります。 [3]
- 体力や自尊感情を高め、治療の継続にも良い影響が期待できます。 [3]
- 心肺機能・筋力維持により、生活の質の改善につながります。 [1]
安全に始めるための原則
- 🟢 主治医に相談してから運動を始める、または強度を上げる。 [1]
- 🟢 低強度からゆっくり増やす(ウォーキングや軽い体操から)。 [1]
- 🟢 痛みが出たら中止し、休憩をとる。運動は痛みを誘発してはいけません。 [2]
- 🟢 自分の体調や治療スケジュールに合わせ、無理をしない。 [1]
推奨される運動量と種類
一般的な目安として、がん治療を受ける方も週当たりの有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることがすすめられます。 [4]
- 有酸素運動:週150分の中強度(例:やや息が上がる速さのウォーキング)を目指す。 [4]
- 筋力トレーニング:週2日以上、主要筋群を安全に鍛える。 [4]
- 柔軟性向上のため、ストレッチを日常的に取り入れる。 [4]
ただし、開始前の状態や治療経過により調整が必要ですので、個別に主治医へ確認してください。 [1]
治療中の特別な注意点
- 🧪 抗がん剤治療の初週などで白血球が大きく低下し、感染リスクが高い時期は、無理な運動は控えるのが安全です。 [5]
- 🤒 発熱がある場合は、運動を中止し医療者へ相談してください。 [5]
- 🛡️ 強度の高い運動(例:重いウェイト、テニス)を始める前には、必ず医療者へ事前確認を。 [2]
腋窩リンパ節郭清後(わきのリンパ節手術後)の腕・手のケア
腋窩リンパ節郭清を受けた方は、腕・肩の使い方や運動の再開に注意が必要です。ゆっくり段階的に増やす、痛みが出たら中止が基本です。 [2]
- 再開は低強度から、不快感があれば休む。 [2]
- 高強度の運動は医療者に確認(例:重量挙げ、テニス)。 [2]
- きついゴム入り衣類や重いアクセサリーは避ける(跡が残る締め付けはむくみを助長)。 [2]
- 日常の腕・肩の可動域運動は、1日複数回、4–6週間かけて通常範囲へ回復を目指す。 [6]
- 切り傷や虫刺されの予防・早期ケアで感染を防ぐことが、リンパ浮腫リスク低減に役立ちます。 [7]
リンパ浮腫(むくみ)と運動の関係
過去には「腕を使う運動は避ける」などの慎重な指示がありましたが、現在のエビデンスでは、適切に漸進実施する運動(とくにレジスタンス運動)はリンパ浮腫を引き起こしたり悪化させるものではないとされています。 [PM20] ただし、急に重い負荷をかけると症状の誘発につながり得るため、段階的に負荷を上げることが大切です。 [8]
実践的な運動プラン例
- 🧍♀️ 日〜水:30分の中強度ウォーキング(会話はできるが少し息が上がる程度)。 [9]
- 🏋️♀️ 週2日:軽い筋力トレーニング(腕回し、椅子押し上げ、かかと上げ、体幹トレーニングなど)を各10回×2セット。 [9]
- 🧘♀️ 毎日:肩・胸・背中のストレッチで可動域維持。 [6]
- ⏸ 体調がすぐれない日は、強度を下げるか休む。 [1]
避けるべき状況やサイン
- 🌡 発熱、感染徴候(赤み・痛み・腫れ)や強いだるさがあるときは運動中止。 [5]
- 💢 運動中に痛みが出る場合は中止し、再開は強度を下げて。 [2]
- 🩸 抗がん剤直後で白血球が低い可能性が高い時期は、屋外の混雑環境での激しい運動は避ける。 [5]
セルフチェックとモニタリング
- 心拍や主観的運動強度(会話可能か、息切れの程度)を用いて、中強度(目安:会話可、歌は難しい)を維持。 [1]
- 腕のむくみ、重だるさ、皮膚跡(ゴムの締め付け跡)の増悪がないかを毎回確認。 [2]
- 強度アップは1〜2週間に10%程度の小幅増加で。 [1]
よくある質問と回答
-
Q:ウェイトトレーニングはしてもいい?
A:医療者へ相談のうえ、軽負荷からゆっくり増やせば可能です。痛みやむくみ悪化があれば中止しましょう。 [2] -
Q:どのくらいから始める?
A:低強度(散歩、軽い関節可動域運動)から始め、体調に合わせて段階的に増量します。 [1] -
Q:術後いつから肩を動かしていい?
A:可動域運動は術後に指示された範囲で毎日行い、4–6週で通常範囲を目指します。改善が乏しければ医療者に連絡を。 [6]
まとめ
乳がんの方の運動は、主治医と相談しながら低強度から段階的に進める限り、多くの場合安全で有益です。 [1] 痛みを伴わず、感染リスクの高い時期は無理を避けるなどの基本を守り、腕・肩のケアや装着物の締め付けにも配慮すると、リンパ浮腫のリスクを抑えつつ効果的に体力を取り戻せます。 [2] [7] なお、高強度の運動を始める前には必ず医療者に確認し、違和感があればすぐに調整しましょう。 [2]
参考の安全ポイント一覧
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijklmExercise During and After Cancer Treatment: Level 1(mskcc.org)
- 2.^abcdefghijklmnHand and Arm Guidelines After Your Axillary Lymph Node Dissection(mskcc.org)
- 3.^abNutrition and Breast Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 4.^abcdOvercoming Barriers to Maintaining Physical Activity during Cancer Care(mskcc.org)
- 5.^abcde유방암 환자의 운동치료 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 6.^abcd액와림프곽청술 후 손 및 팔 가이드라인(mskcc.org)
- 7.^abcЛимфедема и рак молочной железы(mskcc.org)
- 8.^↑유방암 환자의 운동치료 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 9.^abHow Can People with Cancer Exercise during the COVID-19 Pandemic?(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。