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2026年2月17日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 果物の摂取で喘息の発症リスクや症状が改善または悪化するというのは本当ですか?

要点:

果物の摂取は、観察研究と介入試験で喘息の発症リスクや悪化を減らす可能性が示されています。乾燥果物の亜硫酸塩や花粉‐食物アレルギー症候群による口腔アレルギーなど、敏感な人では症状を誘発・悪化させる例外があります。基本は果物・野菜をバランスよく取り、反応がある食品は避けるか加熱で工夫しましょう。

果物の摂取は、一般的には喘息の発症リスクを下げ、症状悪化の可能性も低くする方向で働くことが示唆されています。一方で、例外として「乾燥果物に含まれる亜硫酸塩(サルファイト)」や「特定の果物による口腔アレルギー(花粉‐食物アレルギー症候群)」は、敏感な人では症状を誘発・悪化させることがあります。 [1] [2]


全体像のポイント

  • 果物・野菜の多い食事は、喘鳴(ぜんめい)や喘息のリスク低下と関連がみられます。観察研究とメタ解析では、果物摂取が多い群で喘息や喘鳴の発症が少ない傾向が報告されています。 [1] [3]
  • 実際の介入試験でも、果物・野菜を増やした「高抗酸化食」は、肺機能低下や悪化(増悪)の発生を減らす可能性が示されています。サプリ単独では同等の効果が再現できず、ホールフード(丸ごとの食材)としての摂取が重要と考えられます。 [4]
  • 悪化の可能性があるケースとして、乾燥果物などの高サルファイト食品、食物アレルギーをもつ方での果物摂取、花粉症由来の口腔アレルギー(口のかゆみ・喉の違和感など)があります。 [2] [5] [6]

エビデンスの詳細

果物摂取と喘息リスクの低下

  • 複数のコホート・症例対照・横断研究をまとめた系統的レビュー/メタ解析では、果物摂取が多い人ほど喘息・喘鳴のリスクが低いことが示されています(果物:相対リスク0.78[0.70–0.87])。小児でも高摂取は喘鳴リスク低下と関連しました。 [1]
  • 果物・野菜を合わせた総摂取量が多いほど、成人・小児の喘息リスクはより低いという解析結果もあります。 [1]
  • 栄養と食事の一次予防に関する別の系統的レビューでも、果物・野菜が喘息やアレルギーの予防に有益である可能性が示唆されています(ただし観察研究中心で、バイアスの影響は残ると評価)。 [3]

介入試験:高抗酸化食の効果

  • 喘息成人を対象に、果物2サービング+野菜5サービング/日の「高抗酸化食」と、果物≤1+野菜≤2/日の「低抗酸化食」を比較したランダム化試験では、低抗酸化食群で1秒量(FEV1)など肺機能の低下、炎症マーカーの上昇、悪化に至るまでの時間の短縮がみられました。 [4]
  • トマト抽出物(リコピン)補充では、低抗酸化食の不利益を相殺できませんでした。このことから、サプリよりも果物・野菜を組み合わせたホールフードの摂取が効果的と考えられます。 [4]

悪化につながりうるケース

1) サルファイト(亜硫酸塩)

  • 一部の人では、サルファイトを多く含む食品が喘息症状を誘発することがあります。代表例は乾燥果物、ワイン・ビール、瓶入りレモン/ライム果汁、漬物、冷凍えび、加工ジャガイモなどです。乾燥果物は要注意です。 [2] [5]
  • 食べた直後に咳や喘鳴が悪化するなどの関連がはっきりする場合、高サルファイト食品の摂取量を見直すと良いでしょう。 [2]

2) 食物アレルギー・口腔アレルギー症候群

  • 花粉症がある方では、リンゴ・桃・梨・チェリー・キウイ・メロン・トマト・ナッツ類などの生の果物やナッツで口のかゆみ、喉の違和感、まれに全身症状が出ることがあります(花粉‐食物アレルギー症候群/口腔アレルギー症候群)。加熱で症状が軽くなることが多いです。 [7] [6]
  • 喘息が併存する人のアレルギー反応は重くなりやすいため、自覚がある果物は避ける、加熱で代替する、医療機関での評価(皮膚テスト・食物負荷の検討)を考えると安心です。 [5]

実践のコツ

摂取の目安

  • 果物は1日2サービング、野菜は1日5サービング程度を目標にすると、臨床試験で用いられたレベルに近づきます。色の濃い果物(ベリー、柑橘、りんご、柿など)と、緑黄色野菜や豆類をバランスよく取り入れるのがおすすめです。 [4]
  • 体重管理も大切です。過体重は喘息症状を悪化させやすいため、バランスの良い食事で適正体重を維持しましょう。 [8]

避けたい・工夫したいもの

  • 乾燥果物・ワインなど高サルファイト食品は摂りすぎに注意し、反応がある場合は新鮮な果物に置き換えるとよいです。 [2]
  • 口腔アレルギーが疑われる果物は「加熱」(コンポート、ジャム、焼きリンゴ等)にすると食べられる場合があります。症状が強い場合は専門医での評価を検討してください。 [7] [6]

サプリより食材から

  • 抗酸化ビタミンをサプリで大量にとるより、果物・野菜から幅広くとる方が有利と考えられています。サプリ単独では同等の改善が得られない可能性が示されています。 [4]

よくある疑問

果物で喘息が「治る」?

  • 果物で喘息が治るわけではありませんが、全体として症状管理や悪化予防に役立つ可能性があります。 [9]
  • 基本は定期薬・吸入薬などの標準治療を続けつつ、食事は「支える柱」の一つとして取り入れるのが安全です。 [9]

まとめ

  • 果物・野菜を多く含む食事は、喘息の発症や喘鳴リスクの低下と関連し、実際の試験でも悪化を減らす可能性が示されています。 [1] [4]
  • ただし、乾燥果物などに含まれるサルファイトや、特定果物のアレルギーがある場合は悪化のきっかけになりえます。自分の反応に合わせて食品を選び、必要なら加熱や代替で工夫しましょう。 [2] [7] [6]

参考になる比較表

項目改善・予防に寄与する可能性悪化のリスクになりうる要素対応のヒント
果物・野菜の量多いほど喘息・喘鳴リスク低下と関連(観察研究)。 [1]不足すると肺機能低下や悪化リスク増の可能性(介入試験)。 [4]1日果物2+野菜5サービングを目安に。 [4]
抗酸化の取り方ホールフード(食材)から幅広く。 [4]サプリ単独では効果が再現されない可能性。 [4]彩り豊かな果物・野菜を組み合わせる。 [4]
サルファイト乾燥果物、ワイン、瓶レモン/ライム汁等で症状誘発。 [2] [5]反応があれば摂取を控え新鮮果物へ置換。 [2]
口腔アレルギー生のリンゴ・桃・キウイ等で口の違和感〜まれに全身症状。 [7] [6]加熱で軽減、症状強ければ専門医へ。 [7] [6]

必要であれば、普段食べている果物の種類や量、食べた後の症状(時間・程度)を簡単にメモし、医療者と共有すると、より安全で効果的な食事プランを立てやすくなります。 😊

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出典

  1. 1.^abcdefFruit and vegetable intake and risk of wheezing and asthma: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghFood(aafa.org)
  3. 3.^abNutrients and foods for the primary prevention of asthma and allergy: systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefghijkManipulating antioxidant intake in asthma: a randomized controlled trial.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdFood(aafa.org)
  6. 6.^abcdefFood allergy - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  7. 7.^abcdeFood allergy - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  8. 8.^Asthma diet: Does what you eat make a difference?(mayoclinic.org)
  9. 9.^abAsthma diet: Does what you eat make a difference?(mayoclinic.org)

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