Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 喘息の人は牛乳を飲むと痰が増えて症状が悪化するって本当ですか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 喘息の人は牛乳を飲むと痰が増えて症状が悪化するって本当ですか?

要点:

牛乳が痰を増やして喘息を悪化させるという一般論は、現時点の研究では支持されていません。口・のどに乳脂肪が残るコーティング感が痰と誤解されやすい一方、牛乳アレルギーがある場合は症状悪化の可能性があるため個別対応が必要です。気になる場合は代替飲料や飲み方の工夫、医療機関への相談を検討しましょう。

喘息の方が牛乳を飲むと痰(たん)が増えて症状が悪化するという考えは、一般的には科学的な裏づけが強くありません。多くの研究では、牛乳そのものが気道の粘液(痰)を増やしたり、喘息症状を直接悪化させたりする明確な証拠は見つかっていません。 [1] 一部の人が牛乳で口やのどに「膜が張るような感覚」を覚えることがあり、これが痰が増えたと感じる理由の一つと考えられています。 [1]


痰が増えたように感じる理由

  • 🥛 口・のどのコーティング感
     冷たい牛乳や乳脂肪が口腔・咽頭に残り、とろみが残る感覚が「痰が増えた」と誤解されやすいとされています。 [1]

  • 👃 本当の痰の増加とは別物
     痰の増加は通常、気道の炎症や感染、刺激物による粘液産生の増加で起こります。 [2] [3] 牛乳自体が気道炎症を引き起こすという根拠は乏しいと考えられています。 [1]


研究でわかったこと

  • 👦👧 小児を対象にした比較試験
     喘息のある子どもが牛乳と大豆ミルクを飲んだ場合の症状に差は認められなかったとする報告があります。 [1] これは、牛乳摂取が短期的に呼吸症状を悪化させるという説を支持しない結果です。 [1]

  • 📚 総合的な見解
     長年「牛乳は痰を増やす」という言い伝えはありますが、系統的にみて因果関係は明確でなく、乳幼児や小児でも牛乳を一律に制限すべき根拠は不十分とまとめられています。 [4] 栄養面(成長や骨の健康)を考えると、不要な除去は推奨されにくいという立場が一般的です。 [4]


例外:牛乳アレルギーがある場合

  • ⚠️ アレルギーは別問題
     牛乳アレルギー(牛乳たんぱくアレルギー)は、蕁麻疹、嘔吐、喘鳴(ぜんめい)などを引き起こすことがあり、重症ではアナフィラキシーの危険があります。 [5] アレルギーがある方は、牛乳や乳製品の摂取で喘息が悪化する可能性があります。 [6]

  • 🧪 診断のポイント
     皮膚プリックテストや特異的IgE検査は参考になりますが、陽性でも必ず症状が出るわけではなく、陰性でも完全に否定はできないなど限界があります。 [6] 最終的には、医療機関での食物負荷試験(安全管理下での確認)で判断することがあります。 [6]

  • 👶 年齢と経過
     多くの小児は成長とともに牛乳アレルギーを寛解する傾向があり、2歳で約3割、6歳で約8割が耐性獲得したという長期追跡もあります。 [7]


喘息管理と食事の実用ポイント

  • 🌤️ ビタミンDの確保
     重めの喘息ではビタミンDが不足しがちな傾向が指摘され、牛乳・卵・魚や日光浴が推奨されることがあります。 [8] ただし、これは牛乳摂取を必須とするものではなく、他の食品やサプリで補う選択肢もあります。 [8]

  • 🍷 食事誘発因子の回避
     亜硫酸塩(ワイン、乾燥果物、えび等の保存料)は一部の人で喘息を悪化させることがあるため、心当たりがあれば注意しましょう。 [8]

  • 🥛 牛乳が気になる場合の工夫
     痰が増えた感じが気になる時は、温めたミルクにする、低脂肪乳に変える、摂取後にうがいをする、摂取タイミングを就寝前から日中へずらすといった工夫も役立つことがあります。大豆・オーツ・アーモンドなどの代替飲料へ切り替えて自分の症状の変化を観察する方法もあります。 [1]


受診のタイミング

  • ⛑️ 次のような場合は医療機関での相談をおすすめします。
    • 牛乳や乳製品で毎回咳、喘鳴、蕁麻疹、腹痛、嘔吐などが出る。 [5]
    • 喘息が標準的な治療でもコントロール不良で、食事の影響が疑われる。 [6]
    • 栄養バランスの心配がある(乳製品を大きく制限したいなど)。 [4]

まとめ

  • 牛乳が痰を増やし、喘息症状を悪化させるという一般論は、現時点の研究では支持されていません。 [1] [4]
  • 一方で、牛乳アレルギーがある方では、摂取により喘息様症状や他のアレルギー症状が出ることがあるため個別対応が必要です。 [5] [6]
  • 栄養面も考慮しつつ、自分の体調との関連を観察し、違和感があれば専門医に相談するのが安全です。 [4]

よくある質問

  • Q: 「牛乳を飲むと喉がネバつくのは痰が増えているから?」
    A: 口やのどの表面に乳脂肪が残る“コーティング感”の可能性が高いとされています。 [1]

  • Q: 「牛乳をやめると喘息は良くなる?」
    A: 牛乳アレルギーがある場合を除き、一律の改善効果は確認されていません。 [1] [4]

  • Q: 「代替ミルク(大豆ミルクなど)の方が良い?」
    A: 症状に差がないとするデータもありますが、個人差はあります。 試してみて体調の変化を観るのは良い方法です。 [1]


必要であれば、牛乳摂取後の症状の有無やタイミング、量、同時に食べたものを2〜4週間メモに残し、アレルギーの可能性を含めて医療機関で相談してみませんか?

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出典

  1. 1.^abcdefghijkCold symptoms: Does drinking milk increase phlegm?(mayoclinic.org)
  2. 2.^Chest Cold (Acute Bronchitis) Basics(cdc.gov)
  3. 3.^Chronic Bronchitis(medlineplus.gov)
  4. 4.^abcdefMilk consumption and mucus production in children with asthma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcMilk allergy-Milk allergy - Symptoms & causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  6. 6.^abcdeMilk-induced wheezing in children with asthma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Natural history of cow milk allergy: clinical outcome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcAsthma diet: Does what you eat make a difference?(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。